「英国系インターの入試にある『CAT4』って何?」 「英語や算数のテストとは違うらしいけれど、対策は必要なの?」
ハロウ安比(Harrow Appi)、ラグビースクールジャパン(Rugby School Japan)、ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ(BST)、マルバーン・カレッジ東京(Malvern College Tokyo)など、近年日本で急増している英国系インターナショナルスクール。 これらの名門校の入試で必ずと言っていいほど課されるのが、CAT4(Cognitive Abilities Test)です。
CAT4は一般的な「学力テスト」とは異なり、子供の「認知能力(地頭の良さ)」を測る特殊なテストです。学校側は「事前の準備は不要」と言いますが、問題形式を知らずに受けると、実力を発揮できずに不合格となるケースも少なくありません。
本記事では、謎の多いCAT4の全貌と、4つの出題分野(バッテリー)ごとの具体的な解き方、そして合格ラインとなるスコア(SAS)について詳しく解説します。
1. CAT4(Cognitive Abilities Test)とは?
CAT4は、イギリスのGL Assessment社が開発した認知能力テストで、世界中の英国系インターナショナルスクールやボーディングスクールで採用されています。
「知識」ではなく「可能性」を測る
このテストの最大の特徴は、「学校で習った知識(Knowledge)」を問わない点です。 英語の文法問題や歴史の暗記問題は出ません。その代わりに、図形や数字の規則性を見抜く力、言葉の関連性を推論する力など、「新しい情報を処理し、学ぶ能力(Potential)」を測定します。
日本の主な導入校
以下の学校では、入試や編入試験でCAT4(または同等の認知テスト)が実施されています 。
- Harrow International School Appi Japan(ハロウ安比): オンライン入試で実施。
- Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン): 出願後の一次選考で実施。
- Malvern College Tokyo(マルバーンカレッジ東京): 入学評価の一部として実施。
- The British School in Tokyo (BST): Secondary(中等部)編入などで実施されるケースあり。
2. テスト構成と4つの分野(バッテリー)
CAT4は、以下の4つの分野(Battery)で構成されており、それぞれ2〜3種類の問題形式(Total 8種類)があります 。 テストは基本的にオンライン(PCまたはタブレット)で行われ、所要時間は約90分〜2時間程度です 。
① Verbal Reasoning(言語推論)
言葉を使って論理的に考える力を測ります。英語ネイティブでない生徒にとって、最もハードルが高い分野です。
- Verbal Classification(単語の分類): 3つの単語が提示され、それらに共通するグループに属する単語を選択肢から選びます 。
例題:
applebananaorange→ ? (答え:pearなどフルーツの仲間)
対策: 単語の意味だけでなく、「カテゴリー(果物、道具、感情など)」を瞬時に見抜く練習が必要です。
- Verbal Analogies(言葉のアナロジー): 「A : B」の関係と同じになるように、「C : ?」の?を埋めます 。
例題:
finger : hand::toe: ? (答え:foot)
解説: 「指は手の一部」という関係性を見抜き、「つま先は足の一部」という法則を当てはめます。
② Quantitative Reasoning(数的推論)
数字の規則性を見つける力です。高度な計算力は不要ですが、数のセンスが問われます。
- Number Analogies(数のアナロジー):
[4 → 6],[8 → 10],[9 → ?]のように、数字のペアの法則を見つけます 。
答え:
11(+2の法則) - Number Series(数列):
2, 4, 8, 16, ?のように並んだ数字の次に来る数を答えます 。
答え:
32(×2の法則)
③ Non-Verbal Reasoning(非言語推論)
図形の形や模様を使った論理パズルです。言語に依存しないため、日本人の子供が得点しやすい分野です。
- Figure Classification(図形の分類): 3つの図形に共通する特徴(「すべて黒い丸がある」「線が3本」など)を見つけ、同じ特徴を持つ図形を選びます 。

- Figure Matrices(図形のマトリックス): 2×2 または 3×3 のマス目に図形が並んでおり、空欄に入る図形を推測します 。

④ Spatial Ability(空間能力)
頭の中で物体を回転させたり、組み立てたりする力です。
- Figure Analysis(紙の折り畳み): 折り紙を折って穴を開け、広げた時に穴がどこにあるかを当てる問題です 。

- Figure Recognition(隠れた図形): 複雑な模様の中に隠れている「ターゲット図形」を見つけ出します 。

3. 合格ラインとなるスコア「SAS」とは?
CAT4の結果は、正答率(%)ではなく、SAS(Standard Age Score)という偏差値のような指標で示されます 。
- SAS 100: 同年齢の平均(Average)
- SAS 112以上: 平均以上(Above Average)
- SAS 127以上: 非常に優秀(Very High)
名門インターの合格目安
HarrowやRugbyなどの難関校(Top Tier)を目指す場合、平均の100では不十分な場合があります。一般的に、SAS 115〜120以上が合格の安全圏と言われています 。 特に英語(Verbal)が苦手な場合、他の3分野(Non-Verbal, Quantitative, Spatial)で高得点を取り、総合スコア(Mean SAS)を引き上げることが戦略として重要です。
4. 「対策不要」は本当か?家庭でできる準備法
学校側は「CAT4は潜在能力を測るものなので、練習は不要です(または練習できません)」とアナウンスします 。 しかし、これは建前です。 実際には、独特な問題形式(折り紙問題やアナロジー)に慣れていないと、ルールを理解するのに時間を使ってしまい、スコアを落とす原因になります。
効果的な3つの対策ステップ
- 問題形式に慣れる(Familiarisation): 市販の問題集(Bond 11+など)や、オンラインの模擬試験サイト(TestPrep-Online, Atom Learning)を使い、各分野の問題を一度は解いておきましょう。「あ、これは穴あけ問題だね」と即座に反応できるだけで、精神的な余裕が生まれます。

Bond 11+ Assessment Practice Papers Bundle for Age 9-10: English, Maths, Non-verbal Reasoning, Verbal Reasoning: Ready for the 2026 exam for GL Assessment & other 11 plus exams
まとめ:CAT4は「慣れ」でスコアが変わる
CAT4は知能テストの一種ですが、決して「生まれつきの才能」だけで決まるものではありません。特に問題形式への「慣れ」と、基本的な「英語語彙力」があれば、スコアを10〜15ポイント上げることは十分に可能です。
「うちの子は地頭が良いはずなのに、テストのやり方が分からなくて落ちた……」 そんな悔しい思いをしないよう、最低限の準備をして本番に臨んでください。
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