1. 日本のインターナショナルスクール学費のざっくり相場
年間費用の目安
国内のインターナショナルスクールの学費は学校により異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
項目 | 平均的な費用目安 | 備考 |
年間学費 | 200万円前後 | 幅は150〜300万円/年 |
入学金 | 30〜70万円 | 初年度のみ |
その他費用 | 数十万円〜 | スクールバス、ランチ、制服、PC代など |
内訳に含まれるもの(例):
- 授業料
- 施設費・設備費
- 教材費
- 一部の活動費
公立・私立・インターの総額比較(12年間シミュレーション)
小・中・高の12年間通った場合の概算総額を比較すると、その差は歴然です。
- 公立(12年間): 約 500万円
- 私立一貫校(12年間): 約 1,500万円
- インターナショナルスクール(12年間): 約 2,400万円
(※参照:各種調査および帰国生情報サイトより)
数字だけを見ると大きなインパクトがありますが、「何を得たいのか」×「いつからいつまで通わせるのか」という戦略を持つことで、コストパフォーマンスの捉え方は変わります。
2. 【通学型】代表的インターナショナルスクールの学費例(2025年版)
ここでは「寮なし(デイスクール)」の代表的なスクールの高校課程(High School)における学費水準を紹介します。
目安: 東京・神奈川・神戸などの大都市圏では、高校相当で「生徒1人あたり年 250〜380万円」がスタンダードです。
アメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ/東京)
- 高校(Gr9–12)授業料: 約 353〜378万円/年
- 特徴: 日本で最も歴史あるインターの一つ。資本評価費を含めると高額帯になります。
- 公式サイト(学費ページ)
The British School in Tokyo(BST/東京)
- 高校(Y10–13)年間費用: 約 293〜303万円/年
- 特徴: 英国式カリキュラム。資本評価費などが含まれます。
- 公式サイト(学費ページ)
K. International School Tokyo(KIST/東京)
- 年間費用目安: 約 270〜300万円
- 特徴: IB(国際バカロレア)の成績優秀校として知られ、比較的コストパフォーマンスが高いと言われます。
- 公式サイト
Canadian Academy(神戸)
- 高校(Gr11–12)年間学費: 約 339〜351万円
- 特徴: 通学と寮(ボーディング)の選択が可能です。
- 公式サイト
3. 【寮付き】国内ボーディングスクールの学費例
ボーディングスクールは「教育」に加え「生活(食住)」がセットになるため、費用は跳ね上がります。
目安は年間 600〜1,000万円前後です。
Harrow International School Appi Japan(ハロウ安比/岩手)
- 年間費用(学費・寮費込):
Grade 7-8:約 976万円
Grade 12-13:約 1,060万円
- 備考: 別途、制服代や遠征費、スキー等のアクティビティ費用がかかります。
- 公式サイト
Rugby School Japan(ラグビースクール・ジャパン/千葉)
- 年間費用(学費・寮費込):
- 高学年フルボーディング:約 870万円
- 備考: 英国の名門校の日本校。デイスクール(通学)プランもあります。
- 公式サイト
UWC ISAK Japan(軽井沢)
- 年間費用目安: 約 669万円(授業料+寮費+プログラム費)
- 特徴: 「ニード型(家計基準)奨学金」が非常に充実しており、全額または一部免除を受ける生徒が多数在籍しています。
- 公式サイト
その他の注目校
- NUCB International College(愛知): 初年度約 460万円(寮費込)
- Hakuba International School(長野): 高校ボーディング 約 677万円
4. 「高校無償化」はインター・ボーディングにも適用される?
「インターナショナルスクールに通っても、国の就学支援金(いわゆる高校無償化)はもらえるの?」という質問は非常に多く寄せられます。結論から整理します。
制度の基本
国の「高等学校等就学支援金」は、年収約590万円未満の世帯に対し、私立高校の場合で年額最大 39万6,000円を支給する制度です(授業料が0円になるわけではなく、補助が出る仕組み)。
インターナショナルスクールは対象か?
多くのインターナショナルスクールは「各種学校」扱いであり、日本の学校教育法第一条の「高等学校」ではないため、原則として対象外です。
【重要】例外となるケース
文部科学省が指定する「就学支援金対象の外国人学校等一覧」に掲載されている学校であれば、対象となります。
- 対象となる場合:年間 最大約39.6万円の補助
- 注意点:学費が300万円の場合、39万円が引かれても負担は大きいことに変わりありません。
※志望校が「就学支援金の支給対象校」として認定されているか、必ず学校窓口で最新情報を確認してください。
5. 自治体の補助・学校独自の奨学金を活用する
国の制度以外にも、負担を軽減するルートはいくつか存在します。
東京都などの自治体補助金
東京都など一部の自治体では、独自のインターナショナルスクール補助制度を設けています。
- 仕組み: 認可されたインターナショナルスクール(ASIJ, BST, KISTなど)に対し、都が補助金を出し、その分が保護者の学費から減免される形が一般的です。
- 金額: 学校や年度によりますが、年間数十万円規模の支援になるケースもあります。
学校独自の奨学金・特待生制度
特に学費が高額なボーディングスクールほど、優秀な生徒を獲得するための制度が充実しています。
学校名 | 制度の例 |
UWC ISAK Japan | ニードベース(Need-based):家庭の経済状況に応じて、学費の全額または一部を給付。最も手厚い。 |
Harrow Appi | バーサリー:経済的必要性に応じた減免。 |
Rugby School Japan | スカラシップ:学業、芸術、スポーツ等の優秀者に対する特待制度。 |
※「学費表だけを見て諦める」前に、各校の「Financial Aid」や「Scholarship」のページを確認することをお勧めします。
6. ELTとしての見解:「なぜインターなのか?」を言語化する
最後に、ELTとして数多くのご家庭の英語学習・進路相談を受けてきた立場から、学校選びの核心をお伝えします。
「なんとなく」で選ぶには、学費が高すぎる
「周りが行かせているから」「英語くらいできないと困るから」といった理由だけで、年間数百万円、総額数千万円の投資を決断するのはリスクが高いと言えます。途中で「本当にこれで良かったのか?」と迷いが生じやすいためです。
重要なのは「出口戦略」と「目的」
ご家庭内で以下の点を徹底的に話し合ってみてください。
- ゴールはどこか?
海外大学進学か? 国内大学の国際系学部か?
- 必要な英語力はどのレベルか?
ネイティブ同等の教養か、ビジネスで困らないレベルか?
- 期間はいつまでか?
「小・中だけインターで、高校は日本の進学校」というルートもあれば、「高校だけボーディング」という選択肢もあります。
学費の総額は「通わせる期間」でコントロール可能です。
ELTができること
私たちELTは、インターナショナルスクールの入学斡旋業者ではありません。しかし、「インターに行かない前提での英語力強化」や「インター入学後の学習サポート」を含め、フラットな視点でご相談に乗ることができます。
- 「フルインターは予算的に厳しいが、高い英語力をつけさせたい」
- 「インターに通わせているが、日本の学習進度とのギャップが不安」
- 「最適な英語教育のルート(進路)を整理したい」
このようなお悩みがあれば、ぜひELTにご相談ください。現在の英語力とご家庭の目標に合わせて、最も効果的な学習プランと進路の考え方を一緒に設計いたします。





