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英国の学校システム完全ガイド|パブリックスクール、私立、インターの違いと日本人生徒の選び方

更新:
公開:
2026年最新
英国の学校システム完全ガイド|パブリックスクール、私立、インターの違いと日本人生徒の選び方 - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

イギリスへの駐在や単身留学が決まった際、多くの保護者が最初に直面するのが「学校種類の複雑さ」です。

  • 「Public School(パブリックスクール)」は公立だと思っていたら、実は超名門私立だった。
  • 「State School(公立校)」は駐在員の子供でも無償で通えるのか?
  • 英語に不安がある場合、「International School(インター校)」と現地の私立校、どちらが良い?

英国の教育システムは歴史的背景から独特の用語(Public Schoolなど)を使うため、誤解が生じやすいのが実情です。

本記事では、英国在住の日本人生徒にとって現実的な選択肢となる「伝統的ボーディングスクール」「私立デイスクール」「インターナショナルスクール」の違いを整理し、お子様の性格や進路(日英米の大学)に合わせた最適な選び方を解説します。

1. 英国の学校タイプを正しく理解しよう

まず、イギリスの学校体系における「言葉の罠」を解き明かしましょう。

① Public School(パブリックスクール)

意味: 「最も伝統と格式のある名門私立校」

例: Eton College, Harrow School, Rugby Schoolなど

ここが最大の誤解ポイントです。"Public"という言葉がつきますが、公立(Public)ではなく、かつて「宗教や地域に関係なく誰にでも(Publicに)開かれた」歴史を持つことからこう呼ばれます。現在はザ・ナイン(The Nine)と呼ばれるトップ9校や、それに準ずる名門校を指します。

② Independent School / Private School(私立校)

意味: 「独立した(政府の資金を受けない)私立学校」

広義にはパブリックスクールもここに含まれますが、一般的にはもう少し広い範囲の私立校を指します。英国全土に約2,500校あり、少人数制の手厚い指導が特徴です。

③ State School(公立校)

意味: 「政府が運営する公立学校」

授業料は無償です。駐在員のお子様(適切なビザ保持者)も通学可能ですが、学区(Catchment Area)による住所制限が厳しく、学校ごとの質の差(Ofsted評価)が激しいため、日本人家庭には事前の入念なリサーチが必要です。

④ International School(インターナショナルスクール)

意味: 「英国以外のカリキュラム(IBや米国式)を提供する学校」

ロンドン近郊に多く、生徒の多国籍性が特徴です。英国にいながらIB(国際バカロレア)や米国式カリキュラムで学べるため、駐在期間が短い家庭や、非英語圏からの生徒に人気です。

2. 【比較】日本人の子供に合うのはどれ?

お子様の英語力、滞在期間、将来の志望大学によって「正解」は異なります。

学校タイプ

伝統的ボーディングスクール(Boarding Schools)

インターナショナルスクール(International Schools)

主なカリキュラム

GCSE / A-Level
(英国式・専門特化型)

IB (PYP/MYP/DP) / 米国式
(探究型・全人的)

生徒の構成

イギリス人生徒が主体。
留学生率は20〜30%程度。

多国籍(駐在員の子弟など)。
イギリス人は少なめ。

英語サポート(EAL)

学校によるが、「英語ができる前提」の授業。
EALは補習扱い。

非常に手厚い
英語が第一言語でない生徒への配慮が標準。

大学進学

Oxbridge / 英国内トップ大に圧倒的に強い。医学部志望ならこちら。

世界中の大学へ開かれている。IBなら欧米・日本どこでも強い。

向いている子

長期滞在/単身留学

・英国文化にどっぷり浸かりたい

・スポーツや芸術も本格的にやりたい

短期駐在(数年で帰国)

・英語力にまだ不安がある

・IBで全教科バランスよく学びたい

駐在員家庭へのアドバイス

「せっかくイギリスに来たのだから現地の私立(Independent)へ」と考える方は多いですが、Year 10(14歳)以上での編入は注意が必要です。

英国式カリキュラム(GCSE)は2年間のコースなので、途中編入が難しく、その場合はインターナショナルスクール(IB校)の方がカリキュラムの移行がスムーズな場合があります。

3. 入学試験のリアル(UKiset / Common Entrance)

英国の名門校を目指す場合、避けて通れないのが独自の入学試験です。

Common Entrance(コモン・エントランス)

11歳(女子)や13歳(男子)でパブリックスクールに入学するための統一試験です。

英語、数学、理科に加え、歴史や地理、宗教、ラテン語などが課される場合もあり、「現地の子と同じ土俵」で戦う高い英語力が求められます。

UKiset(ユーカイセット)

留学生向けの適性検査です。

英語(リスニング・リーディング)、数学、非言語推論(IQテスト的要素)で構成され、英語力だけでなく「地頭の良さ(Potential)」を測ります。多くのボーディングスクールが留学生の一次選考として採用しています。

4. 寮生活とガーディアン(後見人)制度

単身留学や、親元を離れてボーディング(寄宿)させる場合、法律で「ガーディアン(Guardian)」の指定が義務付けられています。

  • ガーディアンの役割:

    親に代わって緊急時の対応、ハーフターム(短期休暇)中の宿泊先手配、学校との連絡を行います。

  • 選び方の注意:

    エージェントに丸投げせず、「緊急時にすぐに学校に駆けつけられる距離に住んでいるか」「日本語での細やかなサポートがあるか」を確認しましょう。

寮生活(House System)は、単なる寝起きする場所ではなく「人間形成の場」です。ハリー・ポッターの世界のように、寮対抗のスポーツ大会や音楽祭を通じて、生涯の友を得ることができます。

5. 結論:英語力不足をどう補うか?

英国の学校選びで最も重要なのは、「子供の現在の英語力」と「入りたい学校が求める英語力」のギャップを正しく把握することです。

  • インターナショナルスクール: 英語力が低くてもEAL(補習)でカバーしてくれる。
  • 伝統的ボーディングスクール: 入学時点でネイティブに近い英語力がないと、授業についていけず深海魚になるリスクがある。

「英国の名門校に入れたいけれど、英語力が心配」「UKisetのスコアが伸びない」

そんな悩みをお持ちの方は、専門家のサポートを借りるのが近道です。

ELT|英国学校選び・入試対策

ELTは、ロンドンで創業し40年の実績を持つ、国際教育特化型のオンラインスクールです。

  • UKiset / Common Entrance対策: 英国難関校の出題傾向を知り尽くしたネイティブ講師が指導。
  • 学校選びコンサルティング: お子様の性格と英語力に合わせ、最適な学校(Prep SchoolからSenior Schoolまで)をご提案。
  • 入学後のアカデミックサポート: 歴史や地理など、日本人が苦戦する科目の補習。

英国での教育は、お子様の人生を大きく広げるチャンスです。

まずは「現状のレベル」を知ることから始めましょう。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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