プリスクール卒園後の「小1の壁」に悩む保護者のための判断ガイド
「せっかくプリスクール(バイリンガル幼稚園)で英語が話せるようになったのに、日本の小学校に入れたら忘れてしまうのでは?」
「でも、いきなりインターナショナルスクールに入れて、日本語や学力は大丈夫?」
いま、そんな不安と戦っているのではないでしょうか。
「インター 小学校」と検索している悩みは、単なる学校選びではなく、「お子さまの将来のアイデンティティと選択肢」に関わる重要な決断です。
この記事では、インターナショナルスクール事情に詳しくない方でもゼロから分かるように、学校の種類、メリット・デメリット、そして「英語教育のプロ(ELT)」から見た成功の秘訣を解説します。
1. 「インター小学校」は3種類ある!まずは違いを知ろう
一言で「インター」と言っても、実はカリキュラムや法的な位置づけによって大きく3つに分類されます。ここを混同すると学校選びに失敗します。
特徴 | ① 老舗・本格インターナショナルスクール | ② 日本の「一条校」+国際コース | ③ バイリンガル小学校・新設校 |
主な言語 | ほぼ100% 英語 | 日本語ベース+英語イマージョン | 学校により比率が異なる |
法的扱い | 各種学校・外国人学校(日本の学校ではない) | 日本の小学校(一条校) | 各種学校 または 一条校 |
カリキュラム | IB(国際バカロレア)、米国式、英国式など | 日本の学習指導要領 + IBなど | 独自カリキュラムが多い |
主な進路 | 海外大学、国内のインター系大学 | 国内大学、海外大学 | 多様(中学受験する子も) |
こんな人に | 将来は海外進学を強く希望する | 日本の卒業資格も確保したい | 英語環境を維持しつつ柔軟に考えたい |
日本の義務教育課程を修了したとみなされるのは、主に②の「一条校」です。①の場合は、公立中学への進学や日本の大学受験の際に、手続きや資格認定(国際認定など)の確認が必要になる場合があります。
2. 後悔しないための「3つの判断軸」
「英語ができるようになるから」という理由だけで選ぶのは危険です。以下の3つの軸で、ご家庭の方針をクリアにしましょう。
軸① 「最終学歴」をどこに設定するか
- 海外大学メイン: ①のインターナショナルスクールが最短ルートです。
- 日本の大学メイン: ②の一条校、または「日本の小学校+英語塾」が現実的です。インター出身者が日本の一般入試を受ける場合、高度な日本語力(古文・漢文含む)の対策が別途必要になります。
軸② 日本語力(国語力)へのこだわり
- 「日本人としての教養、漢字、敬語は完璧に身につけてほしい」なら、インターに入れる場合でも家庭での強力な日本語サポートが必須です。
- ここを甘く見ると、英語も日本語も年齢相応のレベルに達しない「ダブル・リミテッド(セミリンガル)」のリスクが生じます。
軸③ 12年間の総予算
- インターの学費相場:年間200〜300万円 × 12年間 ≒ 2,400〜3,600万円
- これに加え、寄付金、スクールバス代、海外研修費などがかかります。「小学校だけ」のつもりでも、環境の違いから日本の中学に戻るのが難しくなるケースも多いため、長期的な試算が必要です。
3. インター小学校のメリット・デメリット
日本の一般的な家庭から見た場合のリアルな側面を整理します。
メリット:世界標準の力がつく
- 圧倒的な英語量: 公立小の英語授業とは比較にならないインプット・アウトプット量で、プリスクールで培った英語脳を維持・発展できます。
- 探究型の学び: IB(国際バカロレア)などに代表される「正解のない問い」に対して考え、議論し、発表する力が養われます。
- 多様性の受容: 国籍、宗教、文化が違うことが「当たり前」の環境で育ちます。
デメリット・注意点:親の覚悟が必要
- 日本語・日本文化との距離: 敬語や「空気を読む」文化、日本の歴史・地理などの知識が弱くなる傾向があります。
- 「お客様」気分のリスク: 日本人の生徒が多いインターの場合、休み時間は日本語で話し、英語力が思ったほど伸びないケースもあります。
- 親の英語力: 学校からの連絡、面談、宿題のサポートなど、保護者にも一定の英語力が求められる場合があります。
4. プリスクール卒園生の「よくある進路パターン」
先輩ご家庭が選んでいる主なルートは以下の3つです。
パターンA:【インター進学】英語教育を貫く
プリスクール → インター小学校 → 海外大学・国内国際系学部
- もっとも英語力は伸びますが、経済的負担と日本語フォローの負担は最大です。
パターンB:【国内進学+英語保持】ハイブリッド型
プリスクール → 日本の公立/私立小 + 質の高い英語塾・家庭教師
- 「基礎学力とアイデンティティは日本で、英語はツールとして高める」スタイル。学費を抑えつつ、中学受験なども選択肢に残せます。
- ただし、一般的な英会話教室ではプリスクール卒のレベルを維持できないため、スクール選びが重要です。
パターンC:【様子見型】バイリンガル小・私立国際コース
- 日本語と英語のバランスを見ながら、中学以降の進路を柔軟に決めたい家庭向け。
5. 学校見学で必ず聞くべき「魔法の質問」
説明会や見学に行った際、この質問をすると学校の本質が見えてきます。
- 「日本語(国語)の授業は週に何時間ありますか? 教科書は日本のものを使いますか?」
→ 日本語への本気度が分かります。
- 「日本人の先生と外国人の先生の割合は?」
→ 担任がどちらかによって、クラス運営の雰囲気が大きく変わります。
- 「卒業生の進路実績(日本の難関中学・高校への合格実績)は?」
→ カリキュラムの学力レベルを測る指標になります。
- 「学習につまずいた生徒へのサポート(EAL/ESL)はありますか?」
→ 英語がついていけなくなった時のセーフティネットの有無は重要です。
6. ELTだからお伝えできる「本質的なアドバイス」
創業1984年、ロンドン発の英語学校として数多くのインター生・帰国子女を見てきたELTの視点から、最後にこれだけはお伝えしたいことがあります。
「インターに入れる = ゴール」ではありません
「インターに入れば、自動的にバイリンガルになれる」というのは誤解です。
特に小学校高学年以降求められるのは、日常会話ではなく「アカデミックな英語力」です。
- 英語で論理的に文章を書く力(Academic Writing)
- 複雑な事象を英語で理解し、批判的に考える力(Critical Thinking)
この力がないと、インターに入っても授業についていけず、かといって日本語の学習も遅れ、自信を失ってしまうお子さまを私たちは見てきました。
どの道を選んでも「英語で考える力」は伸ばせる
逆に言えば、日本の小学校に通いながらでも、正しい指導を受ければ「世界で通用する英語力」は育ちます。
重要なのは「学校のブランド」ではなく、「今、のお子さまの英語レベルに合った、質の高いインプットと知的なアウトプットの場があるか」です。
ELTにできること
私たちELTは、インターナショナルスクールの補習校として、あるいは日本の学校に通うお子さまのハイレベルな英語塾として、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの指導を行っています。
- インター検討中の方: お子さまの現在の英語力を診断し、インターの授業についていけるかのアセスメントや準備レッスンを行います。
- 日本の小学校を選ぶ方: プリスクールで培った英語力を落とさず、さらに「読む・書く」力へと高めるためのネイティブ講師によるマンツーマン指導を提供します。
「インターにするか迷っている」「日本の学校に行きながら英語力を伸ばしたい」
そんな迷いがある段階でも構いません。まずはELTにご相談ください。お子さまの10年後を見据えた最適なプランを一緒に考えましょう。





