「13歳からイギリスのパブリックスクール(名門私立校)に入れたい」
そう考えたとき、多くの日本人家庭が戸惑うのが、「11歳のテスト」と「13歳のテスト」の二段階構造です。
日本では「中学受験」は12歳の一発勝負ですが、英国のエリート校入試はもっと早く、複雑に進行します。
特にEtonやHarrowなどのトップ校を目指す場合、11歳時点の「ISEB Pre-Test」で事実上の合否が決まっていることをご存知でしょうか?
本記事では、英国プレップスクール生が必ず直面する2つの関門、「ISEB Common Pre-Test」と「Common Entrance (CE)」の仕組みと、日本人が直面する課題への対策を徹底解説します。
1. 英国入試の仕組み:13歳入学なのに11歳で合格?
英国の受験システム最大の特徴は、「選抜(Pre-selection)」と「確認(Confirmation)」の二段階プロセスにあります。
Step 1: 選抜(Year 6 / 11歳)
ISEB Common Pre-Testなどのオンライン適性検査を受けます。この結果と現在の学校長からのレポート(推薦状)をもとに、シニアスクールは「条件付き合格(Conditional Offer)」を出します。
重要: 近年、トップ校ではこの段階で事実上の選抜が完了しており、ここでオファーをもらえないと逆転はほぼ不可能です。
Step 2: 確認(Year 8 / 13歳)
オファーをもらった生徒だけが、13歳時点でCommon Entrance (CE)を受験します。
これは「合格を確認するためのテスト」であり、学校側が提示した基準点(例: 平均65%以上)をクリアすれば正式に入学が確定します。
2. 第一の関門:ISEB Common Pre-Test(11歳)の正体
多くのトップ校が採用しているオンライン試験です。知識量ではなく「地頭の良さ(Potential)」を測るため、短期間での詰め込みが通用しにくいのが特徴です。
試験科目と特徴(全問選択式)
- Verbal Reasoning (言語的推理): 語彙力、類義語・対義語、暗号解読など。日本人にとって最大の鬼門です。
- Non-Verbal Reasoning (非言語的推理): 図形やパターンの規則性を見つける問題。日本人は比較的得意とする分野です。
- English: 読解と文法。
- Mathematics: 算数。
対策のポイント:
Verbal Reasoningは、英検1級レベルの単語でも出題されることがあります。単なる暗記ではなく、プレップスクールでの日々の読書量と論理的思考訓練が物を言います。
3. 第二の関門:Common Entrance 13+(13歳)の全貌
13歳(Year 8)の6月に行われる、伝統的な筆記試験です。
プレテストとは異なり、記述式のエッセイや証明問題が含まれ、「アカデミックな基礎力」が問われます。
必須科目 (Core Subjects)
- English: シェイクスピア等の古典文学の読解や、詩の分析。
- Mathematics: 計算だけでなく、思考過程を書かせる問題。
- Science: 生物・化学・物理の記述問題。
日本人の壁:外国語と古典
Etonなどのトップ校では、必須科目に加えて追加科目の受験が求められることが一般的です。
- French / Spanish: 多くの学校で必須。
- Latin (ラテン語) / Greek (ギリシャ語): トップ校を目指す場合、ラテン語は「ほぼ必須」と考えた方が無難です。語学そのものの力に加え、論理的な分析力が評価されます。
4. 御三家(Eton, Harrow, Winchester)の最新トレンド
トップ校は独自の選抜プロセスを持っています。「Common Entranceだけ受ければいい」という認識は危険です。
学校名 | 11歳(Year 6)の選抜 | 13歳(Year 8)の最終試験 |
Eton College | The Eton List Test (ISEB Pre-Test + 独自のPCテスト + 面接)。ここで合格するとConditional Offerが出る。 | Common Entrance はあくまで「合格確認」。ただし、King's Scholarshipという超難関独自試験を受ける層もいる。 |
Harrow School | ISEB Pre-Testの結果で足切り後、The Harrow Test (面接 + グループワーク + 作文) に招待される。 | Common Entrance を受験し、指定された合格ラインをクリアする必要がある。 |
Winchester College | ISEB Pre-Testの結果で選抜。 | 他校と異なり、独自の「Winchester Entrance (Election)」 を課す場合が多い。CEよりも難易度が高い。 |
5. 日本人受験者が勝つための戦略ロードマップ
最後に、日本からこれらの名門校を目指すためのスケジュール例を紹介します。
Year 4 (8-9歳): 準備開始
- 英国プレップスクールへ入学、または国内で英国式カリキュラムを開始。
- 英語の多読を開始し、Verbal Reasoningの基礎となる語彙力を養う。
Year 5 (9-10歳): 志望校選定
- Etonなどは10歳の6月(Year 5の終わり)に登録締め切りがあるため、早めの学校見学と登録が必須。
Year 6 (10-11歳): 天王山 (Pre-Test)
- 10月〜11月: ISEB Common Pre-Test 受験。
- 1月〜5月: 結果発表 & 各校の二次試験(面接・独自テスト)。ここでOfferを勝ち取る。
Year 7-8 (11-13歳): 仕上げ (CE対策)
- オファー取得後は、ラテン語やフランス語を含むCommon Entrance対策に集中。
- 入学後のクラス分け(Set)に関わるため、高得点を目指す。
ELT|英国名門校受験・ISEB対策
ELTでは、EtonやOxford出身のネイティブ講師が、日本人の苦手なVerbal Reasoningやインタビュー対策をマンツーマンで指導します。
- ISEB Pre-Test模試: 本番同様の環境で弱点を分析。
- ラテン語・フランス語指導: 日本の塾では対応できないCE特有の科目もカバー。
- インタビュー練習: 「なぜ?」を深掘りされる英国式面接への回答力を鍛えます。








