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MAPテスト(MAP Growth)のスコア目安と対策|RIT・偏差値の見方と「伸び悩み」脱出法

公開:
2026年最新
MAPテスト(MAP Growth)のスコア目安と対策|RIT・偏差値の見方と「伸び悩み」脱出法 - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

インターナショナルスクールに通うお子様の保護者にとって、年に2〜3回送られてくる「MAPテスト(MAP Growth)」の結果レポートは、通知表以上にドキドキする瞬間かもしれません。

「RITスコアって何? 点数なの?」

「パーセンタイルが50%だったけど、これって平均? それとも低いの?」

「Mathは良いけど、Readingが下がってしまった…」

MAPテストは、日本の偏差値テストとは全く異なる仕組みで設計されています。そのため、正しい見方を知らないと、必要以上に焦ったり、逆に課題を見落としたりするリスクがあります。

本記事では、MAPテストのスコアの正しい読み解き方から、全米平均と「インター校内平均」のギャップ、そして無料でできる最強の対策ツールまでを徹底解説します。

1. MAPテスト(MAP Growth)とは? 3つの特徴

MAP Growth(Measures of Academic Progress)は、世界中のインターナショナルスクールで採用されている「学力測定テスト」です。

① 「天井がない」適応型テスト

最大の特徴は、コンピューター適応型(Computer Adaptive Test)である点です。 受験者が正解すると次の問題は難しくなり、間違えると易しくなります。 これにより、「学年レベルを超えた実力」を正確に測ることができます。例えば、小学3年生であっても、中学2年生レベルの数学力があれば、そのような難易度の問題が出題され、高いスコアが出ます。

② 偏差値ではなく「成長(Growth)」を見る

MAPの目的は、他人との競争ではなく「前回の自分より伸びているか」を見ることです。

年に3回(Fall / Winter / Spring)実施されるため、短期的な学習成果がグラフで可視化されます。

③ 科目は主に4つ

  • Math(算数・数学)
  • Reading(英語読解)
  • Language Usage(文法・語法)
  • Science(科学) ※学校による

2. 【保存版】スコアレポートの正しい見方

レポートには多くの数字が並んでいますが、見るべきは「RITスコア」と「パーセンタイル」の2つです。

① RITスコア=「身長」

RIT(リット)は、学年に依存しない絶対的な学力の「ものさし」です。

身長と同じで、学年が上がれば数値も上がっていきます。

  • 見方: 「前回の205から210に伸びた!」というように、過去の自分と比較するために使います。

② パーセンタイル(Percentile)=「順位」

Percentile(%ile)は、全米の同学生徒の中で、どの位置にいるかを示す「偏差値」のようなものです。

  • 99th Percentile: 上位1%(トップレベル)
  • 50th Percentile: ちょうど真ん中(全米平均)
  • 見方: 世の中全体との比較に使います。

【要注意】インターの「平均」は高い

ここが多くの保護者が誤解するポイントです。

レポートに「50th Percentile(Average)」と書かれていても、それはあくまで「アメリカの全生徒の中での平均」です。

教育熱心な家庭が集まる日本のインターナショナルスクール(特にASIJ、KIST、YISなどの進学校)では、校内平均が「60th〜70th Percentile」になっていることが珍しくありません。

つまり、「レポート上はAverage(50%)なのに、クラスの中では下のほう」という現象が起こり得ます。

トップ校を目指すなら、70th〜80th Percentile以上を一つの目安にすると良いでしょう。

3. 学年別・目標スコア目安表(2020 NWEA Norms)

以下は、全米平均(Mean RIT)の目安です。

「トップ校(Top Tier)」を目指す場合の目標ライン(概算)も併記しました。

Math(算数・数学)

日本人の子供は算数が得意な傾向にあり、高スコアが出やすい科目です。

Grade (学年)

全米平均 (Average)

トップ校目標 (High Achiever)

G1

160 - 176

185+

G2

175 - 191

200+

G3

188 - 202

215+

G4

199 - 213

225+

G5

209 - 221

235+

G6

215 - 225

240+

G9

225 - 230

255+

Reading(英語読解)

日本人生徒が最も苦戦するのがここです。Mathとの乖離に注意しましょう。

Grade (学年)

全米平均 (Average)

トップ校目標 (High Achiever)

G1

155 - 171

180+

G2

172 - 185

195+

G3

186 - 197

210+

G4

196 - 204

218+

G5

204 - 210

225+

G6

210 - 215

230+

G9

218 - 221

240+

4. スコア分析ケーススタディ:なぜReadingが伸びない?

よくある相談が「Mathは95%なのに、Readingだけ50%台で伸び悩んでいる」というケースです。

原因:Fictionは読めるが、Non-fictionが読めない

MAPテストのReadingには、物語(Fiction)だけでなく、科学記事や歴史的文献といった説明文(Informational Text)が多く出題されます。 ハリー・ポッターのような小説は好きで読んでいても、「論理的な文章」の語彙や構造に慣れていないと、一定レベル(Grade 3-4あたり)でスコアが頭打ちになります。

対策:「Lexile指数」を活用する

MAPの結果レポートには、お子様の読書レベルを示す「Lexile(レクサイル)指数」(例: 800L)が記載されています。 Amazonなどで洋書を探す際、このLexile指数に合った「Non-fiction(科学・伝記・歴史)」の本を選んで読ませることが、最も効果的な処方箋です。

5. 今日からできる!無料の最強対策ツール

「MAPテストのために塾に行くべきか?」という質問をよく頂きますが、まずは家庭でできる「公式推奨」の無料ツールを使い倒してください。

① Khan Academy「MAP Accelerator」

世界最大の無料学習サイトKhan Academyは、MAPテストを運営するNWEAと公式提携しています。

  • 機能: お子様のMAPスコア(RIT)を入力するだけで、「今の実力にぴったりの練習問題」を自動で生成してくれます。
  • メリット: 簡単すぎる問題も、難しすぎる問題も出ません。弱点単元だけをピンポイントで補強できます。
  • 費用: 完全無料です。

② Newsela / CommonLit(Reading対策)

Reading対策には、ニュース記事や論説文を読めるサイトがおすすめです。

Newsela: 同じニュース記事を「Lexileレベル別」に書き換えて表示できます。お子様のレベルに合わせた難易度で、時事問題や科学記事を読む練習ができます。

結論:MAPは「健康診断」である

MAPテストの結果は、通知表のような「評価(審判)」ではありません。

あくまで、お子様の学習状況を知るための「健康診断(診断)」です。

「数値が悪いからダメだ」と叱るのではなく、「図形(Geometry)が弱いから、Khan Academyでそこだけ復習しよう」と、次のアクションを決めるための羅針盤として活用してください。

もし、スコアの読み解きに迷ったり、具体的な学習計画の立て方が分からなかったりする場合は、インターナショナルスクール専門のカウンセラーに相談することをお勧めします。

よくある質問

不要です。

MAPは「蓄積された実力」を測るテストです。一夜漬けで単語を覚えても、適応型テスト(Adaptive)の仕組み上、すぐにメッキが剥がれます。普段からKhan Academyなどでコツコツ基礎を固めるのが最短ルートです。

誤差の範囲かもしれません。

RITスコアには「±3ポイント」程度の標準誤差があります。また、当日の体調や集中力にも左右されます。1回のダウンで叱ったりせず、3回分(1年間)のトレンドを見て、右肩上がりならOKと判断してください。

英語環境への適応を見るのに役立ちます。

低年齢(Grade K-2)のMAP Growth K-2は、音声読み上げ機能がついたテストです。早期から受けることで、「耳からの英語理解度」や「基礎概念の定着度」を客観的に知ることができます。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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