「大阪市内で、本格的なIB教育を通学で受けさせたい」
「学費はいくら?日本国籍でも入れるの?OIS(千里国際)やIHSと何が違うの?」
そんなご家庭から選ばれているのが、大阪YMCAインターナショナルスクール(Osaka YMCA International School:OYIS)です。大阪YMCAを母体とする非営利の国際学校で、幼児期からGrade12まで、IBのPYP・MYP・DPをひとつの学校で学べます。
本記事では、英語・国際教育のプロであるELTが、公式の一次情報をもとに、評判・学費・カリキュラム・入試・奨学金・進学実績までを整理します。教育としての魅力と、日本の学校制度上の位置づけ(一条校ではない点)を分けて、誠実にお伝えします。
1. 大阪YMCA(OYIS)とは?大阪市のIB一貫校
OYISは大阪YMCAを母体に2001年に開校した、幼児期からGrade12までのIB一貫校です。PYP・MYP・DPすべてが認定済みで、WASC認定の非営利校です。

OYISは、1882年に大阪で設立された大阪YMCAを母体とし、2001年に開校した非営利のインターナショナルスクールです(生徒の愛称は「Lions」)。
学校公式は、OYISを「大阪市内で唯一のIB一貫校」と表現しています。これは「大阪市内」「PYP・MYP・DPの一貫」という条件のもとでの学校自身の表現として捉えるのが正確です。実際に、IB(国際バカロレア)の三課程はいずれも認定済みで、認定日は次の通りです。
- PYP(初等):2012年6月18日認定
- DP(ディプロマ):2021年3月15日認定
- MYP(中等):2021年7月19日認定
(IB World School code:061123)。これにより2021年に三課程がそろいました。さらにOYISは WASC(米国西部学校大学協会)の認定校でもあります(CIS・NEASC等の認定は公開情報では確認できませんでした)。
生徒数・国籍は、公開ページによって「34カ国籍・300名超」「40カ国」「330名・35カ国」と表記に幅がありますが、いずれにせよ300名規模・30カ国超の国際コミュニティです。生徒教師比率は約7:1で、教員は全員が教員免許を持ち、修士・博士号保有者も多く在籍します。
2つのキャンパス
OYISは大阪市中心部に2つのキャンパスを持ちます。
- 中津(Nakatsu)キャンパス:本拠地。大阪市北区中津6-7-34。梅田(大阪最大の交通・商業ハブ)至近で、PYPとMYP(中学段階)が中心。
- 土佐堀(Tosabori)キャンパス:2020年開設。大阪市西区土佐堀のYMCA本部ビル9F。ビジネス街にあり、上級MYP〜DPが中心。
日中にキャンパス間の移動が必要な場合は、無料のシャトルバスが運行されます。
基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | Osaka YMCA International School(OYIS/大阪YMCAインターナショナルスクール) |
母体・性格 | 大阪YMCA(1882年設立)/非営利のデイスクール |
開校 | 2001年 |
対象 | 幼児期(Preschool)〜 Grade12 |
カリキュラム | IB一貫(PYP・MYP・DP/三課程認定済み)・WASC認定 |
キャンパス | 中津(北区・梅田至近)/土佐堀(西区・2020開設) |
規模 | 約34カ国籍・300名超(媒体により表記差) |
2. カリキュラムの特徴|PYP・MYP・DPと言語・3つの卒業パスウェイ
OYISは英語を授業言語に、探究型のPYP・MYP・DPを一貫で提供し、全生徒に2言語を必修としています。高等部には3つの卒業パスウェイがあります。
OYISの教育は、探究型・生徒中心(inquiry-based, student-centered)を前面に打ち出しています。PYP・MYP・DPを通じて概念理解と探究を積み上げ、DPではTOK(知の理論)・EE(課題論文)・CAS(創造・活動・奉仕)というコアに取り組みます。
言語面では、全プログラムの授業言語は英語で、全生徒が在学中に2言語を履修します。
提供言語は英語・日本語・韓国語で、DPではLanguage A:自学言語(SSST)の代替コースも用意されています。英語の支援が必要な生徒にはEAL(第二言語としての英語)支援があり、PYP入学時にはWIDAで判定し、一定のスコア帯では支援が必須となります(EAL費は年額¥175,000)。特別支援については、軽度〜中等度の学習支援ニーズに対応する範囲と公開されています。
OYISの大きな特徴が、高等部の「3つの卒業パスウェイ」です。
- IB Diploma Programme(フルDP)
- IBDP Courses(DPの科目履修)
- WASC認定のOYIS Diploma
全員が一律にフルDPを取るのではなく、生徒の学力プロファイルや大学志望に応じて進路を複線化できる点は、OYISの包摂性を示す強みといえます。
このほか、ロボティクス、模擬国連(MUN)、Performing Arts、Student Government、各種スポーツ(バスケットボール・バレーボール・サッカー等)といった課外活動や、Service Learning・CASも、学校のミッションの中核に据えられています。クラスは少人数で、Early Childhoodが最大20名、Grade1〜12が最大25名です。
IBの仕組みを詳しく知りたい方は、IB(国際バカロレア)とはやIB DP(ディプロマ)とはもご覧ください。
IBDP(IBディプロマ)完全攻略ガイド:科目選択・TOK/EE・スコア戦略を徹底解説【2026年版】
3. OYISの学費はいくら?初年度総額・追加費用と奨学金
OYISの年間費用(Annual Total)は幼児期約175万円〜中高約224万〜232万円。出願料・登録料を加えた初年度は約208万〜257万円で、EAL費や行事費が別途加わります。
OYISの2026-27年度の年間費用(Annual Total)は次の通りです。
学費(2026-27年度・公式)
学年帯 | 授業料 | Development Fee※ | 保険 | 年間合計 |
|---|---|---|---|---|
Pre-school | ¥1,563,000 | ¥184,000 | ¥7,000 | ¥1,754,000 |
Kindergarten | ¥1,662,000 | ¥184,000 | ¥7,000 | ¥1,853,000 |
Grades1-6 | ¥1,830,000 | ¥184,000 | ¥7,000 | ¥2,021,000 |
Grades7-9 | ¥2,049,000 | ¥184,000 | ¥7,000 | ¥2,240,000 |
Grades10-12 | ¥670,000 | ¥1,640,000 | ¥7,000 | ¥2,317,000 |
※Development Feeには、IBプログラム費・教材費・実践教育費が含まれます。なおGrades10-12は、日本政府の就学支援金により実際の支払額が変わります(支援幅は¥0〜630,000)。
初年度総額の目安
上記に、出願料(¥30,000/Grades10-12は¥22,000)と登録料(¥300,000/Grades10-12は¥200,000)を加えた初年度総額の目安は、おおむね次のようになります。
- Pre-school:約208万円/Kindergarten:約218万円
- Grades1-6:約235万円/Grades7-9:約257万円/Grades10-12:約254万円
授業料に含まれない費用
総額は、次の費用で上振れします。家庭の負担感がズレやすい部分なので、必ず分けて確認しましょう。
- EAL(英語支援):年¥175,000(対象生徒)
- スクールバス:年¥60,000(中津キャンパスのみ。大阪駅・本町・福島など)。土佐堀はバス対象外で公共交通+割引定期。
- 給食:EC〜G4は月¥5,200〜16,250、G4〜G8は月¥5,600〜17,500(土佐堀のG9〜12は給食提供なし)
- 行事費:Grade10の宿泊行事 ¥200,000、新Grade12のDP関連 ¥170,000 など
- 分割払いは3%の追加負担(Grades10-12を除く)
奨学金(最大100%)
OYISには2種類の奨学金があります。
- Achievement Award:Grade10/11入学者が対象で、最大100%**の学費減免(上限であり全員が対象ではありません)。学力ベースと芸術ベースがあり、試験・エッセイ・面接で選考。2026年募集は1月17日試験・受験料無料でした。
- Community Support Financial Grant(CSFG):経済的支援が必要なご家庭向け。教育理念への賛同やボランティア参加などが条件で、選考委員会と理事会が承認します(給付率・採択件数は公開情報では未確認)。
なお、兄弟割引や在学開始後の退学返金規定は、公開情報では確認できませんでした。費用面は入学相談で必ずご確認ください。
「この費用に見合う価値があるか」「奨学金を狙えるか」
ELTの個別カウンセリングでは、お子様の状況に合わせて費用対効果と学習計画を客観的に整理します。
4. 入試・必要な英語力と「日本国籍の入学資格」
OYISはローリング出願で、書類審査・オンラインテスト(読解・数学)・校長面接で選考します。日本国籍児は海外・他インターでの教育歴が出願の前提で、一条校ではない点に注意が必要です。
入試プロセス
OYISは空きがあれば随時受け付けるローリング出願で、2026-27年度の願書締切は3月6日でした。4月入学も受け入れています。
流れは「お問い合わせ → 書類審査 → オンラインテスト(読解:KB〜G11/数学:G7〜G11) → 校長面接 → 2次審査 →(年度途中は授業観察)→ 合格 → 請求 → 入学」です。
ビザサポートは行っていません。クラスは少人数(EC20名/G1〜12は25名)です。
英語力については、学年帯ごとに目安(WIDAやMYP・DPのPhase)があるものの、それに届かない場合でも条件付き入学(conditional admission)で受け入れる運用があり、「一律の最低点で不合格」というタイプではありません。
【重要】日本国籍の入学資格
OYISは全国籍を歓迎していますが、入学資格には注意が必要です。公式は、対象に「海外、または日本国内の他の認定インターナショナルスクールで主に教育を受けてきた日本国籍の子ども」を含むと明記しています。つまり、一般的な日本の公立小学校からの転入が可能かどうかは、公開情報だけでは断定できません(個別審査の余地はあります)。日本国籍のご家庭は、出願前に学校へ直接確認することをおすすめします。
一条校ではない点と就学義務
OYISは一条校(学校教育法第一条の学校)ではありません。文部科学省の整理では、日本国籍の子を一条校でないインターナショナルスクールに通わせても、原則として就学義務を履行したことにはならないとされています。OYIS自身も、入学方針の「日本国籍家庭への注記」で、両親とも日本国籍の場合は通常の日本の教育を離れることになり、お住まいの区の教育委員会への対応は保護者の責任であると注意喚起しています。大阪市も、国立・私立学校等へ就学する場合は区役所への届出が必要と案内しています。これは「必ず問題が起きる」という意味ではなく、出願と並行して、お住まいの区役所の就学窓口に確認しておくべきという趣旨です。
「英語力がどの程度必要か」
「日本国籍でも出願できるか」
ELTの無料カウンセリングで、現在地と入学準備を整理できます。
5. 進学実績(DP)と大学進学支援|OYISの「出口」
OYISのDP合格率はClass2024が89.5%、Class2025が81%で、平均点はいずれも世界平均を上回りました。進学先は国内大と海外大の併走型です。
新設校と異なり、OYISには自校のDP(ディプロマ)実績があります。学校公開のSchool Profileによると、
- Class of 2024:合格率89.5%/平均総点33.1/科目平均5.23
- Class of 2025:合格率81%/平均総点31.4/科目平均5.15
2025年の世界平均(合格率81.26%/平均30.58/科目平均4.89)と比べると、平均点は世界平均を上回っています。
合格先(学校発表)も幅広く、国内では国際基督教大学(ICU)・大阪大学・上智大学・立命館アジア太平洋大学(APU)・早稲田・立命館・法政など、海外では香港科技大学(HKUST)・香港大学、英国のダラム・ウォーリック・バース・ブリストル・リーズ・ノッティンガム、米国のボストン大学・ノースイースタン・UCサンディエゴ・ウェズリアン・マウントホリヨーク、オランダのアムステルダム・フローニンゲンなどが並びます。国内大と海外大の併走型の進路といえます。
進学支援としては、College and Careers' Advisorが生徒一人ひとりと個別面談を行い、UniFrogを用いた大学・進路探索を支援します。さらに、大阪最大級のインター生向け進学フェアを毎年主催しています。
英国式・米国式を問わず海外大への出口を持つ点は、OYISの大きな魅力です。海外大進学やIB DPの仕組みは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
IBDP(IBディプロマ)完全攻略ガイド:科目選択・TOK/EE・スコア戦略を徹底解説【2026年版】
6. どんな家庭に向く/向かない?関西の他IB校・IHSとの違い
OYISは大阪市内で通学型のIB一貫を求めるご家庭に向きます。郊外の老舗フルIBや神戸の英国系を求めるなら、他校も有力な選択肢です。
関西の主要なIB校・国際校と並べると、OYISの立ち位置が見えてきます。
項目 | OYIS | OIS(関西学院千里国際) | KIA(関西国際学園) | カナディアンアカデミー/NLCS神戸 |
|---|---|---|---|---|
地域 | 大阪市中心部(中津/土佐堀) | 大阪・箕面(郊外) | 神戸ほか | 神戸・六甲アイランド |
路線 | IB一貫(PYP/MYP/DP)・WASC | IB(PYP/MYP/DP)・大学提携 | バイリンガルIB | IB/英国系(NLCSは新設) |
特色 | 大阪市内アクセス・非営利・奨学金・複線パスウェイ | 関西の老舗フルIB | 日本発バイリンガル | 老舗IB/英国名門ブランド |
ボーディング | なし | なし | なし | カナディアンはあり |
【プロの選び方アドバイス】
- OYISが向くご家庭:大阪市内のアクセスを重視し、非営利・奨学金・国際色・IB一貫・複線の卒業パスウェイに価値を感じる。海外大も国内大も視野に入れたい。
- 他校が向くご家庭:郊外の老舗フルIB(→OIS(大阪インター))/日本発バイリンガル(→KIA)/神戸の老舗IB・英国系(→カナディアンアカデミー・NLCS神戸)/全寮制を求める場合。
NLCS神戸(ノースロンドン・カレッジエート・スクール神戸)の評判・学費は?英国名門系列校の実像と進路・入試を徹底解説【2026年版】
OYISと「IHS」は別物です
OYISと混同されやすいのが、大阪YMCAインターナショナルハイスクール(IHS)です。しかし両者は制度上も教育上も別の学校です。
観点 | OYIS | IHS(大阪YMCA国際専門学校 国際高等課程) |
|---|---|---|
種別 | 幼児期〜Grade12のIB一貫インター | 専修学校の高等課程(OYISの高校部ではない) |
カリキュラム | IB PYP/MYP/DP・WASC認定 | IHS独自の英語・体験学習 |
制度的特徴 | 就学義務の論点あり | 大学入学資格付与校/技能連携校との同時在籍で高校卒業資格も取得可 |
学費支援 | 独自学費+奨学金 | 授業料無償化の対象 |
「OYISの高校部がIHS」ではない、という点に注意してください。
確認しておきたいポイント
OYISは成熟したIB校ですが、見学・個別相談で次の点は確認しておくと安心です。CIS/NEASC認定の有無、CSFGの給付率、兄弟割引、在学開始後の退学返金規定、日本国籍児の転入運用は、公開情報だけでは確認できませんでした。
関西のインターを横断的に比較したい方は、こちらの記事もご参照ください。
まとめ:大阪市で通えるIB一貫、ただし制度と費用は正しく確認を
大阪YMCAインターナショナルスクール(OYIS)は、大阪市中心部でPYP〜DPのIB一貫教育を通学で受けられる、成熟した国際学校です。三課程の認定とWASC認定、DPの自校実績、3つの卒業パスウェイ、手厚い奨学金、そして梅田至近のアクセスは、関西で国際教育を考えるご家庭にとって有力な選択肢になります。
一方で、一条校ではないこと、日本国籍の入学資格、学費が追加費用で膨らみ得ることは、早い段階で確認しておきたい現実です。教育としての魅力と、日本の学校制度上の位置づけは、分けて判断しましょう。
ELTは、英語の土台づくりから、IB・英検への接続、海外大・帰国枠を見据えた進路設計までをサポートします。
「うちの子に合うか」
「英語力や入学資格は大丈夫か」
そんなお悩みは、ぜひ一度ELTにご相談ください。





