「学費は欧米系インターの半額以下なのに、数学のレベルは世界最高峰」
近年、日本国内でもインド系インターナショナルスクールへの注目が急上昇しています。
特に、GIIS(Global Indian International School)やIISJ(India International School in Japan)といった学校は、キャンセル待ちが出るほどの人気です。
しかし、安さと評判だけで飛びつくのは危険です。
インド式教育の実態は、欧米式の「探究学習」とは真逆の、猛烈な暗記と競争(Drill & Kill)の世界だからです。
- 「CBSEとICSE、どっちが良いの?」
- 「九九は本当に19×19までやるの?」
- 「日本の大学に行けなくなるって本当?」
本記事では、インド式カリキュラムの仕組み、日本人家庭が直面する「カルチャーショック」、そして絶対に知っておくべき進学資格のリスクについて、きれいごと抜きで解説します。
1. インド式カリキュラムの二大巨頭:CBSE vs ICSE
インドには大きく分けて2つの主要な国家カリキュラムがあります。
① CBSE (Central Board of Secondary Education)
- 特徴: インド政府直轄のカリキュラム。
- 強み: 理数系(Math & Science)に極めて強い。インド工科大学(IIT)などの難関入試対策に特化しており、内容は標準化されています。
- 日本人向け: GIISやIISJなど、日本にあるインド系インターの多くはこのCBSEを採用しています。転勤族にも対応しやすいです。
② ICSE (Indian Certificate of Secondary Education)
- 特徴: 英国ケンブリッジ大学の試験制度を源流に持つ、より包括的なカリキュラム。
- 強み: 英語力(English Literature)とリベラルアーツ重視。英語の難易度はCBSEより高く、欧米の大学進学に有利とされます。
- 現地での評判: 「エリート向け」「裕福な家庭が選ぶ」というイメージが強く、学習量はCBSE以上に膨大です。
2. なぜ「インド式数学」は世界最強なのか?
「インド人はゼロを発明した」と言われますが、現代の強さは「概念理解」×「圧倒的な演習量」にあります。
カリキュラム進度比較(目安)
学年 | 日本の公立校 | インド式 (CBSE) |
小2 (G2) | 九九 (9×9) | 19×19の暗記(学校によるが一般的) |
小5 (G5) | 分数・小数 | 代数(Algebra)の基礎 |
中3 (G9) | 二次方程式 | 三角関数・微積分(Calculus)の導入 |
「演習量」という名の壁
インド式の授業では、1つの公式を習ったら、それを定着させるために数十〜数百問のドリル(宿題)が出ます。
「なぜそうなるか?」を議論するIB(国際バカロレア)とは対照的に、「反射的に解けるまで叩き込む」スタイルです。これが、世界中で活躍するITエンジニアや数学者の基礎を作っています。
3. 日本人家庭が直面する「壁」とデメリット
「算数が得意になってほしい」という軽い気持ちで入学すると、多くの日本人家庭は以下の壁にぶつかります。
① Rote Learning(暗記偏重)の弊害
インド式は伝統的に暗記(Rote Learning)を重視します。
歴史の年号、化学式、長文の詩などを「一字一句間違えずに覚える」ことが求められます。
リスク: 創造性や批判的思考(Critical Thinking)を伸ばしたい家庭には、このスタイルが「苦痛」となり、子供が勉強嫌いになる可能性があります。
② 熾烈な競争とプレッシャー
10年生と12年生で行われる統一試験(Board Exam)の成績は、人生を決めると言われるほど重要です。
そのため、学校内には常に「成績順位」を意識する競争圧力があります。「みんなで仲良く」という日本のカルチャーとは無縁です。
③ 施設の簡素さ
学費が安い(年間100万円以下〜)理由の一つは、施設にお金をかけていないからです。
校庭が狭い、プールがない、校舎がビルの一室であることは珍しくありません。「広々としたキャンパスでのびのび」というインターのイメージとは異なります。
4. 【最重要】進路と資格(大学に行けない?)
最も注意すべきなのが、「日本の大学入学資格」です。
「WASC認定」の有無を確認
CBSEやICSEの修了証書(Grade 12)自体は、インドや欧米の大学では認められますが、日本の文部科学省は自動的には認めていません。
- GIIS (Global Indian International School):
WASC認定を取得しているキャンパスであれば、日本の大学受験資格があります。
- IISJ (India International School in Japan):
文部科学省の「指定済み外国人学校」リストに入っているか、あるいはWASC等の認定があるかを必ず確認してください。(※現在は認定校として認められていますが、キャンパス移転等で状況が変わることもあります)
もし「無認定のインド系スクール」を卒業してしまうと、日本の大学を受けるには「高卒認定試験」から受け直さなければなりません。
WASC認定の重要性と無認定校に進学するリスク|インターナショナルスクールの「品質保証書」を見極める
関連記事を読む5. 結論:インド式は「劇薬」。用法・用量を守れるか?
インド式カリキュラムは、ハマれば「低コストで世界トップレベルの理数力と英語力」が手に入る、最強のコストパフォーマンスを誇ります。
しかし、それは「毎日数時間の宿題」と「激しい競争」に耐えられる子供と、それをサポートできる親の覚悟があってこそです。
ELT|インド式カリキュラム・補習サポート
ELTでは、特殊なインド式算数や、難解なCBSE英語に対応した学習サポートを行っています。
- Mathサポート: 進度が速すぎて学校の授業についていけないお子様への補習。
- 英語キャッチアップ: インド特有の早口な英語や、高度な語彙に対応するためのESLレッスン。
- 進路相談: 「やっぱり合わないかも?」と思った時の、他カリキュラム(IB/英国式)への転校相談。
「安さ」だけで選ぶのではなく、お子様の適性を慎重に見極めましょう。





