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A-Level(Aレベル)完全ガイド:科目選択・成績評価・英国トップ大学の入試要件を徹底解説【2026年版】

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2026年最新
A-Level(Aレベル)完全ガイド:科目選択・成績評価・英国トップ大学の入試要件を徹底解説【2026年版】 - ELTスクール 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

A-Level(Advanced Level / Aレベル)とは、英国の大学入学資格として世界160カ国以上で認められている2年間のカリキュラムです。通常Year 12-13(16〜18歳)に履修し、約80科目の中から3〜4科目を選択して専門的に学びます。成績はA*(最高)〜E(最低)の6段階で評価され、オックスフォードやケンブリッジなどの英国トップ大学への出願にはAAA〜A*AAが一般的に求められます。

IBDPが6科目を幅広く学ぶ「オールラウンド型」であるのに対し、A-Levelは3科目に絞って深く学ぶ「スペシャリスト型」のカリキュラムです。わずか3教科で大学入試が決まるため、「得意を伸ばしたい」「将来の夢が決まっている」という生徒にとっては最強のルートになり得ます。

しかし、その自由度の高さゆえに、科目選択のミスが命取りになることも少なくありません。

この記事では、A-Levelの仕組みから試験構造、成績評価、IBDP比較、科目選択戦略、英国トップ大学の具体的なEntry Requirements、日本国内で学べる学校リスト、そしてA-Level校に在籍していなくても個人で受験する方法(Private Candidate)まで、A-Levelに関するあらゆる情報を網羅します。

A-Levelとは何か——3科目で世界トップ大学に挑む英国式カリキュラム

A-Level(Advanced Level)は、正式にはGCE Advanced Levelと呼ばれ、英国の教育制度において最も広く受験される大学入学資格です。Cambridge International(ケンブリッジ国際)およびPearson Edexcelが主要な試験実施機関として、世界中でA-Level試験を提供しています。

日本の高校との最大の違いは、科目の自由度です。日本の高校生は文系でも数学を、理系でも国語を学び、7〜8科目を幅広く履修します。A-Levelでは、大学で学びたい分野に関連する3〜4科目だけに絞り込みます。

たとえば経済学部志望なら、Mathematics、Economics、Further Mathematicsの3科目だけを2年間かけて深く学びます。古文も漢文も体育も必要ありません。その代わり、選んだ3科目の学習深度は日本の大学教養課程(大学1年生レベル)まで掘り下げます。

この「狭く、深く」の思想は、英国の大学が1年目から専門課程に入る制度と連動しています。A-Levelで専門知識を身につけた状態で入学するため、英国の学部課程は3年間で修了するのが一般的です。

IGCSEとの接続:
A-Levelの前段階としてYear 10-11でIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)を学びます。IGCSEでは7〜9科目を幅広く履修し、その結果をもとにA-Levelで専門化する科目を3〜4つに絞り込みます。IGCSEの科目選択がA-Levelの選択肢を制約する場合もあるため、IGCSEの段階からA-Levelを見据えた設計が重要です。

IGCSEの詳細はこちらの記事をご覧ください。

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IGCSE/GCSEの全貌とA-Level・IBDP接続戦略:科目選択と大学への道

A-Levelの試験構造——AS/A2、Linear/Modular、Exam Boardの違い

2段階の試験構造(AS Level → A2 Level)

A-Levelは2つのパートで構成されています。

  1. AS Level(Year 12): 1年目の内容。通常4科目を選択し、年度末に試験を受ける
  2. A2 Level(Year 13): 2年目の内容(より高度)。ASから3科目に絞り込み、最終試験を受ける

ASとA2の合計スコアで、最終的なA-Levelグレード(A*〜E)が決まります。

Linear方式 vs Modular方式

ここが実務上非常に重要なポイントです。

Linear方式(英国本国): 2年間の学習内容すべてをYear 13の最終試験で一発勝負。途中でのRetake(再受験)はできません。

Modular方式(International A-Level): 日本を含む海外のインターナショナルスクールで主流。単元(ユニット)ごとに試験を受け、何度でも再受験(Retake)が可能です。

Modular方式は戦略的に活用すれば、納得いくまでスコアを上げられるため、A*(90%以上)を狙いやすいという大きなメリットがあります。Year 12でASを受験し、結果が不満であればYear 13で再受験して上書きすることも可能です。

試験ボード(Exam Board)比較

A-Levelは複数の試験実施機関が提供しており、学校によって採用しているExam Boardが異なります。どのExam Boardの学校を選ぶか——あるいは独自受験(Private Candidate)の場合にどのExam Boardを選ぶか——は、科目の難易度やRetakeの可否に影響する重要な判断です。

Exam Board

方式

科目数

特徴

主な採用地域

CIE(Cambridge International)

Modular(IAL)

約55科目

海外インターの標準。最も科目数が多い

全世界のインター校

Edexcel(Pearson)

Modular(IAL)

約20科目

CIEとの選択式の学校も多い。一部科目はCIEよりやや取り組みやすいとされる

全世界

AQA

Linear

約45科目

英国本国で最大の受験者数。Retake不可

英国のみ

OCR

Linear

約40科目

EPQ(Extended Project Qualification)が特徴

英国のみ

日本国内のインターナショナルスクール(Harrow Appi、Rugby School Japan等)はCIEまたはEdexcelを採用しており、Modular方式のメリットを活かせます。後述する「Private Candidate(独自受験)」の場合も、日本ではCIEまたはEdexcelを選択するのが現実的です。

成績評価の仕組み——A*を取るには何点必要か

グレード評価の基準

A-Levelの最終成績は以下の6段階(+ 不合格)で評価されます。

グレード

得点率の目安

評価

A*

約90%以上

最高評価。オックスブリッジ・医学部出願に必須

A

約80%以上

優秀。ほとんどの大学で高く評価

B

約70%以上

良好。多くの大学の入学条件を満たす

C

約60%以上

合格の標準

D

約50%以上

最低限の合格

E

約40%以上

合格の下限

U(Ungraded)

40%未満

不合格

※得点率はExam Board・科目・試験セッションにより変動します。上記は一般的な目安です。

科目別のA*取得率——Cambridge公式データ(2025年6月)

「A*はどれくらい難しいのか」を客観的に把握するために、Cambridge Internationalが公表しているA-Level全科目のグレード統計(2025年6月試験、全世界の受験者対象)を見てみましょう。

科目

A*取得率

A以上取得率

B以上取得率

Further Mathematics

28.0%

59.9%

81.1%

Geography

19.3%

40.8%

62.4%

Mathematics

18.3%

44.1%

Physics

15.9%

37.2%

Chemistry

14.7%

36.7%

57.1%

Computer Science

12.9%

30.8%

49.0%

Biology

12.9%

33.1%

53.9%

Economics

12.7%

29.5%

49.2%

Business

6.7%

16.1%

30.2%

Law

5.4%

14.2%

27.8%

History

1.2%

9.2%

23.0%

English Language

0.2%

1.5%

8.6%

出典: Cambridge International A Level candidate grades June 2025

このデータから読み取れる科目選択の重要な示唆:

Further MathematicsはA*取得率28%で、理系志望なら「取らない理由がない」科目です。 数学が得意な生徒にとっては、最もA*が取りやすい科目の一つであり、オックスブリッジの工学部やCS学部への出願では事実上の必須科目になっています。

一方で、HistoryのA取得率はわずか1.2%、English Languageは0.2%と極めて低い。文系科目は論述の評価基準が厳しく、特に非ネイティブの生徒がAを取ることは非常に難しい。科目選択は「好きかどうか」だけでなく、「Aが現実的に取れるかどうか」という戦略的判断が不可欠です。

IBDP vs A-Level——「向き不向き」で選ぶ

多くのご家庭が悩むこの選択。どちらが良い悪いではなく、「適性(Type)」の問題です。

特徴

IBDP(国際バカロレア)

A-Level(英国式)

教科数

6教科 + TOK/EE/CAS

3〜4教科のみ

学習スタイル

広く、バランスよく。苦手科目も捨てられない

狭く、深く。好きな科目だけを突き詰められる

評価基準

7点満点×6 + コア3点 = 45点満点

A*, A, B, C, D, E

課外要件

TOK(知の理論)、EE(課題論文)、CAS(創造・活動・奉仕)が必須

課外活動は必須ではない(UCASのPersonal Statementで記述)

向いている子

オールラウンダー。まだやりたいことが決まっていない。コツコツ努力型

特定科目が飛び抜けて得意。凸凹がある天才肌

再受験

原則不可

Modular方式なら単元ごとに何度でもRetake可能

結論: 「数学は天才的だが、国語や歴史は苦手」というタイプの生徒には、IBDPの6科目必修は苦行ですが、A-Levelなら「Mathematics + Further Mathematics + Physics」の3科目だけでケンブリッジ工学部に合格できる可能性があります。

逆に「全科目まんべんなくできるオールラウンダー」にはIBDPの方が適性があります。IBDP45点満点中42点以上であれば、A-LevelのAAA*と同等以上の評価を受けます。

IBDPの詳細はこちらに記事をご覧ください。

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3カリキュラムの総合比較はこちらの記事をご覧ください。

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科目選択戦略——「好き」で選ぶと人生が詰む

A-Levelの最大の落とし穴は、「好きな科目を自由に選んだ結果、志望大学の出願要件を満たせなくなる」ことです。

Russell Groupが好む「Facilitating Subjects」

英国のトップ24大学で構成されるRussell Groupは、以下の8分野を「学問的に厳格な科目(Facilitating Subjects)」として重視しています。

Mathematics, Further Mathematics, English Literature, Physics, Biology, Chemistry, Geography, History, Modern/Classical Languages

メインの3科目にこれらのFacilitating Subjectsを含めるのが、大学選択の幅を最大化する最も安全な戦略です。

学部別・鉄板の科目組み合わせと英国トップ大学のオファー成績

志望学部

鉄板の科目組み合わせ

主要大学の典型的なオファー

医学部

Chemistry + Biology + Maths

Oxford: A*AA / Imperial: AAA / Edinburgh: AAA

工学部

Maths + Physics + Further Maths

Cambridge: AAA / Imperial: AAA / UCL: A*AA

経済学部

Maths + Economics + Further Maths

LSE: AAA / Warwick: AAA / UCL: A*AA

コンピューター科学

Maths + Further Maths + Physics

Oxford: AAA / Imperial: AAA / Bristol: AAA

法学部

History + English Lit + Language

Oxford: AAA / UCL: AAA / King's: AAA

自然科学

Maths + Physics + Chemistry

Cambridge: AAA

医学部(Medicine): Chemistryはほぼ全ての英国医学部で必須。Biologyも強く推奨。さらにUCAT(またはBMAT)の適性試験と面接が課されるため、A-Levelの成績だけでは合否が決まりません。

工学部(Engineering): MathsとPhysicsは絶対条件。Imperial CollegeやCambridgeのような最上位校では、Further Mathsがないと実質的に出願できません

経済学部(Economics): 名前に反して実質的には「数学科」に近い。LSEはMathsを必須科目として明示しており、Further Mathsも強く推奨しています。

避けるべき「Soft Subjects」

メディア学(Media Studies)、ビジネス学(Business Studies)、写真(Photography)、演劇(Drama)などは、一部のRussell Group大学から「学問的に軽い(Soft)」とみなされるリスクがあります。

メインの3科目にはFacilitating Subjectsを入れ、これらの科目は興味があれば4科目目として選択するのが賢明です。

A-Levelの年間スケジュール——UCASから逆算する

A-Levelの2年間には、試験・出願・結果発表が明確なタイムラインで進みます。特にUCAS(英国大学出願機関)の締切から逆算して準備を進めることが重要です。

時期

イベント

やるべきこと

Year 12 9月

A-Level開始。4科目を履修

科目選択の最終確認。志望学部の入学要件を調査

Year 12 1-3月

Mock Exams(模擬試験)

Predicted Gradesの基礎になる

Year 12 5-6月

AS Level試験

この結果がPredicted Gradesに直結

Year 12 8月

AS結果発表

Year 13で続ける3科目を決定

Year 13 9月

UCAS出願準備開始

Personal Statement執筆、志望校リスト確定

Year 13 10月15日

Oxford/Cambridge/医学部のUCAS締切

この日までに出願を完了

Year 13 1月末

その他の大学のUCAS締切

Year 13 2-4月

Conditional Offer受領

条件付き合格の成績条件を確認

Year 13 5-6月

A2 Level最終試験

この結果でオファーが確定or失効

Year 13 8月

A-Level結果発表(Results Day)

条件を満たせば正式入学。満たさなければClearing

Predicted Gradesの重要性: UCASの出願(10月〜1月)はA2の最終試験(5-6月)の前に行われます。つまり大学は、AS結果と学校が出す予測成績(Predicted Grades)で合否判断をし、条件付き合格(Conditional Offer)を出します。Year 12の1年間は「準備期間」ではなく「勝負の年」です。

日本国内でA-Levelが学べる学校

日本国内でもA-Levelカリキュラムを提供するインターナショナルスクール・ボーディングスクールが増えています。

学校名

所在地

形態

Exam Board

特徴

Harrow International School Appi

岩手

全寮制

CIE

英国名門Harrowブランド。2022年開校

Rugby School Japan

千葉

全寮制

CIE

A-Level/IB選択可。2023年開校

BST(ブリティッシュスクール東京)

東京

通学

Edexcel

2025年よりIB DPも並行導入

Malvern College Tokyo

東京

通学+寮

CIE

2023年開校。英国Malvern Collegeの姉妹校

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A-Level校に在籍していなくても受験できる——Private Candidate(独自受験)という選択肢

ここまでA-Level校への在籍を前提に解説してきましたが、実はA-Levelは学校に通っていなくても、個人で試験を受けることが可能です。これを「Private Candidate(プライベート候補)」と呼びます。

以下のような状況の生徒にとって、Private Candidateは検討に値する選択肢です。

  • IB校に在籍しているが、A-Levelの成績で英国大学に出願したい。 IBDPの6科目必修が合わず、得意な3科目で勝負した方が有利と判断している
  • 日本の一条校(私立・公立高校)に通っているが、英国大学を目指している。 学校にA-Levelカリキュラムがないため、独自に受験する必要がある
  • A-Level校を卒業済みだが、特定科目のRetake(再受験)で成績を上げたい。 Conditional Offerの成績条件を満たせなかった場合の救済手段として

Private Candidateとして受験する方法

CIE(Cambridge International)またはEdexcel(Pearson)のInternational A-Levelは、世界各国のBritish CouncilまたはCambridge認定テストセンターでPrivate Candidateとして受験登録が可能です。

日本での受験方法: 日本国内ではBritish Council(東京・飯田橋)が主要なPrivate Candidate受け入れ機関です。

登録の流れ:

  1. British CouncilのSchool Registration System(SRS)でオンラインアカウントを作成
  2. 受験するExam Board(CIE or Edexcel)、科目コード、セッション(5-6月 or 10-11月)を選択
  3. 試験費用を支払い(科目あたり約2〜4万円。Late Entryは割増料金)
  4. Statement of Entry(受験票)を受け取る(試験の約3〜4週間前)
  5. 指定された会場で筆記試験を受験

※締切はExam Boardやセッションにより異なります。British Council日本の公式サイトで必ず最新情報を確認してください。

理科系科目の独自受験——Practical Endorsementの壁と回避方法

Physics、Chemistry、Biologyを独自受験する場合に最も注意すべきポイントがあります。

英国本国のLinear方式(AQA、OCR等)のA-Levelでは、理科3科目に「Practical Endorsement(実験実技評価)」が必須要件です。これは12の実験活動を実験室で実施し、教員に評価を受けるもので、以下の問題があります。

  • 多くの試験センターは筆記試験のみを受け入れ、実験設備を提供しない
  • Practical Endorsementなしだと、成績証明書に「Not Classified(実技未評価)」と記載される
  • 英国の大学の多く(特に理系学部)はPractical Endorsementの「Pass」を出願条件として求めている

しかし、重要な回避方法があります。 CIEやEdexcelのInternational A-Level(IAL)は、英国本国のA-Levelとは試験設計が異なり、Practical Endorsementが独立した必須要件ではありません。代わりに筆記試験のPaper内に実験に関する設問が含まれる形式(CIEのPaper 5: Planning, Analysis and Evaluationなど)であるため、実験室にアクセスできなくても受験可能です。

つまり、日本でPrivate Candidateとして理科系A-Levelを受験する場合は、CIEまたはEdexcelのInternational A-Levelを選択するのが現実的な唯一のルートです。

ただし注意点があります。実験経験がない状態でPaper 5(実験計画・分析の論述問題)に対応するのは容易ではありません。過去問演習を通じて実験手法の理論的な理解を深める準備が不可欠であり、この部分は経験豊富な専門講師によるサポートが大きな助けになります。

Predicted Gradesの問題——Private Candidate最大のハードル

UCAS(英国大学出願機関)を通じた通常の出願には「Predicted Grades(予測成績)」が必要です。通常はA-Level校の教員がAS結果やMock Exam(模擬試験)の成績に基づいて予測成績を発行します。

しかしPrivate Candidateの場合、この仕組みが使えません。

  • IB校の生徒: 在籍校(IB校)の教員はA-Levelのカリキュラムを教えていないため、A-Levelの予測成績を出す立場にない
  • 日本の高校の生徒: 学校がUCASの仕組みに対応しておらず、そもそも予測成績の発行方法を知らない
  • 卒業済みのRetake受験者: すでに学校を離れているため、教員との関係がない

この問題を解決する方法は3つあります。

方法①: A-Levelの確定成績を取得してから出願する

A-Level試験を先に受験し、8月のResults Dayで成績が確定した後にUCAS Clearingで出願する方法です。Predicted Gradesが不要で最も確実ですが、志望大学やコースに空きがある場合に限られ、最難関大学ではClearingでの受け入れがない場合もあります。

方法②: 翌年度のUCASサイクルで確定成績をもとに出願する

5-6月にA-Levelを受験し、8月に確定成績を受け取った後、翌年度のUCASサイクル(9月開始)で出願する方法です。1年間のGap Yearが生じますが、確定した成績で志望校を通常のプロセスで選べるため選択肢が最も広がります。英国ではGap Yearは珍しいことではなく、むしろ大学側が好意的に評価するケースもあります。

方法③: UCAS登録センターからPredicted Gradesを取得する

UCAS登録センターとして認定されている私立教育機関(Tutorial College等)から、Mock Exam結果に基づくPredicted Gradesを発行してもらう方法です。一定期間の指導を受け、Mock Examを実施した上で、その講師が根拠に基づいた予測成績とリファレンス(推薦文)を作成します。

最も安全なのは方法①または②です。 確定した成績で勝負できるため、予測成績と最終成績のギャップというリスクを排除できます。方法③はオックスブリッジ等の10月15日締切に間に合わせたい場合の選択肢ですが、予測成績の信頼性をどう担保するかが課題になります。

Private Candidateの全体像——メリット・デメリット・リスク

観点

メリット

デメリット・リスク

柔軟性

A-Level校に転校せずに受験できる

学習は完全に自己管理。授業やクラスメートのサポートがない

科目の自由度

自分のペースで科目を選び、Retakeも自由

理科系は実験経験なしで論述問題に臨むハードルがある

費用

学校の学費と比べれば科目あたりの受験料は安い

専門講師の指導費が別途必要。合計すると相応の費用になる

大学出願

A-LevelとIBDP(または日本の高校の成績)の両方を持てる

Predicted Gradesの取得が困難。UCAS出願プロセスが複雑

リスク

最大のリスクは「既存の学業とA-Level対策の両立」

IB校なら6科目+コア要件と並行、日本の高校なら受験勉強と並行。どちらも中途半端になる危険がある

ELTの推奨:Private Candidateを検討する際のアドバイス

IB校の生徒の場合: IBDPを捨ててA-Levelに全振りするのは高リスクです。IBDPのカリキュラムを通常通り進めつつ、1〜2科目のA-Levelを追加で受験して英国大学への出願オプションを増やす「IBDPベース+A-Levelサプリメント」戦略の方が安全です。

日本の高校の生徒の場合: 英国大学への出願にはA-Levelが最も強力な資格ですが、日本の高校の学業と両立するには計画的な準備が必要です。少なくとも1年前(高校2年の9月頃)から対策を開始し、5-6月のセッションで受験するスケジュール感が現実的です。

どのケースでも: A-Levelの独自受験は「科目の学習」だけでなく「出願戦略の設計」が成否を分けます。どのセッションで受験するか、Predicted Gradesをどう確保するか、UCAS出願のタイミングをどう設計するか——こうした戦略面のサポートが不可欠です。

ELTでは、Private CandidateとしてA-Levelに挑戦する生徒への科目指導と出願戦略サポートを提供しています。

A-Levelの成績はアメリカ・日本の大学でも使える

「A-Levelは英国の大学専用」と思っていませんか? 実はグローバルな評価が非常に高い資格です。

アメリカの大学

ハーバード、MIT、スタンフォードなどのトップ校もA-Levelを高く評価しています。さらに、A-Levelの科目によっては大学の単位(Credit)として認定され、早期卒業や上級コースへの飛び級が可能になるメリットもあります。

ただし、アメリカの大学はSAT/ACTの標準テスト、課外活動(Extracurriculars)、エッセイも重視するため、A-Levelの成績だけでは出願が完結しません。

日本の大学

東京大学、京都大学、医学部などの帰国生入試でも、A-Levelのスコア(AAA以上など)が出願資格として認められています。特に理系学部では、A-Levelの深い専門知識が入学後の学習に直結するため歓迎される傾向があります。

ICU(国際基督教大学)、上智大学、早稲田大学国際教養学部などは、帰国子女枠以外の入試でもA-Level成績を活用できます。

A-LevelでA*を取るための専門対策——ELTの強み

A-Levelは教科数が少ない分、1教科あたりの難易度と求められる完成度はIBDP以上です。トップ大学合格の目安となるA*(90%以上)を取るためには、些細な計算ミスや論述のズレも許されません。

  • 「Further Mathsの難問が、学校の授業だけでは理解できない」
  • 「Economicsのエッセイで、Aグレードの評価ポイントがわからない」
  • 「Chemistryのメカニズム問題で、毎回同じタイプの問題を落とす」
  • 「Private CandidateとしてA-Levelに挑戦したいが、出願戦略の立て方がわからない」

こうした悩みは、一般的な家庭教師や英会話スクールでは対応できません。

ELTは、ロンドンで創業し40年近い歴史を持つ、教育機関です。

  • 講師の質: オックスフォード・ケンブリッジ大卒を含む、A-Level指導経験豊富な英国ネイティブ講師がマンツーマンで指導
  • 専門科目対応: 日本では指導者が少ないFurther Mathematics、Psychology、Economics等の専門科目もカバー
  • Exam Board対策: CIEやEdexcelなど、学校の試験ボードに合わせた過去問対策。Modular方式のRetake戦略含む
  • Private Candidate支援: A-Level校に在籍していない生徒への科目指導、出願戦略設計、UCAS対応サポート
  • UCAS出願サポート: Personal Statementの添削、志望校選定のアドバイス

科目の戦略的選定から受験対策まで、まずはお気軽にお問い合わせください。

A-Level対策の詳細を見る →

よくある質問

A

A-Level(Advanced Level)は、英国の大学入学資格として世界160カ国以上で認められている2年間のカリキュラムです。約80科目の中から3〜4科目を選択して専門的に学び、A*(最高)〜E(最低)の6段階で評価されます。

A

標準は3科目です。Year 12で4科目を履修し、Year 13で3科目に絞り込むのが一般的です。3科目でAAAを取る方が、4科目でAAAAを取るよりも高く評価されるケースもあります。

A

難しさの質が異なります。IBDPは6科目+コア要件の「量」が難しく、A-Levelは3科目の「深さ」が難しい。特定科目が飛び抜けて得意ならA-Level、幅広くバランスよく学べるならIBDPが向いています。

A

受験できます。「Private Candidate(プライベート候補)」として、British CouncilやCambridge認定テストセンターで個人受験が可能です。日本ではCIEまたはEdexcelのInternational A-Levelを受験するのが現実的です。ただし、理科系科目のPractical Endorsementの扱い、Predicted Gradesの取得方法など、独自受験ならではの注意点があります。

A

認められます。ハーバードやMIT等の米国トップ校もA-Levelを高く評価し、科目によっては大学の単位として認定されます。日本では東大・京大・医学部等の帰国生入試でA-Level成績が出願資格として使えます。

A

メディア学、ビジネス学、写真、演劇などは一部のRussell Group大学から「Soft Subjects」とみなされるリスクがあります。メインの3科目にはFacilitating Subjects(Mathematics、Physics、Chemistry、Biology、History、Geography、English Literature、Languages)を含めるのが安全です。

A

IGCSEのYear 10-11で7〜9科目を幅広く学んだ後、A-LevelのYear 12-13で3〜4科目に絞り込みます。IGCSEの科目選択がA-Levelの選択肢を制約する場合があるため、IGCSEの段階からA-Levelを見据えた科目設計が重要です。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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