「高校からインターナショナルスクールに転校させたい」
「日本の詰め込み教育ではなく、海外大学を目指せる環境に移りたい」
そう考えたとき、多くのご家庭が直面するのは「高校入学(High School Entry)」の圧倒的な壁です。
小学校や中学校からの入学に比べ、高校からのインター編入は、高度な英語力要件、IB(国際バカロレア)などのカリキュラム適応、そして「日本の大学受験資格」という法的課題が複雑に絡み合います。
本記事では、東京および近郊の主要インターナショナルスクールを「入学難易度」と「カリキュラム」で分類し、高校からでも合格・適応するための現実的な攻略法を解説します。
1. 高校からのインター転校:知っておくべき「3つの壁」
憧れだけで飛び込むと失敗します。まずは現実的なハードルを理解しましょう。
① 英語力の壁(ネイティブレベル必須?)
高校課程(Grade 10-12)では、シェイクスピアを原書で読み、物理や歴史を英語で議論します。
- 目安: 英検1級、TOEFL iBT 80〜90以上。
- 現実: 多くの伝統校(ASIJなど)は「ESL(英語補習)なし」が基本。授業についていける英語力が前提条件です。
② カリキュラムの壁(IB/A-Level)
高2・高3にあたる最後の2年間は、IBDP(国際バカロレア・ディプロマ)やA-Level(英国式)といった超難関カリキュラムが始まります。
これらは「英語で学ぶ」だけでなく、「探究的な学習スキル」がないとスコアが取れず、大学進学に響きます。
③ 「一条校」問題(日本の大学に行けるか)
多くのインターナショナルスクールは、日本の法律上は「各種学校」扱いです。
- 文科省認定校: 日本の高校卒と同等とみなされ、日本の大学を受験可能(ASIJ, KIST, BSTなど主要校は認定済み)。
- 非認定校: 日本の大学を受けるには「高卒認定試験」の合格が必要。
2. 【難易度別】東京の高校インターナショナルスクールMAP
「高校から入れるか?」という視点で、都内の学校を3つのTier(層)に分類しました。
Tier 1:超難関・伝統校(Super Competitive)
特徴: 歴史があり、海外名門大への実績が抜群。ただし、高校からの入学は「欠員(空き枠)」がない限り不可能で、英語要件もネイティブ並み。
- The American School in Japan (ASIJ): 日本最大・最古の米国式。調布市。SSATスコア必須。
- The British School in Tokyo (BST): 英国式。渋谷・世田谷。A-Level採用。
- St. Mary's (男子) / Seisen & Sacred Heart (女子): カトリック系名門。
Tier 2:IB特化・準難関(Academic & Rigorous)
特徴: IBのスコアが高く、勉強がハード。英語力は必須だが、高い学力があれば受け入れられる可能性がある。
- K. International School Tokyo (KIST): 江東区。IBDPスコア世界トップクラス。学費が比較的良心的だが、勉強は非常に厳しい。
- Tokyo International School (TIS): 港区。IB校。※高等部は提携校等への接続確認が必要。
- Aoba-Japan International School: 練馬区。IB一貫校。
Tier 3:柔軟・新設校(Flexible & Supportive)
特徴: 英語補習(EAL)体制があり、意欲やポテンシャルを評価してくれる。高校からの転校でも比較的入りやすい。
- Capital Tokyo International School (CTIS): 渋谷・広尾エリア。佐藤可士和氏プロデュースの実践型カリキュラム。
- Malvern College Tokyo: 小平市。英国名門の東京校。IB採用。
- 広尾学園・三田国際(インターナショナルコース): 日本の「一条校」でありながら、英語で授業を行うハイブリッド型。
3. 主要カリキュラムと学費比較
学校名 | カリキュラム | 高校年間学費 (目安) | 日本の大学受験資格 | 特徴 |
ASIJ | AP (米国式) | 約360万円 | ○ (指定校) | 施設・規模ともに別格。SSAT必須。 |
BST | A-Level (英国式) | 約380万円 | ○ (指定校) | 英国トップ大への実績強し。 |
KIST | IBDP | 約260万円 | ○ (指定校) | コスパ最強だが、IB成績へのプレッシャーは大。 |
Aoba | IBDP | 約300万円 | ○ (指定校) | グローバル・リーダーシップ教育に注力。 |
広尾学園 | 日本+AP | 約100万円〜 | ◎ (一条校) | 学費が安く、国内大学対策も万全。超人気で高倍率。 |
※学費は授業料のみの概算。入学金、施設費、バス代などが別途かかります。
4. 失敗しないための「高校転校」戦略
1. 「英語力」ではなく「学力」で勝負する
インターの入試では、英語のエッセイだけでなく、数学(Math)のスコアが重視されます。日本の高校生は数学レベルが高いことが多く、ここがアピールポイントになります。
2. 学年を下げる(Downgrade)選択肢
英語力が不安な場合、あえて1学年下げて(Grade 9や10から)入学することを提案される場合があります。
これは恥ずかしいことではなく、英語力を固めてからIB/A-Levelに挑むための賢い戦略です。
3. 「ハイブリッド校」を滑り止めにする
いきなり完全なインターが不安な場合、広尾学園や三田国際のような「英語で授業をする日本の私立高校」を併願しましょう。一条校としての安心感と、英語環境の両取りが可能です。
5. 結論:リスクを理解した挑戦を
高校からのインター転校は、お子様の人生を大きく変えるチャンスですが、同時にリスクも伴います。
「英語ができないからインターへ逃げる」という動機では、IBやAPの過酷な課題についていけず、ドロップアウトする危険があります。
しかし、明確な目標(海外大学進学など)と、学習への意欲があれば、Tier 2〜3の学校を中心に道は開けます。
ELT|インターナショナルスクール入学対策
ELTでは、インター入学を目指す中高生向けに、特化した対策プログラムを提供しています。
- 学校選びコンサルティング: お子様の英語力と性格に合った「現実的な志望校」を選定。
- Admission対策: エッセイ添削、英語面接(インタビュー)練習、Math(英語数学)指導。
- 入学後のサポート: 授業についていくための補習、IB/A-Level対策。








