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インド式カリキュラム(CBSE/ICSE)の真実|「数学最強」の裏にあるリスクと日本人家庭の適性

更新:
公開:
2026年最新
インド式カリキュラム(CBSE/ICSE)の真実|「数学最強」の裏にあるリスクと日本人家庭の適性 - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

「学費は欧米系インターの半額以下なのに、数学のレベルは世界最高峰」

近年、日本国内でもインド系インターナショナルスクールへの注目が急上昇しています。

特に、GIIS(Global Indian International School)IISJ(India International School in Japan)といった学校は、キャンセル待ちが出るほどの人気です。

しかし、安さと評判だけで飛びつくのは危険です。

インド式教育の実態は、欧米式の「探究学習」とは真逆の、猛烈な暗記と競争(Drill & Kill)の世界だからです。

  • 「CBSEとICSE、どっちが良いの?」
  • 「九九は本当に19×19までやるの?」
  • 「日本の大学に行けなくなるって本当?」

本記事では、インド式カリキュラムの仕組み、日本人家庭が直面する「カルチャーショック」、そして絶対に知っておくべき進学資格のリスクについて、きれいごと抜きで解説します。

1. インド式カリキュラムの二大巨頭:CBSE vs ICSE

インドには大きく分けて2つの主要な国家カリキュラムがあります。

① CBSE (Central Board of Secondary Education)

  • 特徴: インド政府直轄のカリキュラム。
  • 強み: 理数系(Math & Science)に極めて強い。インド工科大学(IIT)などの難関入試対策に特化しており、内容は標準化されています。
  • 日本人向け: GIISやIISJなど、日本にあるインド系インターの多くはこのCBSEを採用しています。転勤族にも対応しやすいです。

② ICSE (Indian Certificate of Secondary Education)

  • 特徴: 英国ケンブリッジ大学の試験制度を源流に持つ、より包括的なカリキュラム。
  • 強み: 英語力(English Literature)とリベラルアーツ重視。英語の難易度はCBSEより高く、欧米の大学進学に有利とされます。
  • 現地での評判: 「エリート向け」「裕福な家庭が選ぶ」というイメージが強く、学習量はCBSE以上に膨大です。

2. なぜ「インド式数学」は世界最強なのか?

「インド人はゼロを発明した」と言われますが、現代の強さは「概念理解」×「圧倒的な演習量」にあります。

カリキュラム進度比較(目安)

学年

日本の公立校

インド式 (CBSE)

小2 (G2)

九九 (9×9)

19×19の暗記(学校によるが一般的)
4桁の足し算・引き算

小5 (G5)

分数・小数

代数(Algebra)の基礎
割合・比率の応用

中3 (G9)

二次方程式

三角関数・微積分(Calculus)の導入

「演習量」という名の壁

インド式の授業では、1つの公式を習ったら、それを定着させるために数十〜数百問のドリル(宿題)が出ます。

「なぜそうなるか?」を議論するIB(国際バカロレア)とは対照的に、「反射的に解けるまで叩き込む」スタイルです。これが、世界中で活躍するITエンジニアや数学者の基礎を作っています。

3. 日本人家庭が直面する「壁」とデメリット

「算数が得意になってほしい」という軽い気持ちで入学すると、多くの日本人家庭は以下の壁にぶつかります。

① Rote Learning(暗記偏重)の弊害

インド式は伝統的に暗記(Rote Learning)を重視します。

歴史の年号、化学式、長文の詩などを「一字一句間違えずに覚える」ことが求められます。

リスク: 創造性や批判的思考(Critical Thinking)を伸ばしたい家庭には、このスタイルが「苦痛」となり、子供が勉強嫌いになる可能性があります。

② 熾烈な競争とプレッシャー

10年生と12年生で行われる統一試験(Board Exam)の成績は、人生を決めると言われるほど重要です。

そのため、学校内には常に「成績順位」を意識する競争圧力があります。「みんなで仲良く」という日本のカルチャーとは無縁です。

③ 施設の簡素さ

学費が安い(年間100万円以下〜)理由の一つは、施設にお金をかけていないからです。

校庭が狭い、プールがない、校舎がビルの一室であることは珍しくありません。「広々としたキャンパスでのびのび」というインターのイメージとは異なります。

4. 【最重要】進路と資格(大学に行けない?)

最も注意すべきなのが、「日本の大学入学資格」です。

「WASC認定」の有無を確認

CBSEやICSEの修了証書(Grade 12)自体は、インドや欧米の大学では認められますが、日本の文部科学省は自動的には認めていません。

  • GIIS (Global Indian International School):

    WASC認定を取得しているキャンパスであれば、日本の大学受験資格があります。

  • IISJ (India International School in Japan):

    文部科学省の「指定済み外国人学校」リストに入っているか、あるいはWASC等の認定があるかを必ず確認してください。(※現在は認定校として認められていますが、キャンパス移転等で状況が変わることもあります)

もし「無認定のインド系スクール」を卒業してしまうと、日本の大学を受けるには「高卒認定試験」から受け直さなければなりません。

WASC認定の重要性と無認定校に進学するリスク|インターナショナルスクールの「品質保証書」を見極める

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5. 結論:インド式は「劇薬」。用法・用量を守れるか?

インド式カリキュラムは、ハマれば「低コストで世界トップレベルの理数力と英語力」が手に入る、最強のコストパフォーマンスを誇ります。

しかし、それは「毎日数時間の宿題」と「激しい競争」に耐えられる子供と、それをサポートできる親の覚悟があってこそです。

ELT|インド式カリキュラム・補習サポート

ELTでは、特殊なインド式算数や、難解なCBSE英語に対応した学習サポートを行っています。

  • Mathサポート: 進度が速すぎて学校の授業についていけないお子様への補習。
  • 英語キャッチアップ: インド特有の早口な英語や、高度な語彙に対応するためのESLレッスン。
  • 進路相談: 「やっぱり合わないかも?」と思った時の、他カリキュラム(IB/英国式)への転校相談。

「安さ」だけで選ぶのではなく、お子様の適性を慎重に見極めましょう。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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