「GoogleやAmazonの創業者がモンテッソーリ教育を受けていた」という話は有名ですが、実は日本の歴史あるインターナショナルスクール、特に横浜・東京エリアの名門校でも、長年モンテッソーリ教育が採用されていることをご存知でしょうか?
「インターナショナルスクール=厳しい英語の勉強」というイメージを持つ方にとって、おもちゃで遊んでいるように見えるモンテッソーリの教室は、少し不思議に映るかもしれません。しかし、進学実績の高い伝統校がこのメソッドを選ぶのには、明確な戦略的理由があります。
それは、幼児期のモンテッソーリ教育こそが、将来の「IB(国際バカロレア)」や「グローバルリーダー」としての資質を育む最強の土台となるからです。
本記事では、サンモール・インターナショナルスクールや清泉インターナショナルスクールの事例を交え、モンテッソーリ教育がなぜインターのカリキュラムと相性が良いのか、その理由を紐解きます。
1. インターナショナルスクールが「モンテッソーリ」を選ぶ3つの理由
多くのインターナショナルスクールが幼児教育(Early Years)にモンテッソーリを導入するのは、単なるトレンドではありません。以下の3つの要素が、インターの教育理念と合致するからです。
① 「Student Agency(生徒の主体性)」の育成
インターナショナルスクールでは、先生の言うことを聞くだけの生徒ではなく、「自分で考え、行動できる生徒」が評価されます。 モンテッソーリ教育では、子どもがその日取り組む「お仕事(Work)」を自分で選びます 。大人が強制するのではなく、子ども自身の内発的動機によって学ぶ経験を積むことで、インター教育の根幹である「Student Agency(主体性)」が自然と育まれます 。
② 異年齢混合クラス(縦割り)の社会的効果
モンテッソーリクラスは、3歳〜6歳程度の異年齢(マルチエイジ)で構成されます。ここでは、年上の子が年下の子に教具の使い方を教え、年下の子は年上の子に憧れて学ぶというサイクルが生まれます 。 この環境は、多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まるインターナショナルスクールの縮図です。幼い頃から「リーダーシップ」と「他者へのリスペクト」を実体験として学ぶことができます 。
③ 第二言語(英語)習得との相性の良さ
実は、英語を母語としない子ども(EAL生徒)にとって、モンテッソーリは最適な言語習得環境です。 一斉授業で先生の話を座って聞くだけのスタイルは、英語がわからない子には苦痛です。しかし、モンテッソーリは「五感」を使って手を動かしながら学ぶため、言葉の壁を超えて理解しやすい特徴があります 。 「Water, please」と言いながら実際の水を注ぐ練習をするなど、生活の中で生きた英語を自然に吸収できるのです 。
2. 【最強の組み合わせ】モンテッソーリとIB(国際バカロレア)の親和性
「モンテッソーリで遊んでばかりいて、小学校以降の勉強についていけるの?」と不安になる保護者の方もいるでしょう。しかし、教育学的には「モンテッソーリはIB(国際バカロレア)の準備段階として最適である」と言われています。
共通点:「探究型学習(Inquiry-based Learning)」
モンテッソーリもIBも、「知識を詰め込む」のではなく「問いを立てて探究する」ことを重視します。 モンテッソーリで「なぜ?」という好奇心を大切に育てられた子は、IBの初等教育(PYP)で始まる「探究ユニット」にスムーズに適応できます 。
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モンテッソーリの「お仕事」では、自分で道具を選び、納得するまで集中して取り組み、最後に片付けるというサイクルを繰り返します。 この一連の流れは、IB中等教育(MYP)やディプロマ(DP)で求められる「長期間のプロジェクト管理」や「リサーチスキル」の基礎となります 。自分で計画を立てて実行する習慣がついているモンテッソーリ出身者は、IBの厳しい要求にも粘り強く取り組める傾向があります 。
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実際にモンテッソーリを導入している代表的なインターナショナルスクールを見てみましょう。
サンモール・インターナショナルスクール (Saint Maur International School)
横浜・山手にある日本最古のインターナショナルスクールです。
- 特徴: 日本で初めてモンテッソーリ教育を導入した学校の一つであり、2歳半から5歳以上を対象としたモンテッソーリ・プログラムを提供しています 。
- 教育方針: フランス系の教育文化も背景に持ち、「生涯にわたる学習への入り口」としてモンテッソーリを位置づけています。同校のキャンパス内にある「エコール・フランセーズ」とも連携し、多文化・多言語環境での自律を促しています 。
サンモール・インターナショナルスクールの評判|横浜山手の日本最古のインターとモンテッソーリ教育
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東京・世田谷にあるカトリック系女子校(幼稚園は共学)です。
- 特徴: 幼稚園課程(Kindergarten)において、モンテッソーリ教育とIB PYP(初等教育プログラム)を融合させた独自のカリキュラムを展開しています 。
- 教育方針: カトリックの精神に基づき、モンテッソーリの「静寂」や「規律ある自由」を通して、他者を思いやる心(Caring)や奉仕の精神を育んでいます 。
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関連記事を読む4. どんな子が向いている?家庭での見極め方
素晴らしい教育法ですが、すべての子どもに最初からフィットするとは限りません。
向いている子
- 好奇心旺盛: 自分で「これやりたい!」と決めるのが好きな子 。
- 集中力が高い: 一つの遊び(ブロックやお絵かきなど)に長時間没頭できる子 。
- 秩序を好む: 決まった場所に物を戻す、順番を守るなど、落ち着いた環境を好む子 。
慣れるのに時間が必要な子
- 指示待ち傾向: 「次は何をすればいいの?」と常に大人の許可を求める子 。
- 競争が好き: 「一番になったらご褒美」といった外発的な動機付けに慣れている子(モンテッソーリには順位付けやシールのご褒美がありません) 。 ※ただし、こうしたお子さんも環境に慣れることで、「自分で決める楽しさ」を発見し、大きく成長するケースが多く見られます 。
まとめ:モンテッソーリは「将来への投資」
インターナショナルスクールにおけるモンテッソーリ教育は、単なる早期教育ではありません。それは、将来IBプログラムで必要となる「自ら考え、探究し、答えを見つける力」を養うための、戦略的な「エンジンの着火期間」です。
サンモールや清泉への入学を検討されているご家庭は、この「自律を促す教育スタイル」を理解し、家庭でもお子さんの「自分で選ぶ力」をサポートしてあげることで、入学後の成長がよりスムーズになるでしょう 。
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