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インターナショナルスクール卒業後の進路|海外大学進学と国内大学受験のリアル

更新:
公開:
2026年最新
インターナショナルスクール卒業後の進路|海外大学進学と国内大学受験のリアル - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

インターナショナルスクールに通うお子さんを持つ保護者の方にとって、最大の懸念材料は「卒業後の進路(出口戦略)」ではないでしょうか。

  • 「インターに行くと、日本の大学受験資格がなくなるのでは?」
  • 「IBやA-Levelなどのカリキュラム選びで、将来の選択肢が狭まるのではないか?」
  • 「日本語も英語も中途半端な『ダブルリミテッド』になってしまわないか?」

結論から申し上げますと、インター卒業後の進路は国内外に大きく広がっており、従来以上に多彩な選択肢があります。

ただし、そのチャンスを掴むためには、単なる英会話力ではない「大学で通用する高度なアカデミック英語力」と、各カリキュラムの特性を理解した戦略的な準備が不可欠です。

本記事では、主要カリキュラム(IB, A-Level, AP)ごとの進学ルートのリアル、日本の大学入試の現状、そして卒業後のキャリアパスについて、最新データをもとに解説します。

1. カリキュラム別:進路の広がりと「制約」のリアル

インターで採用される3大カリキュラム(IBDP, A-Level, AP)には、それぞれ進学先に「有利・不利」や「必須条件」が存在します。ここを間違えると、志望校に出願すらできない事態になりかねません。

IBディプロマ(国際バカロレア):世界最強だがハードルも高い

IBDPは、世界110カ国以上、約4,500の大学で認められている「万能パスポート」です。

  • 海外大学: 米国のアイビーリーグや英国のオックスブリッジを目指す場合、45点満点中38〜40点以上の高スコアが目安となります。
  • 国内大学: 日本でも導入が進んでおり、東京大学や京都大学、早慶上智、医学部などが「IB入試枠」を設けています。
  • 注意点(制約):
    • スコアが全て: 24点未満でディプロマが取得できないと、高卒資格すら危うくなるリスクがあります。
    • 医学部の壁: 日本の医学部IB入試では、高いIBスコアに加え、日本語(Japanese Aなど)の履修や小論文が課されることが多く、高度な日本語力も求められます。

A-Level(英国式):専門特化で「日英両取り」が可能

イギリスやシンガポール、オーストラリアなどの英連邦諸国で標準とされる資格です。3〜4科目に絞って深く学ぶため、得意分野がある生徒に有利です。

  • 海外大学: 英国・豪州・シンガポールの大学には圧倒的に有利です。米国大学でも900校以上が単位認定していますが、出願にはSAT等の追加提出が推奨される場合があります。
  • 国内大学: 東大・京大・早慶などがA-Levelを出願資格として正式に認めています。
  • 注意点(制約):
    • 科目が少ないため、米国リベラルアーツ系大学が好む「幅広い教養」のアピールには工夫が必要です(課外活動など)。

AP(米国式):アメリカ進学の王道、他国は条件付き

アメリカの大学レベルの科目を先取りする制度です。

  • 海外大学: 米国大学への出願や単位認定に非常に強力です。特に理工系(STEM)を目指す場合、AP CalculusやPhysicsの高スコアは必須級です。
  • 国内大学・他国: 日本や英国の大学に出願する場合、AP単体ではなく「高校卒業資格(WASC認定など)+AP複数科目の高スコア」のセットが求められます。
  • 注意点(制約):
    • 英国のトップ大学(ケンブリッジ等)を目指す場合、5科目以上のAPで満点(5)を取るなど、非常に高いハードルが課されることがあります。

《カリキュラム別進路早見表》

カリキュラム

有利な進学先

制約・注意点

IB (国際バカロレア)

全世界(米・英・日・欧・豪)。特に日本の医学部や難関大で評価が高い。

ディプロマ取得が必須。トップ校は38点以上が必要。学習負荷が極めて高い。

A-Level (英国式)

英・豪・シンガポール・日本。専門分野(理系・文系)が決まっている人に最適。

科目が少ないため、米国の「リベラルアーツ的評価」には別途対策が必要な場合も。

AP (米国式)

米国・カナダ。日本の大学(英語学位)も可。

「高校卒業資格」ではないため、WASC等の認定が必要。英国進学には多数の科目で満点が必要。

https://www.eltschool.jp/column/international-baccalaureate-a-level-ap-comparison

2. インター卒から「日本の大学」へ行くルート

「インターに行くと日本の大学に行けない」というのは過去の話です。現在は文部科学省の規定により、以下の条件を満たせば日本の大学受験資格が得られます

  1. 国際的な評価団体(WASC, CIS, ACSI)の認定校で12年の課程を修了する。
  2. 国際的な大学入学資格(IBディプロマ, A-Level等)を取得する。

狙い目は「英語学位プログラム」と「帰国生入試」

インター生がその強みを活かせるのは、主に以下の2つのルートです。

  • 英語学位プログラム(4年間英語で学ぶ):
    • 早稲田大学(SILS)、慶應義塾大学(PEARL/GIGA)、東京大学(PEAK)、上智大学(FLA)など。
    • 特徴: 授業は全て英語。IBやA-Levelのスコア、TOEFL/IELTS、エッセイで合否が決まります。国内一般入試のような「日本語の偏差値」は不要です。
  • 帰国生・国際生入試:
    • 特徴: 海外経験や語学力を評価する入試。小論文や面接が課されます。
    • 「日本語の壁」に注意: こちらのルートでは、日本語の小論文や面接が課されることが多くあります。日常会話レベルの日本語ではなく、「論理的に意見を述べる学術的な日本語力」がないと、英語ができても不合格になるリスクがあります。

3. 卒業後のキャリアと「ダブルリミテッド」のリスク

インターナショナルスクール卒業生は、就職活動においても「グローバル人材」として高く評価されます。

外資系企業はもちろん、近年では日本企業でも「英語で議論し、意思決定できる人材」への需要が急増しており、高待遇で採用される事例も増えています。

企業が求めているのは「英語力」ではなく「思考力」

しかし、ここで注意が必要なのが「ダブルリミテッド(セミリンガル)」の問題です。

企業や大学が求めているのは、単に英語が流暢な人材ではありません。「高度な批判的思考(Critical Thinking)ができ、それを言語化できる人材」です。

  • リスク: 英語も日本語も「日常会話」止まりで、どちらの言語でも深く論理的な思考ができない状態。これでは大学のレポートも書けず、ビジネスの現場でも通用しません。
  • 成功の鍵: 高校時代(IBやA-Levelなどの期間)に、エッセイや論文執筆を通じて「英語で論理を組み立てる力(Academic English)」を徹底的に鍛えておくことです。

オックスフォードやケンブリッジなどの名門大学がIB生を好むのは、彼らがTOK(知の理論)やEE(課題論文)を通じて、この「思考する訓練」を積んでいるからに他なりません。

結論:進路を広げる鍵は「アカデミック英語」の準備

インターナショナルスクール卒業後の進路は、決して狭まることはなく、むしろ「世界中の大学と日本のトップ大学」の両方を選べる有利なポジションにあります。

しかし、その自由を手にするためには条件があります。

それは、「どのカリキュラムを選んでも通用する、高度なアカデミック英語力(思考力)」を身につけておくことです。

ELTがサポートできること

私たちELTは、ロンドン発祥のオンラインスクールとして、インター生が直面する「学業と進路の課題」をサポートしています。

  • カリキュラム別補習: IGCSE、IB、A-Levelの科目指導を行い、GPAやファイナルスコアの向上をバックアップします。
  • アカデミック英語の強化: 大学入試(エッセイ・小論文)や入学後に必須となる「論文の書き方」「クリティカルシンキング」を、ネイティブ講師が1対1で指導します。
  • ダブルリミテッドの回避: 英語で深く考えるトレーニングを通じて、表面的なバイリンガルではなく、真のグローバル人材への成長を支援します。

「インターに入れて終わり」ではなく、その先にある大学進学とキャリアを見据えて、お子様の可能性を最大限に広げるための学習計画をELTではご支援いたします。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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