IELTSリーディング(Reading)において、日本人受験者が最も苦戦する設問タイプ。それが 「True / False / Not Given(または Yes / No / Not Given)」 です。
「True(合致する)」は分かっても、「False(間違い)」と「Not Given(記載なし)」の区別がつかないという悩みは尽きません。 「書いてない気がするけど、常識的に考えればFalseでは?」「推測すればNot Givenではないかも?」と迷い、時間を浪費してしまうのです。
本記事では、IELTS高得点者(Band 7.0+)が実践している「FalseとNot Givenを見分ける論理的境界線」と、正答率を上げるための「3つの攻略アプローチ」を解説します。
1. 「False」と「Not Given」の決定的な違い
まず、この2つの定義を「感覚」ではなく「論理」で再定義しましょう。IELTS公式の定義に基づくと、違いは以下の通りです。
- False (No): 本文の内容と「矛盾(Contradiction)」している。
つまり、本文に「反対の事実」が書かれている状態です。
- Not Given: 本文にその情報が「存在しない(Absent)」。
肯定も否定もできない、「どちらとも言えない」状態です。
わかりやすい判定例
もっと単純化して考えましょう。
設問: 「風船は赤色だった(The balloons were red.)」
これに対する本文の記述で答えが変わります。
- 本文: 「青い風船があった(...had blue balloons.)」
判定: False
理由: 「赤」と「青」は矛盾します。「赤ではない(青だ)」という証拠があるためFalseです。
- 本文: 「美しい風船があった(...had beautiful balloons.)」
判定: Not Given
理由: 「美しい」ことと「赤い」ことは矛盾しません。何色かわからない(情報がない)ため、Not Givenです。
「情報の有無」が鍵です。「違うと証明できる」ならFalse、「証明しようがない」ならNot Given。この二択を常に意識してください。
2. 引っかからないための「3つの論理的アプローチ」
IELTSの出題者は、受験者が「何となく」読むことを期待して罠(トラップ)を仕掛けてきます。以下の3つのパターンを注意してください。
① 修飾語(Qualifiers)の罠:All vs Some
文の意味を限定する単語(Qualifier)は、正誤判定の最大のヒントになります。
- 100%限定: All, Always, Must, Only, Every
- 部分・可能性: Some, Often, Can, May, Usually
【ひっかけパターン】
本文: "It would be best to wear flat-soled shoes."(平底の靴を履くのがベストだ=推奨)
設問: "Participants must wear sneakers."(参加者はスニーカーを履かなければならない=義務)
この場合、答えは False です。「推奨(Best)」と「義務(Must)」は矛盾するからです。 設問に強い言葉(Must, All)がある場合は、本文にそれを裏付ける強い表現があるか確認してください。もし本文がマイルドな表現(Some, Can)であれば、それは矛盾(False)です。
② 比較級(Comparisons)の罠
「AはBより優れている」「世界で最も多い」といった比較表現が設問にある場合、本文でも比較が行われているかを確認してください。
【ひっかけパターン】
本文: 「アマゾンには数千種の植物が生息する。」(事実の提示)
設問: 「アマゾンは世界で最も植物の種類が多い。」(最上級)
この場合、答えは Not Given です。 本文は「多い」と言っているだけで、「世界一(他と比較して一番)」とは言っていません。常識的にそうだとしても、本文に比較記述がなければNot Givenとするのが鉄則です。
③ 「常識」を捨てる(Text Only Rule)
日本人が最も苦手とするのがここです。IELTSは「書いてあることだけが全て(Text Only Rule)」の世界です。
たとえ設問が「太陽は東から昇る」という科学的事実であっても、本文に天体の記述が一切なければ、答えは Not Given になります。 「書いてないけど、普通こうだよね?」という推測(Inferring)は、IELTSでは減点の原因になります。「常識を捨て、目の前のテキストだけを信じる」勇気を持ってください。
3. 迷った時の「思考フローチャート」
試験本番で迷ったときは、以下のフローで機械的に判断してください。
- キーワード検索: 設問のキーワード(主語・動詞・数字)が本文にあるか?
No → Not Given(即決)
Yes → 次のステップへ
- 一致確認: 本文の内容は設問と一致するか?(パラフレーズされているか?)
Yes → True
- 矛盾確認: 本文に「反対のこと」や「矛盾する条件(All vs Someなど)」が書かれているか?
Yes(反対が書いてある) → False
No(書いてない・比較できない) → Not Given
時間管理の「90秒ルール」
T/F/NG問題は、深追いすると泥沼にはまります。 高得点者の鉄則は、「証拠が見つからなければ、Not Givenにして次へ進む」ことです。 「見つからない」のではなく、「そもそも書いてない(Not Given)」可能性が高いからです。1問に90秒以上かけず、割り切って進むことがスコアアップの鍵です。
まとめ:T/F/NGは「論理パズル」である
True/False/Not Givenは、英語の読解力だけでなく、論理的思考力が試されるパートです。 「なんとなく」で解くのをやめ、「矛盾があるか(False)」「情報がないか(Not Given)」をロジカルに仕分ける訓練をすれば、ここは確実な得点源になります。
もし、独学で「論理的な読み方」が身につかない、解説を読んでも納得できないという場合は、プロの指導で「思考の癖」を矯正することをおすすめします。
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