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ビジネス英語で中級者以上のための学習方法:「読み書きはできるのに話せない」を突破する

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2026年最新
ビジネス英語で中級者以上のための学習方法:「読み書きはできるのに話せない」を突破する - ELT School 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

David Falvey

監修者: David Falvey|ELT School of English Ltd. Chief Quality Officer

ビジネス英語の勉強法は「壁」によって最適解が変わります。「聞き取れない」にはシャドーイングとディクテーション、「言葉が出ない」には瞬間英作文とマンツーマンレッスン、「完璧に話そうとして黙る」にはロールプレイと定型表現の武装が効きます。闇雲にフレーズを暗記するのではなく、自分の壁を特定し、その壁に効くトレーニングに集中することが最短の道です。

この記事では、ELT Educationが1万人以上のビジネスパーソンを指導する中で見えた「中上級者が本当にぶつかる壁」と、第二言語習得(SLA)研究が示すエビデンスに基づいたトレーニング法を処方箋として解説します。

「中学英語を復習しましょう」——そういう話ではない

ビジネス英語の勉強法を検索すると、多くの記事が「①目標を決めましょう」「②中学英語を復習しましょう」「③アプリで単語を覚えましょう」と書いています。

しかし、この記事にたどり着いた方は、おそらくそのフェーズはとうに過ぎているはずです。

英語の読み書きは日常的にこなしている。TOEICも700点台〜900点台。英文メールは毎日書いている。英語の資料も問題なく読める。会社では「英語ができる人」と見られているかもしれません。

問題は「知識がない」ことではなく、「持っている知識が口から出てこない」ことです。

ELTが1万人以上のビジネスパーソンを指導してきた中で、最も多い相談がまさにこれです。そして、この壁は単語帳をもう1冊こなしても、文法書をもう1周しても越えられません。

必要なのは「何を新たに覚えるか」ではなく、「どのトレーニングが自分の壁に効くか」を知ることです。

まず自分の「壁」を特定する

1万人以上の指導経験から、「読み書きはできるのに話せない」中上級者がぶつかる壁は、3つに分類できます。

壁① 聞き取れない壁

ネイティブが自然なスピードで話すと、聞き取れない。あるいは聞き取れても、内容を理解するのに数秒かかり、議論の流れについていけない。英語を「読むスピード」と「聞くスピード」のギャップが原因です。

壁② 出てこない壁

言いたいことは頭にある。日本語なら即座に言える。しかし英語に変換するのに時間がかかり、発言のタイミングを逃す。「知っている語彙を瞬時に引き出す回路」が未完成の状態です。

壁③ 完璧主義の壁

正しい英語を話そうとするあまり、文を組み立てるのに時間がかかり、結局口を開かない。部下や若手の前で拙い英語を見せたくないプライドも相まって、沈黙してしまう。

ご自身がどの壁に当てはまるか、チェックしてみてください:

  1. 英語のメールや資料は問題なく読めるが、同じ内容を口頭で言われると理解が遅れる → 壁①
  2. 会議で「補足したい」と思っても、英語を組み立てている間に話題が次に移る → 壁②
  3. 頭の中で英文を完成させてから話そうとして、結局タイミングを逃す → 壁③
  4. 部下や帰国子女の同僚の前で、英語が拙い姿を見せるのが恥ずかしい → 壁③
  5. アメリカ英語は聞き取れるが、インド英語やシンガポール英語になると途端に聞き取れない → 壁①

ほとんどの方は、3つのうち2つ以上が同時に当てはまります。ここからは、それぞれの壁に最も効くトレーニングと、効かないトレーニングを具体的に解説します。

3つの壁の詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

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ビジネス英語と日常英語の本質的な違い:TOEIC900点でも英語の会議で撃沈する理由

壁①「聞き取れない」を突破するトレーニング

この壁の正体はシンプルです。語彙自体は持っているが、その語彙を音声として瞬時に認識する回路ができていない。つまり「知っている単語なのに、音になると聞き取れない」という状態です。

ディクテーション——自分のリスニングの「穴」を見つける

ディクテーションとは、英語の音声を聞いて書き取るトレーニングです。

「なんとなく聞こえている」と「正確に聞き取れている」には大きな差があります。実際に書き取ってみると、冠詞(a/the)や前置詞(in/on/at)、弱く発音される機能語が聞き取れていないことに気づきます。書き取ることで「リスニングの穴」が可視化され、何を重点的に鍛えるべきかが明確になります。

ただし、ディクテーションの主な役割は弱点の「診断」です。書き取り作業自体にかなりの集中力を使うため、トレーニングの中心にするよりも、まずディクテーションで弱点を見つけ、その後シャドーイングや次に紹介する「聞きながら読む」で集中的に鍛えるのが最も効率的です。

やり方:

  1. 自分の業界に近いPodcastやTED Talkから、30秒〜1分の音声を選ぶ
  2. 3回聞いて、聞き取れた内容を書き取る
  3. スクリプトと照合し、聞き取れなかった箇所にマーカーを引く
  4. 聞き取れなかった箇所のパターンを分析する(冠詞が弱い?連結音が苦手?速度についていけない?)

シャドーイング——リスニングの処理速度を根本から上げる

シャドーイングとは、聞こえた英語を0.5〜1秒遅れで即座に復唱するトレーニングです。

聞きながら同時に口を動かすことで、脳が英語をリアルタイムで処理する回路が強化されます。第二言語習得の研究でも、シャドーイングは脳のワーキングメモリを活性化し、音声知覚の自動化を促進することが脳画像研究を含む複数の実験で確認されています。

ただし、押さえるべきポイントが2つあります。

1つ目は、内容を理解してからシャドーイングすること。いきなりシャドーイングするよりも、まず音声を聞いて内容を理解してからシャドーイングした方が、効果が高いことが研究で示されています。

2つ目は、シャドーイングの効果は中級者で最も大きく、上級者では薄れる傾向があること。すでにリスニング力が高い方は、シャドーイングよりも後述の「聞きながら読む」や、業界固有の素材での多聴に時間を使った方が効率的です。

やり方:

  1. まず音声を1回通して聞き、内容を把握する(この「理解してから」が重要)
  2. スクリプトを見ながらシャドーイング(3回)
  3. スクリプトを見ずにシャドーイング(3回)
  4. 口が追いつかなかった箇所を確認し、その部分だけ繰り返す

時間: 1日15分。1つの素材を3日間かけて繰り返す方が、毎日新しい素材に手を出すより効果的です。最初は音声速度を0.8倍にして始め、慣れたら1.0倍→1.2倍と段階的に上げてください。

「聞きながら読む」——読める語彙を聞ける語彙に変える

壁①の本質は「読める語彙と聞ける語彙のギャップ」です。このギャップを最も効率的に埋めるのが、英語の音声を聞きながら同時にスクリプトを読むトレーニングです。

「読むだけ」「聞くだけ」「聞きながら読む」の3条件を13週間にわたって比較した研究では、「聞きながら読む」が最も一貫して有意な改善を示しました。文字で知っている単語が音声ではどう聞こえるかを同時に体験することで、文字と音のマッピングが強化されるのです。

これは自宅で今日から始められるトレーニングです。業界のPodcast(スクリプト付き)やTED Talk(字幕あり)を使い、1日15分「聞きながら読む」だけで、リスニングの処理速度は確実に上がります。

壁①に効かないこと

  • ただ聞き流す: BGMのように英語を流していても、リスニング力は上がりません。「集中して聞いて、聞き取れなかった箇所を特定する」プロセスが不可欠です
  • 汎用教材だけに頼る: NHK英語講座やアプリのリスニング教材は基礎力には有効ですが、実務の会議のスピードやアクセントの多様性とは乖離があります。自分の業界の英語素材で練習する方が、学んだことが直接実務に活きます

壁②「言葉が出てこない」を突破するトレーニング

語彙研究では、「知っている(受容的知識)」と「使える(産出的知識)」の間に大きなギャップがあることが繰り返し確認されています。そしてこのギャップを埋める方法について、研究は明確な答えを出しています。「話す練習」をしなければ話す力は伸びない。読む・聞くだけでは、産出力は上がらない。

瞬間英作文——「知っている」を「0.5秒で出る」に変える

日本語のフレーズを見て即座に英語に変換する訓練です。

新しい単語を100個覚えるよりも、すでに知っている表現を0.5秒で口から出せるように訓練する方が、実務の成果に直結します。

L1(母語)からL2(第二言語)への産出方向の学習は、意味の深い処理を促すため、単に英語を読んで覚えるよりも語彙の定着率が高いことが複数の実験で確認されています。つまり「英語→日本語」で理解するだけでなく、「日本語→英語」で瞬時に引き出す訓練をすることが、知識を使える力に変える鍵です。

やり方:

  1. 自分の業務でよく使うフレーズを日本語で20個書き出す(例:「この件について補足させてください」「スケジュールの再調整をお願いできますか」等)
  2. リストを見て、3秒以内に英語で言う
  3. 3秒以内に言えなかったものだけをリストに残し、翌日再挑戦
  4. 全フレーズが反射的に出るまで繰り返す

時間: 1日10分。20フレーズ×3秒=1分で1周。3〜5周を繰り返します。

ポイント: 市販の瞬間英作文テキストよりも、自分が来週の会議で実際に使いそうなフレーズで作った自作リストの方が圧倒的に効果的です。「来週使う英語」を今週末に練習する——これが学習と実務を直結させる最も確実な方法です。

マンツーマンレッスン——「一方通行」を「双方向」に変える

瞬間英作文は「一人でできるアウトプット」ですが、実際のビジネスでは相手の発言を受けて即座に返す双方向のやり取りが求められます。この訓練は一人ではできません。

第二言語習得の研究では、相手とのやり取りの中で「意味の交渉」——聞き返したり、確認したり、言い換えたりするプロセス——が起こることで、学習効果が飛躍的に高まることが実証されています。しかもこの効果は時間が経つほど大きくなり、持続的な力として定着します。

さらに重要なのが、フィードバックの与え方です。15の実験(対象者827名)を分析したメタ研究では、講師が正解を言い直すタイプのフィードバックよりも、学習者自身に修正を促すタイプのフィードバックの方が効果が大きいことが示されています。つまり、「正解を教えてもらう」のではなく、「自分で言い直す機会を与えてもらう」レッスンの方が、実力が伸びるのです。

どんなレッスンが壁②に効くか:

  • 自分の業界を理解している講師であること
  • フレーズを教わる時間より、実際に話す時間の方が多いレッスンであること
  • 「その言い方だとこういうニュアンスで伝わりますよ」という踏み込んだフィードバック、そして正解をすぐに言うのではなく、自分で言い直す時間を与えてくれる講師であること

頻度: 理想は週2回、最低でも週1回。ただし「レッスンを受けるだけ」では上達しません。 レッスンとレッスンの間に自宅で瞬間英作文やシャドーイングをやることで、レッスンの密度が格段に上がります。

格安オンライン英会話——「数をこなす」は効くのか?

月額数千円のオンライン英会話で毎日25分話す——この方法が壁②に効くかどうかは、現在の段階によって変わります。

効く場面: 英語を話す絶対量が不足している段階。「英語で10分以上連続して話した経験がほとんどない」という方には、安価に量を確保できるメリットは大きい。

効かない場面: すでにある程度話せるが「質を上げたい」段階。ある追跡調査では、成人学習者が2年間英語クラスを受講しても流暢性が改善しなかったケースが報告されています。量をこなすだけでは壁は越えられないのです。

結論: 「英語を話すこと自体に慣れる」フェーズでは格安英会話は有効です。しかし「業界の実務で通用するレベルに上げる」フェーズでは、的確な修正フィードバックを出せる講師とのマンツーマンの方が費用対効果が高くなります。

壁③「完璧主義」を突破するトレーニング

3つの壁の中で最も見落とされがちで、かつ最も根深い壁です。

なぜ完璧主義が話す力を奪うのか

不安の高い言語学習者と低い学習者を比較した研究で、決定的な違いが見つかっています。不安の高い学習者は、自分が犯したエラーの数と深刻度を実際よりも大きく見積もっていました。 逆に不安の低い学習者は、エラーを過小評価していたのです。

さらに、12,000人以上を対象にしたメタ分析では、「話そうとする意志」を最も強く予測する要因は、実際の英語力ではなく「自分は話せるという自己認識」であることが示されました。

つまり、実際にはかなりの英語力があっても、「自分は話せない」と思い込んでいれば口を開かない。逆に、英語力が多少劣っていても「そこそこ話せる」と感じていれば積極的に発言し、結果として上達も早くなる。完璧主義は、実力以上に「自分は能力不足だ」という認知を生み出し、沈黙を強化しているのです。

定型表現(チャンクフレーズ)の武装——考えずに口から出る「パーツ」を増やす

完璧主義者の頭の中では、発話のたびに「文法は正しいか」「語彙は適切か」「発音は大丈夫か」と複数のチェックが同時に走り、発話を遅らせています。

この認知負荷を劇的に下げる方法があります。定型表現(フォーミュレイック・シーケンス)を丸ごと覚えて使うことです。

ネイティブスピーカーの自然な発話の50〜80%は、実は文法ルールから毎回組み立てたものではなく、あらかじめ記憶した「かたまり(チャンク)」の組み合わせで構成されています。定型表現を意識的に学んだ学習者は、ブラインド評価でより流暢だと判定されることも実験で確認されています。

定型表現を使うことで、文法の組み立てにかかる認知コストが劇的に下がります。その結果、注意力を「何を言うか」「どう説得するか」という、より重要な判断に振り向けることができるのです。

ビジネス英語で特に有効な定型表現10選:

  1. "That's a great question. Let me think about that for a moment."(良い質問ですね。少し考えさせてください)
  2. "So, the way I see it..."(私の見方としては…)
  3. "I'd like to add a perspective on this."(この点について一つ視点を加えたいのですが)
  4. "Building on what [Name] just said..."([名前]さんの発言に補足すると…)
  5. "Let me come back to your point about..."(…についてのご指摘に戻らせてください)
  6. "If I understand correctly, you're asking about..."(正しく理解していれば、おっしゃっているのは…)
  7. "That's an important consideration. From our side..."(重要なご指摘です。こちらとしては…)
  8. "I want to make sure I'm addressing your question directly."(ご質問に正確にお答えしたいのですが)
  9. "To be honest, I'm not 100% sure, but my initial thought is..."(完全には確信がありませんが、最初の所感としては…)
  10. "Before we move on, can I confirm my understanding?"(次に進む前に、私の理解が合っているか確認させてください)

訓練法: この10個を紙に書き出し、毎朝3個ずつ声に出して読む。1週間で全10個が反射的に出てくるようになります。これだけで「沈黙してしまう」問題が大幅に軽減されます。

4/3/2テクニック——「不完全でも話し切る」体験を積む

完璧主義が解けるのは、「不完全な英語で話しても、ちゃんと伝わった」という成功体験を積んだときだけです。

第二言語習得研究で最もエビデンスの強い流暢性トレーニングの一つが「4/3/2テクニック」です。同じトピックについて、まず4分→次に3分→最後に2分と、同じ内容を時間を短縮しながら3回話す訓練です。

この方法の効果は複数の実験で確認されており、発話速度が最大48%向上し、ためらいの減少と表現の複雑さの向上が同時に報告されています。さらに重要なのは、この流暢性の向上が練習したトピックだけでなく新しいトピックにも転移したことです。つまり、特定の話題を暗記しただけではなく、話す力そのものが底上げされたのです。

このテクニックが完璧主義の矯正に効く理由は明確です。1回目(4分)で内容を整理し、2回目(3分)で言い回しを洗練し、3回目(2分)では時間的プレッシャーの中で「完璧でなくても話し切る」体験を強制的に積むことができます。反復があるからこそ、時間短縮が安心して機能するのです。

やり方:

  1. 仕事に関連するトピックを1つ選ぶ(例: 「今のプロジェクトの進捗」「来月の計画」)
  2. タイマーを4分にセットして話す(相手がいなくても、スマホの録音で可)
  3. 同じ内容を3分で話す
  4. 同じ内容を2分で話す
  5. 可能であれば、レッスン中に講師を相手に行い、フィードバックを受ける

なぜ格安英会話では代替できないか: 業界の文脈を理解していない講師とのフリートークでは、「ビジネスの場で不完全な英語で話す」リアルなプレッシャーが再現できません。業界を知る講師が取引先や上司の役を演じることで初めて、実務に近い心理的負荷の中でのトレーニングになります。

壁別・1週間の学習スケジュール例

「結局、毎日何をやればいいのか」を、具体的なタイムテーブルにまとめます。

「平日30〜45分の自宅学習 + 週1回のマンツーマンレッスン」で、無理なく継続できるモデルケースです。

曜日

自宅学習(30〜45分)

鍛える壁

「聞きながら読む」15分 + 瞬間英作文10分 + 定型表現の音読5分

壁①②③

シャドーイング15分 + 独り言トレーニング10分

壁①②

講師とのマンツーマンレッスン(50分) ロールプレイ、4/3/2テクニック実践

壁②③

ディクテーション15分(弱点の診断)+ 瞬間英作文10分

壁①②

シャドーイング15分 + 独り言トレーニング10分 + 定型表現の音読5分

壁①②③

土日

余裕があれば業界のPodcastを「聞きながら読む」(15分)

壁①

この設計のポイント:

  • 自宅学習(月火木金): 壁①(リスニング)と壁②(瞬発力)を鍛える、一人でできるトレーニング
  • マンツーマンレッスン(水): 壁②(対人での瞬発力)と壁③(完璧主義の矯正)を鍛える、一人ではできないトレーニング
  • 自宅学習なしにレッスンだけ受けても効果は半減します。逆に、自宅学習だけでレッスンなしでも壁②③は突破できません。 「自宅で仕込んで、レッスンで試す」のサイクルが最も効率的です

独学で鍛えられるスキル・フィードバックが必要なスキル

「何を独学でやるべきか、何をプロに頼むべきか」を整理します。

独学で十分なスキルと、フィードバックなしには伸びないスキルは明確に分かれています。

スキル

独学

理由

業界の専門用語の強化

業界のPodcast、英文レポートの多読で十分

リスニングの処理速度

シャドーイング、「聞きながら読む」で鍛えられる

メールのライティング

テンプレートを参考に実務の中で上達可能

瞬発的なスピーキング

瞬間英作文は一人でできるが、双方向の即応力は対人練習が必要

ニュアンスの温度感

×

自分の "We'll do our best" が相手に「確約」と解釈されているかは一人ではわからない

完璧主義の矯正

×

「不完全でも伝わった」成功体験は他者の前でしか積めない

独学で◎や○のスキルは、ぜひ積極的に自宅で進めてください。毎日15分のシャドーイングや「聞きながら読む」トレーニングだけでも、着実に力がつきます。

一方で×のスキル——「ニュアンスの温度感」と「完璧主義の矯正」——は、業界の文脈を理解した講師との実践的なセッションがあって初めて改善できる領域です。

壁はどこにあるのか?——プロの診断で最短ルートを見つける

この記事で紹介したトレーニングのうち、ディクテーション、シャドーイング、「聞きながら読む」、瞬間英作文、定型表現の暗記は、今日から一人で始められます。

ただし、自分の壁がどこにあるかを正確に診断すること、そして壁②③を突破するための双方向のアウトプット訓練は、一人では困難です。

ELTでは、ビジネス英語中級以上のプロフェッショナルや責任あるポジションで英語を使う方に向けて、英語教育の専門資格を持つネイティブ講師がマンツーマンで指導するカウンセリング・体験レッスンを実施しています。

  • 壁の診断: ビジネス英語の壁が①②③のどこにあるかを、実際の会話の中でプロが特定
  • トレーニング処方: 壁に合わせて「何を優先すべきか」を具体的にフィードバック
  • 業界文脈での実践: 業界・職種のリアルなシーンを想定したロールプレイで、「不完全でも伝わる」体験

「自分の英語が会議の場でどう聞こえているのか」——これは一人では永遠にわかりません。まず客観的な診断を受けることが、壁を突破する最も確実な第一歩です。

よくある質問

A

まず自分の壁を特定してください。「聞き取れない」が主な課題ならシャドーイングと「聞きながら読む」トレーニング、「言葉が出ない」なら瞬間英作文とマンツーマンレッスン、「完璧に話そうとして黙る」なら定型表現の暗記と4/3/2テクニックが最優先です。TOEIC700点以上の方は「中学英語の復習」は不要で、すぐにこれらの実践トレーニングに入るべきです。

A

「聞き取れない箇所がどこかも分からない」ならまずディクテーションで弱点を可視化してください。弱点が判明したらシャドーイングで処理速度を上げるのが効果的です。シャドーイングの方がリスニング改善に対するエビデンスが強く、特に中級者に効果が大きいとされています。理想は「聞きながら読む」を毎日の基本とし、シャドーイングとディクテーションを組み合わせる形です。

A

目的とフェーズによります。英語を話すこと自体に慣れる段階では、格安英会話で量を確保するのが有効です。しかし「業界の会議で通用するレベル」を目指す段階では、的確な修正フィードバックを出せる講師とのマンツーマンの方が費用対効果が高くなります。量だけでは流暢性が改善しないことは研究でも確認されており、フィードバックの質が上達を左右します。

A

平日30〜45分の自宅学習 + 週1回のマンツーマンレッスン(50分)が現実的かつ効果的な目安です。ただし「何分やったか」よりも「自分の壁に合ったトレーニングをやっているか」の方が遥かに重要です。壁①の方が瞬間英作文だけをしても、壁③の方がリスニング教材だけをやっても、壁は突破できません。

A

12,000人以上を対象にした研究によれば、話す意志の最大の予測因子は、実際の英語力ではなく「自分は話せるという自己認識」です。また、不安の高い学習者はエラーの数と深刻度を実際より過大評価する傾向があります。定型表現10個を覚えて「沈黙しない」技術を身につけ、4/3/2テクニックで「不完全でも話し切る」体験を積むことが、研究に裏付けられたアプローチです。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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監修者について

David Falvey

David Falvey

ELT School of English Ltd. Chief Quality Officer

オックスフォード大学にて政治学、哲学、経済学を学んだのち、ブライトン大学の修士課程で英語教授法 (TEFL)の学位を取得。イギリスの公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルの東京オフィスにて講師育成に携わるなど、アジア諸国やイギリスにおいて英語指導の講師および経営層としての経験を積む。ロンドン・メトロポリタン大学のイングリッシュ・ランゲージ・センターで責任者を務め、ELTの最高品質責任者に就任。共著書に世界的ベストセラーであるビジネス英語の教科書「Market Leader」など。

LinkedIn

参考文献・出典

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