横浜・山手の丘に佇むサンモール・インターナショナルスクール(Saint Maur International School)。
1872年創立、日本で最も古い歴史を持つインターナショナルスクールであり、親子3代で通う家庭もいる名門校です。
横浜エリアでインターを探す際、必ず比較対象となるのが「横浜インターナショナルスクール(YIS)」です。
「自由で新しいYIS」に対し、「伝統と規律のサンモール」。
この2校は距離こそ近いですが、その教育方針は驚くほど対照的です。
本記事では、サンモール独自の「モンテッソーリ+IGCSE+IB」というハイブリッドなカリキュラムの強みから、入試の実態、そして多くの保護者が迷う「YIS(横浜インターナショナルスクール)とどっちが良いのか?」という疑問まで、2026年の最新情報に基づき徹底解剖します。
1. 日本最古の歴史と「カトリック精神」
サンモールは、フランスの修道会「幼きイエス会」によって設立されたカトリック系のミッションスクールです。
しかし、信者でなければ入れないわけではありません。現在の生徒の宗教的背景は多様で、信仰を強制されることもありません。
規律と道徳(Moral Compass)
YISが「生徒の自主性」を最優先するのに対し、サンモールは「規律(Discipline)」と「他者への奉仕」を重んじます。
- 制服の着用: 幼稚園から高校まで指定の制服があり、身だしなみを整えることが求められます。
- マナー教育: 挨拶や言葉遣い、掃除(自分の使った場所を整える)など、日本的な「躾(しつけ)」に近い道徳教育が行き届いています。
- 校訓: "Simple in Virtue, Steadfast in Duty"(徳においては純朴に、義務においては堅実に)。誠実な人間形成を目指す校風は、多くの日本人保護者にとって安心感のあるものです。
2. 独自の「ハイブリッド・カリキュラム」の強み
サンモールの最大の特徴は、年齢に応じた最適な国際カリキュラムを組み合わせている点です。
YISのような「IB一貫校(PYP/MYP/DP)」ではありません。あえて異なるメソッドを採用することで、基礎学力の定着を図っています。
① 幼児期:モンテッソーリ教育(Montessori)
2歳半〜5歳児クラスでは、モンテッソーリ・メソッドを採用しています。
専用の校舎(教具が揃った環境)で、縦割り保育の中、「お仕事」を通じて自律心と集中力を養います。YISの「レッジョ・エミリア(自由な探究)」とは対照的に、秩序ある環境で学ぶのが特徴です。
② 小・中学:IPC + IGCSE
- 小学校(G1-5): IPC(国際初等カリキュラム)を採用。探究学習をしつつも、基礎的な読み書き計算(リテラシー・算数)はしっかりドリル等で固めます。
- 中学(G6-10): ここが大きなポイントです。Grade 9-10では英国式のIGCSE(国際中等教育修了資格)**修します。
メリット: IGCSEは「外部試験」があるため、高校に上がる前に客観的な学力が保証されます。ふわっとしがちな探究学習だけでなく、テストに耐えうる知識力が身につきます。
③ 高校:IBディプロマ(IBDP)
最終の2年間(G11-12)で国際バカロレア(IBDP)挑戦します。
IGCSEで鍛えられた「試験対策力」と「基礎知識」があるため、サンモールの生徒はIBへの移行がスムーズだと言われています。
【最新のIB実績】
サンモールは少人数教育の強みを生かし、驚異的な合格率を維持しています。
- 2024年: 合格率96%、平均35.3点(世界平均30.3点)。満点(45点)取得者2名。
- 2023年: 合格率100%。
主な進学先と実績(University Acceptances)
サンモールの卒業生は、その堅実な学力が評価され、世界中のトップ大学へ進学しています。 特徴的なのは、「イギリス系・カナダ系への強さ」と「国内難関大への安定した合格実績」、そして「芸術・理系への進路の多様さ」です。
イギリス・ヨーロッパ IGCSEを採用している関係で、英国の大学システムとの親和性が非常に高いです。
- Imperial College London(インペリアル・カレッジ・ロンドン)
- University College London (UCL)
- King's College London
- University of Edinburgh
- その他、医学部や芸術系大学(University of the Arts London等)への進学も多数。
北米(アメリカ・カナダ)
- カナダ: University of Toronto(トロント大)、University of British Columbia (UBC) ※サンモール生に非常に人気があります。
- アメリカ: Boston University, NYU, Purdue University, University of California各校 (UCLA, Berkeley等)
- 美術系: Parsons School of Design, Berklee College of Music
日本国内(帰国生入試・英語学位) 国内大学への進学サポートも手厚く、多くの生徒が都内の難関私大へ進学しています。
- 早稲田大学(国際教養 / 政治経済 等)
- 慶應義塾大学(PEARL / GIGA)
- 上智大学(国際教養 FLA)
- 国際基督教大学(ICU)
- その他、国内医学部への進学実績もあり。
保護者へのポイント: サンモールの進路指導は「ランキング至上主義」ではなく、「その子に合ったベストな環境」を選ぶ傾向があります。 しかし、IB平均点が世界平均を大きく上回っているため、結果として「G5(英国トップ5)」や「早慶上智」レベルには毎年コンスタントに合格者を出しています。 「自由なYIS」に対し、「堅実な進路指導のサンモール」として信頼を寄せる保護者も少なくありません。
3. 入試情報の詳細:初年度 vs 途中編入
サンモールの入試は、学年によって難易度と内容が大きく異なります。
初年度入学(モンテッソーリ / Grade 1)
- 選考方法: 筆記試験はありません。「行動観察(プレイセッション)」と親子面接が中心です。
- 重視される点:
- トイレットトレーニング: 完了していることが必須(おむつが外れていること)。
- 社会性: 集団の中で指示を聞けるか、年齢相応の自立ができているか。
- 親の姿勢: モンテッソーリ教育や学校の方針(カトリック的価値観)に理解があるか。英語力は幼児段階では不問です。
途中編入(Transfer)と英語力の壁
編入は随時受け付けていますが、ウェイティング(空き待ち)が発生している学年も多くあります。また、学年が上がるにつれ英語力のハードルが急激に上がります。
- 試験内容: MAPテスト(英語・数学)による学力診断と、エッセイ、面接。
- 英語サポート(EAL)の限界:
- Grade 1〜8: 英語力が低くても、EALサポート付きで受け入れられる可能性があります。
- Grade 9〜10: 相当な英語力が必要。EALサポートは限定的になります。
- Grade 11以降: 受け入れ不可に近い状態です。IBDPが始まるため、ネイティブレベルの英語力が必須となり、EALの提供はありません。
4. 徹底比較:サンモール vs 横浜インター (YIS)
横浜エリアで迷うこの2校。決定的な違いを表にまとめました。
特徴 | サンモール (Saint Maur) | 横浜インター (YIS) |
校風 | 規律・伝統 | 自由・自主性 |
カリキュラム | ハイブリッド | IB一貫校 |
施設 | 歴史的・コンパクト | 最新鋭・広大 |
雰囲気 | アットホーム・家族的 | ダイバーシティ・大規模 |
こんな子向き |
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「YISの新校舎は魅力的だが、自由すぎてうちの子は遊んでしまうかも…」と心配する家庭が、規律あるサンモールを選ぶケースが多く見られます。
5. 学費と諸経費 (2025-2026年度目安)
サンモールの学費はYISと同水準ですが、入学金が高額である点に注意が必要です。
初年度納入金(目安)
- 入学金(Registration Fee): 950,000円(YISは約135万円ですが、サンモールも高額です)
- 施設維持費: 250,000円(年額)
- 年間授業料:
- モンテッソーリ(全日): 約241万円
- 小学部(G1-5): 約290万円
- 中学部(G6-9): 約296万円
- 高校部(G10-12): 約300万〜313万円
小学1年生で入学する場合、初年度の総額は約420万円〜430万円(制服代等含む)となります。
※スクールバスはないため、通学費が別途かかります。
結論:サンモールは「第2の家」のような学校
サンモール・インターナショナルスクールは、最新の設備や派手さではYISに譲るかもしれません。
しかし、150年以上の歴史が培った**「温かいコミュニティ」と、IGCSEとIBを組み合わせた「堅実な学力形成」は、他校にはない大きな魅力です。
- 「子供には礼儀正しく育ってほしい」
- 「自由放任よりも、ある程度学校に管理してほしい」
- 「アットホームな環境で、先生に手厚く見てほしい」
そう願うご家庭にとって、サンモールは最高の選択肢となるでしょう。ウェイティングは「先着順」ではなく「適性順(Waiting Pool)」ですので、興味がある方は早めにInquiryフォームからコンタクトを取ることをお勧めします。


