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IB中等教育プログラム(MYP)の全貌とDP成功への架け橋|中だるみを防ぐ評価基準とは?

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公開:
2026年最新
IB中等教育プログラム(MYP)の全貌とDP成功への架け橋|中だるみを防ぐ評価基準とは? - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

インターナショナルスクールの中等部(G6〜G10相当)にあたるMYP(Middle Years Programme)は、保護者の方々にとって最も「実態が見えにくい」プログラムかもしれません。

  • 「PYPのような探究学習が続くのか、それとも急に勉強が難しくなるのか?」
  • 「テストで100点を取っても成績が『7(最高評価)』にならないのはなぜ?」
  • 「IGCSE(英国式)と比べて、大学進学にはどちらが有利?」

MYPはしばしば「中だるみ(Middle Years Gap)」の時期と誤解されがちですが、実際には大学進学資格(DP)で成功するための思考力を養う、極めて重要な「学問的探究」の期間です。

本記事では、MYPのカリキュラム構造、独特な評価基準(Criteria)、そしてIGCSEとの比較について、最新データをもとに解説します。

1. MYPカリキュラムの構造:8教科と「グローバルな文脈」

PYPでは6つのテーマを中心とした「教科横断型」でしたが、MYPではより専門的な8つの教科グループに分かれます。

  1. Language and Literature(言語と文学 / 母語)
  2. Language Acquisition(言語習得 / 第二言語)
  3. Individuals and Societies(個人と社会)
  4. Sciences(理科)
  5. Mathematics(数学)
  6. Arts(芸術)
  7. Physical and Health Education(保健体育)
  8. Design(デザイン)

教科をつなぐ「グローバルコンテクスト」

教科ごとの専門性は高まりますが、IB特有の「つながり」は消えません。

MYPでは「Global Contexts(グローバルな文脈)」というレンズを通して、各教科を現実世界と結びつけます。

  • 例:数学(統計)× グローバルコンテクスト(公平さと開発)

    単に計算ドリルを解くのではなく、「世界の貧困データを分析し、不平等の原因を数学的に証明する」といった課題に取り組みます。

    これにより、「事実(Fact)」だけでなく「概念(Concept)」を学ぶ高度な学習へと進化します 。

2. なぜ満点でも「7」じゃない?複雑な評価基準(Criteria)の正体

MYPで保護者が最も戸惑うのが、その評価方法(Assessment)です。

MYPには「0点〜100点」という概念がありません。代わりに、各教科4つの評価観点(Criteria A-D)があり、それぞれ最高8点で評価されます(合計32点満点を1-7の成績に換算)。

【図解】数学の評価基準(例)

「答えが合っていれば正解」ではないのがMYPの厳しさです。

Criteria(評価観点)

何が問われるか?(数学の例)

A: Knowing and understanding (知識と理解)

公式を使って正しく計算できるか。(いわゆるペーパーテスト)

B: Investigating patterns (パターンの探究)

複雑な問題から数学的な法則やパターンを自力で見つけ出せるか。

C: Communicating (コミュニケーション)

自分の解法や論理プロセスを、数学的記号や言葉を使って他者にわかりやすく説明できるか

D: Applying mathematics in real-life contexts (実社会への応用)

数学を使って現実の課題(例:橋の建設コスト計算)を解決できるか。

ご覧の通り、計算力(A)だけでは全体の4分の1しか評価されません。

「なぜその答えになるのかを論理的に説明する力(Criterion C)」や「現実社会での活用力(Criterion D)」がなければ、どんなに計算が速くても成績は伸びない仕組みになっています。

これが、MYPが「DP(大学予科)への準備期間」と呼ばれる所以です。DPの最終試験や論文(Internal Assessment)では、まさにこの「論理的説明力」が合否を分けるからです。

3. MYP vs IGCSE:大学進学(DP)に有利なのはどっち?

同時期(14-16歳)のカリキュラムとして、英国式のIGCSEと比較されることがよくあります。

どちらが優れているということはありませんが、「DP(国際バカロレア・ディプロマ)への接続」という点では明確な違いがあります。

項目

MYP (IB中等教育)

IGCSE (英国式)

学習スタイル

探究・プロセス重視

レポートやプレゼンが多く、「なぜ?」を問い続ける。

知識・試験重視

シラバス(範囲)が決まっており、最終試験での高得点を目指す。

評価方法

4つのCriteriaによるルーブリック評価(記述式が多い)。

外部統一試験(ペーパーテスト)の結果が全て。

DPへの接続

◎非常にスムーズ

DPで求められる「探究スキル」や「レポート執筆力」が既に身についているため、高得点を狙いやすい 。

△切り替えが必要

暗記中心の学習から、DPの探究型学習への適応に苦労する場合がある(ただし基礎知識は強固になる)。

統計的にも、MYPを修了した生徒は、そうでない生徒に比べてDPでの合格率や平均スコアが高いという研究結果が出ています 。

DPを目指すのであれば、早期からIB流の思考法(Criteria思考)に慣れておくMYPルートは理にかなっています。

https://www.eltschool.jp/column/british-curriculum-alevel-igcse-guide

4. 集大成「パーソナルプロジェクト」:15歳の卒業論文

MYPの最終学年(G10)では、「Personal Project(パーソナルプロジェクト)」という個人探究活動が必修となります。

  • 内容: 自分でトピックを決め、目標を設定し、数ヶ月かけて成果物を作成し、レポートにまとめる。
  • 例: 「持続可能なファッションブランドの立ち上げ」「認知症予防のためのアプリ開発」など。

これは単なる自由研究ではありません。DPの「Extended Essay(課題論文)」の前哨戦であり、大学入試における「自己アピール(課外活動実績)」としても強力な武器になります。

ここで「自律的にプロジェクトを完遂する力」を証明できれば、DPでの成功はぐっと近づきます 。

5. 結論:DP成功の鍵は「アカデミック英語」の完成

MYPは「中だるみ」どころか、DPで戦うための武器(思考力・記述力)を磨く、最も過酷で重要な期間です。

しかし、その独特な評価基準(特にCriteria C/D)で高得点を取るためには、日常会話レベルではない「高度なアカデミック英語力」が不可欠です。

  • 「数学の解法を英語で論理的に説明できない」
  • 「レポートの構成が甘く、評価されない」

こうした課題を抱えたままDPに進むと、授業についていけず苦労することになります。

ELTがサポートできること

ELTでは、MYP生の成績向上とDP準備を専門的にサポートしています。

  • Criteria対策: 教科ごとの評価基準(ルーブリック)を分析し、評価されるレポートの書き方を指導します。
  • 理数科目の英語指導: MathやScienceのCriteria B/C/Dに対応した、「英語で考え、説明する」トレーニングを行います。
  • Personal Project伴走: テーマ設定からレポート執筆まで、ネイティブ講師がマンツーマンでアドバイスします。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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