「インターナショナルスクールの教育には魅力を感じるけれど、年間300万円近い学費はさすがに厳しい……」
多くのご家庭がこの「資金の壁」に直面し、進学を諦めてしまっています。しかし、実は国内のインターナショナルスクールにも、返済不要の「奨学金(Scholarship)」や「特待生制度」が存在することをご存知でしょうか?
特に近年開校した英国系スクールや、全寮制(ボーディングスクール)の中には、優秀な生徒を獲得するために「授業料全額免除」を含む手厚いオファーを出している学校もあります。
本記事では、一般にはあまり知られていないインターナショナルスクールの奨学金事情と、実際に制度を設けている学校の実例、そして応募前に知っておくべき「狭き門」の実態を解説します。
1. インターの奨学金は2種類あることを知ろう
まず、インターナショナルスクールの奨学金には、大きく分けて2つのタイプがあることを理解しておきましょう。ここを混同すると、対象外の学校に応募してしまうことになります。
① Merit-based(特待生型)
- 対象: 学業、スポーツ、芸術などで秀でた才能を持つ生徒。
- 特徴: 親の年収に関係なく、能力だけで評価されます。学校側には「優秀な生徒に入ってもらい、大学進学実績や対外的な評判を高めたい」という狙いがあります。近年開校した新設校に多いタイプです。
② Need-based(経済支援型)
- 対象: 合格基準を満たしているが、経済的に学費を払うのが困難な家庭。
- 特徴: 家庭の収入証明(課税証明書など)を提出し、支払能力に応じて減免額が決まります。伝統的なスクール(老舗インター)やUWC ISAK Japanなどはこのタイプが中心です。
2. 奨学金・特待生制度がある主なインターナショナルスクール
それでは、2024-2025年時点で具体的な制度を公表している主な学校を見ていきましょう。 ※募集内容は年度により変更されるため、必ず最新の募集要項をご確認ください。
【新設校・ボーディング】優秀層獲得のための「Merit型」が充実
近年相次いで開校した英国系スクールは、優秀な生徒(特待生)の募集に積極的です。
- Harrow International School Appi Japan(ハロウ安比)
- 制度: 学力(Academic)、スポーツ、芸術(Arts)の特待生。
- 免除額: 通常は授業料の最大30%減免ですが、特に優秀な高校最終学年(Year 12)入学者には授業料全額(100%)免除のケースもあります。
- 条件: 学力特待はトップレベルの英語力と成績、スポーツは県・全国大会レベルの実績が必要です。
- Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン)
- 制度: 中1〜高2(Year 7-12)対象のアカデミック、芸術、スポーツ、オールラウンダー特待。
- 免除額: 通学生(Day)の授業料10%免除に加え、入学金・施設拡充費が全額免除されます。
- 注意: 寮費の免除は原則ありません(別途相談)。
- Malvern College Tokyo(マルバーンカレッジ東京)
- 制度: 学業、音楽、芸術、スポーツの4分野。小5〜中1以上が対象。
- 免除額: 具体的な割合はケースバイケースですが、授業料の一部減免(10〜50%程度)が一般的です。
【全寮制】圧倒的な支援率を誇る「UWC ISAK Japan」
- UWC ISAK Japan(軽井沢)
- タイプ: 完全なNeed-based(経済支援型)です。
- 支援実態: 在校生の約70%が何らかの支援を受けており、その中には「授業料・寮費・食費・教材費」のほぼ全額(100%)が給付されるフル・スカラシップの生徒も多数います。
- 特徴: 親の年収が低いほど高額な支援が受けられる仕組みで、家庭の経済状況に関わらず挑戦できる稀有な学校です。
【都内・通学型】独自の特待枠を設けるIB校
- Capital Tokyo International School (CTIS)
- 制度: 中学部(G7-9)向けの「Honors Student Scholarship」。
- 免除額: 入学金全額(22万円)免除に加え、年間授業料等の約3分の2(約200万円相当)を学校が負担。保護者の実質負担は約100万円で済みます。
- 条件: MAPテスト等での高得点証明が必要。所得制限はありません。
- Aoba-Japan International School (A-JIS)
- 制度: オンライン高校課程(Aoba Global Campus)向けの特待制度が手厚いです。
- 免除額: 最上位の「Global Visionary Award」は、2年間の授業料が100%全額免除されます。
- 注意: 通常の通学コース(目黒・光が丘)には、新規入学者向けの特待制度は基本的にありません。
3. 特待生(Merit Scholarship)を勝ち取るための条件
「授業料免除」の座を勝ち取るには、一般入試よりも遥かに高いハードルを越える必要があります。
① 圧倒的な英語力と学力
「英語が少し得意」レベルでは不十分です。特待生には、入学初日からトップクラスの成績を取り、他の生徒の模範となることが求められます。目安として英検1級やTOEFL iBT 100点近いスコア、あるいは数学オリンピックなどの客観的な実績(エビデンス)が必要です。
② 「学校への貢献」を示すエッセイと面接
学校は慈善事業で授業料を免除するわけではありません。「この生徒を入学させることで、学校にどんなメリットがあるか?」を厳しく審査します。 面接やエッセイでは、自分の才能がいかに学校の多様性や評価に貢献できるかを、英語で論理的にアピールするプレゼン能力が不可欠です。
③ 厳しい維持条件
特待生の資格は1年更新が基本です。入学後もGPA(成績評定)3.5以上や模範的な素行を維持しなければ、翌年から奨学金が打ち切られる(剥奪される)リスクが常にあります。
4. 応募前に知っておくべき「隠れコスト」のリスク
「授業料全額免除」という言葉に飛びつく前に、必ず確認すべきなのが「奨学金でカバーされない費用」です。ここを見落とすと、入学後に「払えない」という事態になりかねません。
- 寮費・食費: 全寮制の場合、授業料とは別に年間150〜300万円程度の寮費がかかります。多くの特待制度(ハロウ、ラグビー等)では、授業料は免除でも寮費は自己負担です。
- 入学金・施設費: 数十万円〜百万円単位の初期費用が免除対象外のケースがあります。
- その他: 制服代、PC購入費、修学旅行費、スクールバス代なども通常は自己負担です。
つまり、「特待生になればタダで通える」わけではなく、「日本の私立校と同程度か、それ以上の費用」は依然としてかかると見積もっておくのが現実的です。 (※UWC ISAKのフル奨学金など、寮費までカバーされる例外を除く)
まとめ:奨学金は「選ばれた天才」だけのもの?
インターナショナルスクールの奨学金は確かに「狭き門」ですが、決して不可能な道ではありません。特に新設校は優秀な生徒を渇望しており、戦略的にアピールできればチャンスは広がっています。
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