「帰国子女じゃなくても入れるインターナショナルコースがある?」
「英語の入試は、英検何級レベルがあれば合格できるの?」
首都圏の中学受験において、「東大より海外トップ大」という新たな価値観を打ち立て、志願者が殺到しているのが広尾学園です。広尾学園は学校教育法第一条に定められた日本の学校(一条校)でありながら、「教育課程特例校」の枠組みを活用して英語イマージョン教育を実施する「ほぼインター」の代表格です 。
本記事では、インター受験・帰国生入試のプロであるELTが、広尾学園最大の強みである「AGとSGの仕組み」、実際の入試難易度(英語・算数)、そして圧倒的な進学実績の裏側と学費を徹底解説します。
1. 広尾学園インターナショナルコース「AG」と「SG」の決定的な違い
広尾学園のインターナショナルコースの核心は、中学段階において入口となる英語力でグループを分け、高校段階で統合する設計にあります 。
- AG(Advanced Group): 帰国生など、すでに英語力のある生徒が主対象です 。英検1級取得を目標とし、基本は英語で授業が行われます 。
- SG(Standard Group): 「これから英語力を身につけたい生徒」を対象としており、入学時に英語力は問われません 。中学段階では日本語での授業が半分以上になり得る一方で、英語力を引き上げる特別授業(EFL等)が多く組まれています 。
重要なのは、「高校では全員がAdvanced Groupに所属する」という前提でカリキュラムが組まれている点です 。SGの生徒も、中学の間に英語力を鍛え上げ、高校進学時にAGの生徒と合流することになります 。
AG vs SG 中学段階での比較表
観点 | AG(Advanced Group) | SG(Standard Group) |
|---|---|---|
対象と英語力 | 帰国生など英語力がある生徒が中心。入試要件は英検2級以上等 。 | これから英語力を身につけたい生徒。入学時に英語力は問われない 。 |
授業言語 | 基本は英語(国語や社会の一部等は日本語) 。 | 日本語での授業も多く、EFL等で段階的に英語を積む設計 。 |
数学・理科・社会 | 英語表記科目(Math、Science、Geography等)を中心に英語で実施 。 | 数学、理科、地理など、日本語運用の通常科目の延長 。 |
高校での扱い | 高校では全員がAdvanced Groupに所属 。 | 高校でAdvanced Groupに統合される前提 。 |
※国語や社会の一部、実技教科、クラブ活動・行事などは本科生と合同で行われる場合があり、学習は分流しつつも学校生活は合流するハイブリッドな設計となっています 。
2. 偏差値では測れない「AG入試」の実態と難易度
帰国生入試や国際生AG回の選考は、主にJapanese(30分/50点)、Mathematics(英語出題・50分/50点)、English(英語出題・50分/100点)、Interview(日英・10分)で構成されます 。
英語試験のリアル:CEFR B2(英検準1級)水準のエッセイ力
出願要件(Eligibility)としては「英検2級以上(または同等)」が明記されています 。しかし、「英検2級を持っていれば受かる」という甘い試験ではありません。
- 新中1入試において、TOEFL iBT 90以上を取得している場合はEnglish試験が免除される制度があります 。
- SAPIX等の帰国生向け特別講座の分析によると、入試では韻文(詩など)の解釈や、北米ミドルスクール相当の語彙力・読解力が求められます 。
- また、エッセイ作成能力が重視されます 。
これらの点から、合格勝負をするためには、CEFR B2帯(英検準1級レンジ)に近い読み書き耐久力が必要になるのが実態です 。
鬼門となる「Mathematics(英語での算数)」
英語に堪能な受験生にとっても大きなハードルとなるのが、英語で出題されるMath(算数)です。
- カリキュラムが完全に海外式というわけではなく、つるかめ算や和差算などの「特殊算」や図形問題といった日本の中学受験算数の定番領域を英語で処理させる色合いが濃い傾向にあります 。
- 試験では計算機の使用が認められていないため、手計算での正確な処理能力が必須となります 。
- 問われる数学の内容自体は極端に難解なものではないため、英語の負荷による失点を防ぎ、基本〜標準問題を取りこぼさないことが鍵となります 。
※ちなみにSG入試の難易度として、SAPIX小学部の予想偏差値(4科型一般入試)では「インターナショナルSG」が偏差値60付近として評価されています 。
3. 圧倒的な海外大進学実績と「APプログラム」
広尾学園の最大の強みは、海外トップ大学への合格ノウハウと環境が完成している点です。
一条校でありながら米国の「AP(Advanced Placement)」を導入
広尾学園では高校2年時から複数の教科でAPコースを設置しており、校内がSATやAPの試験会場にもなっています 。2025年度のシラバスでは、以下の科目が実運用されていることが確認できます 。
- AP Calculus AB / BC
- AP Biology, AP Chemistry, AP Physics C
- AP World History: Modern, AP Macroeconomics / Microeconomics
AP(Advanced Placement)の全貌とトップ大学合格への活用戦略|IBDPとの違いと「課外」で勝つ方法
BiologyやChemistryなどは、College Boardに基づく "certified AP course" であると明記されており、世界標準の学力を担保しています 。
アイビーリーグ・オックスブリッジへの進学実績
近年の公式な海外大学合格者実績(過去12年合計含む)には、世界最高峰の大学名がずらりと並びます 。
- 米国: Harvard University, Brown University, Columbia University, Yale University, Stanford University, UC Berkeleyなど 。
- 英国: Imperial College London, University College London (UCL), King’s College Londonなど 。
また、「宮下尚之奨学金」(1名あたり4年間で1,000万円を毎年提供)という海外大学進学者対象の大型奨学金を創設するなど、資金面でのコミュニティ支援も拡充されています 。
4. 学費はいくら?純インターとの比較
広尾学園は一条校であるため、老舗の純粋なインターナショナルスクール(ASIJなど)と比較して、学費が圧倒的に抑えられます。
6年間総額のシミュレーション(AGで入学した場合)
2026年度募集要項に基づく概算は以下の通りです。
- 入学金: 388,000円
- 月額学費等: 74,350円(AGの場合。SGは64,350円)
- 月額積立金: 16,000円(全コース共通・卒業時精算の預り金)
- 中高6年総額(積立金含む概算): 約7,153,200円
※純インターが年間約350万円(6年で2,400万円規模)かかるのに対し、1/4程度の費用に収まります。さらに条件を満たせば、東京都の高校授業料実質無償化の対象にもなるため、コストパフォーマンスは極めて高いと言えます。
【2026年版】インターナショナルスクールの学費はいくら?高校無償化・奨学金制度まで徹底解説
5. ELTが教える!広尾学園(AG)に合格するための3つの対策
競争が激化するAG入試を突破するために、家庭で実践すべき対策手順をご紹介します。
- エッセイの「型」を固定する: 試験時間内に長文を書き切るため、「段落構成」「主張→根拠→具体例」というエッセイの型を早期に固定しましょう 。
- 「算数を英語で処理する作業」として語彙を固める: Mathematics in English対策として、fraction(分数)、perimeter(周囲の長さ)、ratio(比)といった算数特有の英語語彙を暗記します 。その上で、日本の中学受験算数の基本問題(特殊算や図形など)を英語の文章題で解く訓練を繰り返してください 。
- 多様な英語長文(詩や文学含む)に触れる: 入試では単なる説明文だけでなく、詩(韻文)や比喩表現の読解が混ざる可能性があります 。北米のミドルスクール相当の語彙力を意識して多読を行いましょう 。
まとめ:今の実力でAGを目指せる?プロが診断します
広尾学園のインターナショナルコースは、日本のアイデンティティと世界トップの学力を両立できる最強の環境です。しかし、その入試は帰国生向け専門塾が入り乱れる超激戦区となっています。
「うちの子の今の英語力でAGを目指せる?」
「SGから入って高校でAGについていけるか不安」
「算数を英語で解くための専門的な指導をしてほしい」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ELTの個別カウンセリング・体験レッスンをご活用ください。インター受験と帰国生入試に強い専門コンサルタント・ネイティブ講師が、最新の入試動向に基づき、お子様に最適な対策プランをご提案します。


