英国式インターナショナルスクールやボーディングスクールのYear 10-11(14-16歳)で受けるIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)は、単なる中間試験ではありません。
これは世界で最も認知されている16歳時点の国際資格であり、このスコアが数年後の大学入試(特に医学部やオックスブリッジ)の合否を左右するという、極めてシビアな現実があります。
- 「まだ高校生じゃないから」と油断していませんか?
- 「MathのCoreとExtendedの違いを知らずに科目登録していませんか?」
本記事では、IGCSEの複雑な仕組み、新評価システム(9-1)、そして将来の学部選択を狭めないための「科目選択の鉄則」について、最新データをもとに解説します。
1. IGCSE/GCSEの基本構造:これは「お試しテスト」ではない
IGCSEは、英国の義務教育終了資格(GCSE)の国際版です。通常、Year 10から2年間かけて学習し、Year 11の終わりに統一試験を受けます。
重要な3つの特徴
- 一発勝負の外部試験:
学校の先生が採点するのではなく、Cambridge (CAIE) や Pearson Edexcel といった認定機関(Exam Boards)が作成・採点する統一試験で成績が決まります。
- 科目ごとの資格:
「卒業証書」のようなセットではなく、科目ごとに資格が授与されます。通常は5〜10科目を受験します。
- 大学入試に直結:
英国トップ大学(特に医学部)や日本の帰国生入試において、IGCSEの成績証明書の提出が必須となります。ここで悪いスコア(C以下など)を取ると、足切りの対象になることがあります。
9-1新評価システムへの移行
かつては「A*-G」で評価されていましたが、現在はより細分化された「9-1スケール」が主流です。
旧グレード | 新グレード (9-1) | 意味 |
A* | 9 | Top A* (上位数%のみの最高評価) |
A* | 8 | Low A* / High A |
A | 7 | A (Standard Pass for Top Unis) |
B | 6 | High B (Strong Pass) |
C | 4 / 5 | Standard Pass (合格ライン) |
注意点: 多くのトップ大学やSixth Form(高校課程)は、主要科目での「グレード7(A相当)以上」を入学条件としています。「4(C)で合格だからOK」と思っていると、進学先がなくなります。
2. 「死のロード」を防ぐ科目選択(Subject Selection)の罠
IGCSEで最も恐ろしいのは、「科目選択のミス」です。
Year 9の終わりに科目を選びますが、ここで間違った選択をすると、将来のA-LevelやIBDPで特定の科目が取れなくなり、志望学部への道が閉ざされます。
① 「Core」と「Extended」の罠(数学・理科)
数学や理科には、難易度別にCore(基礎)とExtended(応用)のコースがあります。
- Extended: 最高評価「A* / 9」まで狙える。
- Core: 最高評価が「C / 5」で打ち止めになる。
警告: 「数学が苦手だから」とCoreを選ぶと、その時点でA-Levelの数学や理系学部への道が完全に消滅します。大学進学を目指すなら、多少無理をしてでもExtendedを選ばなければなりません。
② Double Science vs Triple Science
理科(物理・化学・生物)の選択にも戦略が必要です。
- Triple Science (Separate Sciences): 3科目を個別に学び、3つのIGCSE資格を取得。理系・医学部志望者の王道。
- Double Science (Combined Science): 3科目を薄く広く学び、2つ分のIGCSE資格としてカウント。文系志望ならこれでもOKですが、理系トップ校を目指すなら不利になることがあります。
3. A-Level / IBDPへの接続戦略
IGCSEを終えた後の2年間(Year 12-13)は、A-LevelまたはIBDPに進みますが、ここでもIGCSEのスコアが「通行手形」になります。
「足切りライン」の現実
名門校のSixth Formに進むためには、通常「5科目以上でグレード6〜7以上」といった条件が課されます。
さらに科目ごとの条件もあります。
- A-Level Mathを取りたいなら: IGCSE Mathで「7以上」が必須。
- IBDP Physics HLを取りたいなら: IGCSE Physicsで「7以上」が必須。
つまり、IGCSEで失敗すると、高校最後の2年間で「本当に学びたい科目」を選択する権利すら失ってしまうのです。
4. 結論:過去問(Past Papers)演習が唯一の攻略法
IGCSEは範囲が膨大ですが、出題形式はパターン化されています。
才能や地頭の良さではなく、「Mark Scheme(採点基準)を理解し、過去問をどれだけ解いたか」がスコアに直結します。
しかし、学校の授業だけでは演習量が不足しがちです。特に日本人にとって、英語での記述問題(Biologyの論述やHistoryのエッセイ)は大きな壁となります。
ELT英会話によるIGCSE対策
ELT英会話では、Cambridge / Edexcelの両ボードに対応した専門的な試験対策を行っています。
- Exam Board別対策: お子様の学校が採用しているボード(CIEかEdexcelか)に合わせ、特有の出題傾向を指導します。
- 過去問徹底演習: ネイティブ講師がMark Schemeに基づき、「減点されない答案の書き方」をコーチングします。
- 理数科目のExtended対策: A-Level/IBDPへの接続を見据え、単なる暗記ではなく本質的な理解を促します。
IGCSEは「準備すれば勝てる」試験です。早めの対策で、トップ大学への切符(グレード9)を目指しましょう。








