「英国の名門校が神戸にできたって本当?」
「学費はいくら?カナディアンアカデミーと何が違うの?」
2025年、神戸・六甲アイランドに開校したNLCS Kobe(ノースロンドン・カレッジエート・スクール神戸)は、関西の国際教育で大きな注目を集めています。英国NLCSの系列でありながら、英語による国際教育と日本語教育の両立を掲げ、さらに2028年にはボーディング(寄宿)も始まる予定です。
本記事では、英語・国際教育のプロであるELTが、公式の一次情報をもとに、評判・学費・カリキュラム・進路・入試までを整理します。新設校だからこそ、「本校・系列の強み」と「神戸校の現況」を分けて、誠実にお伝えします。
1. NLCS神戸とは?英国名門NLCSの系列校が関西・神戸に
NLCS神戸は、英国の名門校 North London Collegiate School の系列として、2025年に神戸・六甲アイランドに開校した新設の国際学校です。
NLCS神戸は、兵庫県神戸市東灘区向洋町中(六甲アイランドのアジアワンセンター)に2025年8月に開校しました(開校式典は9月に行われています)。本校の North London Collegiate School(ロンドン) は、1850年に女子教育のパイオニアである Frances Mary Buss が創設した、175年の歴史を持つ学校です。NLCSは現在、ロンドンのほか 済州(韓国)・ドバイ・シンガポール・神戸・香港 に系列校を展開し、英国外のキャンパスはロンドンの NLCS International が品質を監督しています。
運営面では、NLCS神戸は公式に 「Japanese owned(日本資本)」 を掲げています。事業主体は 八光エルアール株式会社(資本金1億円) で、創設者・オーナーとして池田浩八氏が関わっています。教育の質保証はNLCS Internationalが担う一方、学校運営は日本法人が担うという形です。
学校運営は、Founding Principal(創立校長)の Matthew Williams 氏が率い、Jerome Singh 氏(Assistant Principal/MYP Coordinator)、Eliza Holyoake 氏(PYP担当)、Tamsin Elsey 氏(パストラル担当)、Edward Baker 氏(オペレーション担当)らがリーダーシップチームを構成します。School Nurse(看護師)やSafeguarding(児童保護)の体制も置かれています。
なお、地域メディアなどでは「世界最高峰」「世界2位」といった表現も見られますが、これらは後述する通り本校(ロンドン)の実績や評価に基づくものです。本記事では、神戸校の現況と分けて扱います。
基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | North London Collegiate School Kobe / NLCS Kobe(ノースロンドン・カレッジエート・スクール神戸) |
所在地 | 兵庫県神戸市東灘区向洋町中1-17 アジアワンセンター(六甲アイランド) |
開校 | 2025年8月(開校式典は9月) |
対象学年 | 2025年Grades1-6 → 2026年Grade7 → 2027年Grade8(順次拡大) |
カリキュラム | 英語による国際教育/Junior SchoolはIB PYP候補校(後述) |
系列 | London・済州・ドバイ・シンガポール・神戸・香港(NLCS International監督) |
運営 | 八光エルアール株式会社(Japanese owned) |
年間授業料 | Grade1-3 280万円/Grade4-6 290万円(2026/27年度) |
2. カリキュラムの特徴|英語の国際教育 × 日本語への強いコミット
NLCS神戸は英語による国際教育を軸に、日本語・日本文化教育を重視します。Junior SchoolはIB PYPの候補校で、MYP・DPの神戸校としての認定状況は公開情報では確認中です。
カリキュラムについては、IBステータスを正確に押さえることが重要です。公開されている一次情報で確認できるのは、**Junior School(小学課程)が「IB PYP(初等教育プログラム)の候補校(Candidate School)」**であるという点までです。スタッフにMYP Coordinator(中等教育プログラム担当)が置かれ、学校もビジョンで「日本を代表するIB校になる」と掲げているものの、MYP・DP(ディプロマ)の神戸校としての認定・候補ステータスは、公開一次情報では確認できませんでした。したがって本記事では、「NLCS神戸はIB志向の学校で、Junior SchoolはPYP候補校。MYP・DPは確認中」と整理します。同じ英国系でも、ハロウ安比やラグビー校が採用するIGCSE・A-Levelとは路線が異なる点にもご注意ください。
NLCS神戸のもう一つの柱が、日本語と日本文化への強いコミットです。ネイティブの有資格日本語教員による毎日の日本語・日本文学の授業が、**習熟度別(ストリーミング)**で行われ、漢字・文法・読解・文化を扱います。さらに、紙芝居(Kamishibai)、もったいない、茶道、盆栽、寺社建築、京都の寺院、大阪万博公園といった題材を、国際教育の枠組みの中で学びます。学校が価値観の中心に据えるのは、日本語の 「改善(Kaizen)」 の精神です。「英語で学びながら、日本語と日本文化も本格的に育てたい」というご家庭に向けた設計といえます。
なお、一部で「日本人生徒が約7割」とも言われますが、この比率は公開一次情報では確認できませんでした。クラスは少人数で、Admissions Policy上はGrade1〜10が最大22名、Grade11〜12が14名とされています。
IBのPYPがどのような教育かは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
IB初等教育「PYP」とは?教科がないって本当?探究学習の仕組みと学力の真実を徹底解説
3. NLCS神戸の学費はいくら?初年度総額と内訳(2026/27年度)
NLCS神戸の年間授業料はGrade1-3が280万円、Grade4-6が290万円。入学金・施設維持費を加えた初年度総額は約364万〜375万円です。
NLCS神戸の2026/27年度の費用(公式)は次の通りです。
学費・諸費用(2026/27年度・公式)
費目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
出願料(Application Fee) | ¥35,000 | 返金不可・入試料を含む |
入学金(Enrolment Fee) | ¥400,000 | 返金不可・合格受諾時 |
年間授業料(Grade1-3) | ¥2,800,000 | 一括 or 3期分納(50/25/25) |
年間授業料(Grade4-6) | ¥2,900,000 | 同上 |
施設維持費(年額) | ¥410,000 | 返金不可・毎年 |
授業料は毎年見直され、前年度の4月までに通知されます。
初年度総額の目安
一時金と授業料・施設費を合計すると、初年度総額の目安は次のようになります。
- Grade1-3:約 ¥3,645,000(35,000+400,000+2,800,000+410,000)
- Grade4-6:約 ¥3,745,000(35,000+400,000+2,900,000+410,000)
授業料に含まれない費用
上記の授業料には、次の費用は含まれません(別途必要)。
- スクールバス:大阪ルート(梅田)は往復 ¥425,000/片道 ¥280,000、神戸ルート(三宮・阪急御影・JR芦屋)は往復 ¥300,000/片道 ¥190,000。
- 制服・スクールランチ(給食):別請求。金額は公開情報では確認できませんでした。
- 試験料、外部提供のアフタースクール・クラブ、校外学習・宿泊プログラム。
なお、奨学金・学費補助・兄弟割引については、公開されている一次情報では確認できませんでした。Admissions Policyでは、兄弟姉妹に入学選考上の優先はあるものの「特別な免除は行わない」とされており、学費の兄弟割引があるとは読み取れません。費用面は見学・個別相談で必ずご確認ください。
「この学費に見合う価値があるか」「英語と日本語をどう両立させるか」
ELTの個別カウンセリングでは、お子様の状況に合わせて費用対効果と学習計画を客観的に整理します。
4. 学年の広がりと2028年・六甲山ボーディング計画
NLCS神戸は2025年のGrades1-6から毎年学年を増やし、2028年に六甲山でGrades6-12のシニアキャンパス(デイ+週寮+全寮)を開校する予定です。
NLCS神戸は、開校後に学年を順次拡大していく計画です。
時期 | 内容 |
|---|---|
2025年8月 | Grades 1-6 開校(六甲アイランド) |
2026年8月 | Grade 7 開設 |
2027年8月 | Grade 8 開設 |
2028年8月 | 六甲山にシニアキャンパス開校(Grades 6-12/デイ+週寮+全寮)。Junior(Grades1-5)は六甲アイランドに残る |
最大の注目点が、2028年に予定されている六甲山のシニアキャンパスです。Grades 6-12を対象に、通学(デイ)に加えて週寮・全寮(ボーディング)を視野に入れており、関西で英国式ボーディングの新しい選択肢になり得ます。キャンパスはイタリアの建築家 Michele De Lucchi 氏(AMDL CIRCLE)が設計し、寄宿舎や芸術・スポーツ施設、自然と共生する環境が構想されています。
ただし、寮費・定員・正確な開寮日程などの詳細は、現時点では未公表です。
国内の全寮制の選び方を広く知りたい方は、日本のボーディングスクール総合ガイドや、英国式全寮制のハロウ安比の解説もご参照ください。
ハロウ安比(Harrow Appi)の学費・偏差値・評判は?第一期生の進学実績とプロが教える入試対策【2026年版】
5. 入試・必要な英語力と、一条校でない進路の論点
NLCS神戸の入試はOpenApplyで出願し、年齢別アセスメントと校長判断で決まります。一条校ではないため、日本国籍のご家庭は就学義務・公立校接続を自治体に確認する必要があります。
入試プロセス
出願は、オンラインの OpenApply ポータルから行います。流れは「初回お問い合わせ → 出願 → アセスメント → 合否 → 入学手続き」で、校長が選考に深く関与し最終決定します。評価では、これまでの学習到達度・成績表・アセスメント結果・面接・英語力が見られ、年齢に応じて NGRT・NGMT・CAT4・PTE・PTM などのテストが組み合わされます。出願・問い合わせは日本語・英語・韓国語・中国語・タイ語に対応しています。
英語力については、CEFR・英検・IELTSなどの最低基準は公表されておらず、個別査定型です。つまり「学年相応の英語運用力を選考で確認する」という設計で、明確なスコア基準を事前に示すタイプではありません。
一条校ではない点と進路
NLCS神戸は、公開情報の上で「一条校(学校教育法第一条の学校)」とは示していません。Admissions Policyでは、日本国籍のご家庭に対して「お住まいの区役所の教育委員会に相談すること」を促しています。
制度の一般論として、文部科学省の整理では、日本国籍の子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに通わせても、原則として就学義務を履行したことにはならないとされています(外国籍のご家庭には学校教育法第17条は適用されません)。これは「必ず問題が起きる」という意味ではなく、就学義務・公立校への接続・自治体ごとの運用を、事前に確認しておくべきという趣旨です。神戸市にも就学に関する相談窓口があります。
進学実績は「本校・系列の実績」と「神戸校の現況」を分けて
ここは誤解が生じやすいので、はっきりお伝えします。「平均IBスコア42.94」「世界2位」「英国1位」「オックスブリッジへ多数」といった輝かしい数字は、いずれも本校 NLCSロンドンの実績です。具体的には、NLCSロンドンは2025年に平均IB42.94・世界2位・英国1位と発表し、オックスブリッジについては「2023年に約20%がオファーを獲得」「2025年は4人に1人がオファー」とされています(いずれも合格オファー段階の数字で、最終進学とは異なります)。済州・ドバイ・シンガポールの系列校もIBで高い成績を出しています。
一方で、NLCS神戸は2025年に開校した新設校のため、神戸校自校の卒業生・大学進学実績はまだ存在しません。学校は「世界をリードする大学への進学準備」を掲げ、進路指導を行う意志を示していますが、大学カウンセリング体制の詳細までは公開情報では確認できませんでした。本校・系列のブランド力と、神戸校のこれからの実績は、分けて見ることをおすすめします。
「英語力がどの程度必要か」
「将来の海外大・国内大の帰国枠をどう設計するか」
ELTの無料カウンセリングで、現在地と進路の見通しを整理できます。
6. どんな家庭に向く/向かない?関西の他校との比較
NLCS神戸は英国ブランドと日本語重視を求めるご家庭に向きます。実績の厚さを重視するなら、関西の老舗IB校も有力な選択肢です。
NLCS神戸を検討する際、関西の主要校と比べると違いが見えてきます。
項目 | NLCS神戸 | カナディアンアカデミー | マリスト国際 | OIS(関西学院千里国際) |
|---|---|---|---|---|
地域 | 神戸・六甲アイランド | 神戸・六甲アイランド | 神戸・須磨 | 大阪・箕面 |
路線 | 英語の国際教育/PYP候補校・IB志向 | IB(認定1980年〜・学校史1913年〜) | PYP/MYP/DP(IB 2017年〜) | PYP/MYP/DP(IB 1990年〜) |
ボーディング | 2028年予定(六甲山) | あり | なし | なし |
特色 | 英国名門ブランド×日本語重視×新設 | 神戸最大級の老舗・実績の厚さ | カトリック・共同体色 | 関西の老舗フルIB |
【プロの選び方アドバイス】
- NLCS神戸が向くご家庭:英国名門ブランドと、日本語・日本文化の両立に価値を感じる。関西で新しい上位帯の国際教育を求める。2028年からのボーディングに関心がある。新設校ゆえの不確実性を理解できる。
- 他校が向くご家庭:完成された進学実績・卒業生ネットワークを重視する(→カナディアンアカデミー・OISなどの老舗IB校)/A-Levelで専門特化したい(→ハロウ安比・ラグビー校)。
関西のインターを横断的に比較したい方は、関西のインターナショナルスクールガイドもご参照ください。英国ブランド×IBという軸では、東京のマルバーン・カレッジ東京も比較対象になります。
マルバーン・カレッジ東京(MCT)の学費・評判・IB(DP認可)は?ELT代表が訪問してわかった実像と入試対策【2026年版】
新設校だからこそ確認したいポイント
NLCS神戸は魅力的な学校ですが、新設校ゆえに「これから固まる」要素も少なくありません。見学・個別相談では、次の点を確認することをおすすめします。
- MYP・DPの神戸校としての認定状況、神戸校自校の進学実績。
- 2028年ボーディングの定員・寮費・運営の詳細。
- 奨学金・兄弟割引の有無、教員数・国籍比率。
また、学校の利用規約(Terms & Conditions)には、学校がスタッフ・施設・カリキュラムを変更し得ること、さらには運営の再編・合併・オーナー変更の可能性まで記載されています。これは直ちにリスクという意味ではありませんが、契約条件と運営の透明性をよく確認しておくことが、新設校選びでは特に大切です。
まとめ:英国ブランドと日本語重視の新選択肢、ただし「これから」も正しく見て
NLCS神戸は、英国の名門校NLCSの系列という強いブランドに、日本語・日本文化への本格的なコミット、そして2028年からのボーディング計画を組み合わせた、関西では新しいタイプの国際学校です。英語も日本語も大切にしたいご家庭にとって、有力な選択肢になり得ます。
一方で、神戸校としてのIB認定(MYP・DP)や自校の進学実績はこれからの段階であり、輝かしい数字の多くは本校・系列に帰属するものです。だからこそ、ブランドへの期待と神戸校の現況を分けて、見学・個別相談で実際を確かめることが大切です。
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