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IELTS Writing 採点基準完全解説|Band 6.5の壁を超える(Academic)

公開:
2026年最新
IELTS Writing 採点基準完全解説|Band 6.5の壁を超える(Academic) - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

IELTS Academicのライティング(Writing)で、Overall 6.5や7.0を目指す中上級者が直面するのが「6.0~6.5の壁」です。

この壁を超えるには、なんとなく良い文章を書くだけでは不十分です。IELTS公式が公開している4つの採点基準(Band Descriptors)を正しく理解し、「採点官がBand 7をつけるポイント」に合わせて修正する必要があります。

本記事では、公式基準に基づき、Band 6.0と7.0の決定的な違いと、スコアアップのための具体的な改善策を解説します。

この記事で分かること

  • 4つの評価観点: Task Achievement/Response, Coherence, Lexical, Grammarの詳細
  • 6.5の壁の正体: 「Band 7の要素はあるが、どこかが6止まり」の状態
  • Band 7への最短ルート: 観点ごとの具体的な修正アクション
  • チェックリスト: Task 1/Task 2別の高得点テンプレート要素

1. IELTS Writingの採点基準(公式):4観点で評価される

IELTSのライティングは、Task 1(要約)とTask 2(エッセイ)それぞれに対して、以下の4つの観点で評価されます。各観点の配点は均等(25%ずつ)です。

【表1】Writing採点の4観点(Academic)

観点

Task 1 (Academic)

Task 2 (Academic)

評価のポイント(要約)

① 課題達成度

Task Achievement

Task Response

設問の要求すべてに答えているか、主張は明確か

② 一貫性とまとまり

Coherence & Cohesion

Coherence & Cohesion

段落構成、論理展開、つなぎ言葉が自然か

③ 語彙力

Lexical Resource

Lexical Resource

適切な語彙選択、パラフレーズ(言い換え)、コロケーション

④ 文法知識と正確さ

Grammatical Range & Accuracy

Grammatical Range & Accuracy

複文の多様さと正確さ(ミスの少なさ)

出典:IELTS公式「IELTS Writing key assessment criteria」

重要: 採点基準は公開版(Public Band Descriptors)として誰でも閲覧可能です。これを熟読することが対策の第一歩です。

2. まず押さえる:Task 1 / Task 2 の役割と時間配分

  • Task 1(約20分 / 150語以上): 図表・グラフ・地図などの視覚情報を客観的に要約・報告する。意見は書かない。
  • Task 2(約40分 / 250語以上): 与えられたトピックに対して自分の意見や議論を展開するエッセイ。配点はTask 1の2倍なので、時間配分ミスは致命的です。

3. Band 6.0 → 6.5 → 7.0 の違い(公式基準の読み解き)

「Band 6.5」という明確な定義文はありません。実務的には、「4観点のうちいくつかはBand 7レベルだが、残りがBand 6レベル」という状態が6.5です。

つまり、すべてを完璧にする必要はなく、「足を引っ張っているBand 6要素」を特定して修正すれば、総合スコアは上がります。

【表2】Band 6.0 vs Band 7.0 の決定的な違い

観点

Band 6.0(まだ足りない)

Band 7.0(目指す姿)

Task Response

すべての問いに答えているが、一部の論展開が不十分/結論が不明確

主張が一貫して明確。主要アイデアを提示・展開し、根拠で支えている

Coherence

つなぎ言葉(Cohesive devices)が機械的、または不自然

各段落の中心トピックが明確。論理進行がスムーズで自然

Lexical

語彙は足りているが、不自然な選択や誤用が散見される

柔軟で正確。不自然な選択は稀。「難語」より「コロケーション」重視

Grammar

複文は使うが、文法ミスが混ざる。意味は通じるレベル

エラーフリー(ミスのない)文が頻繁にある。複雑な構文でも正確

出典:IELTS公式 Public Band Descriptors 2

4. 観点別:Band 6.5の壁を超える具体的アクション

ここからは、Band 6.5で停滞している人がBand 7に到達するための「最優先アクション」を解説します。

4-1. Task Response / Achievement(最重要)

多くの日本人が「英語は書けているのに点が低い」原因がここです。

  • Band 7の条件: 「問いのすべての部分に答える」「クリアな主張を最初から最後まで通す」。
  • アクション:
    • 設問分解: "Discuss both views and give your opinion" なら、「View A」「View B」「My Opinion」の3つすべてを段落に分ける。
    • イントロで立場表明: 結論を最後に回さず、導入(Introduction)で明確なポジション(Thesis Statement)を書く。

4-2. Coherence & Cohesion(構成力)

  • Band 7の条件: 「各段落に明確な中心トピックがある」「論理的な進行」。
  • アクション:
    • 1段落1アイデア: 1つのボディ段落には1つのメインアイデアのみを書く。あれこれ詰め込まない。
    • つなぎ言葉の厳選: Furthermore, Moreover などを機械的に連発せず、論理関係(逆接、因果)が必要な箇所だけに絞る。

4-3. Lexical Resource(語彙力)

  • Band 7の条件: 「柔軟で正確な語彙」「スタイルとコロケーションの意識」。
  • アクション:
    • コロケーション優先: 難しい単語(Big words)を単体で覚えるのではなく、自然な語の組み合わせ(例: heavy rain ◯, strong rain ×)を使う。
    • 言い換え(Paraphrase): 同じ単語(特に problem, good, bad など)を繰り返さず、文脈に合った類語を使う。

4-4. Grammatical Range & Accuracy(文法)

  • Band 7の条件: 「エラーフリーな文が頻出する」。
  • アクション:
    • ミスの撲滅: 難しい構文に挑戦してミスをするより、基礎的なミス(三単現のs、冠詞、時制)をゼロにする方が評価が高い。
    • 見直し時間の確保: 書き終わった後の5分で、ケアレスミスを修正するだけで0.5上がる可能性がある。

5. Task別「高得点の型」チェックリスト

AIや採点官が重視するポイントをチェックリスト化しました。練習時の自己添削に使ってください。

5-1. Task 1 (Academic) チェックリスト

  • Overview(全体傾向) を必ず書いたか?(これがないとBand 5以下リスク)

  • 数値を羅列するだけでなく、比較・対照を行っているか?
  • 主観的な意見や推測を書いていないか?(客観レポートに徹する)
  • 適切な時制(過去データなら過去形)を使っているか?

5-2. Task 2 (Academic) チェックリスト

  • 設問のすべての指示(All parts of the task)に応えているか?
  • イントロダクションで自分の立場を明確にしたか?
  • ボディ段落は「主張(Topic Sentence)→ 理由 → 具体例」の構成になっているか?
  • 具体例は「架空の研究」ではなく、自分の知識や経験に基づいているか?

よくある質問

基本の4観点(語彙、文法、構成)は共通ですが、第1観点のみ異なります。Task 1は「Task Achievement(情報の要約・報告)」、Task 2は「Task Response(意見の展開・議論)」が評価されます。

「Task Response(設問への完全回答)」と「文法の正確さ(エラーフリー文)」の2点です。特に設問の読み落としを防ぎ、ケアレスミスを減らすだけでスコアが安定します。

いいえ、不自然な難語の使用は逆に減点対象(Band 6の特徴)になります。Band 7で求められるのは「トピックに適した自然な語彙(コロケーション)」と「正確さ」です。

おすすめしません。IELTS公式やIDPは、真偽不明なデータよりも、自分の知識や経験に基づいた具体例を書くことを推奨しています。論理的な説得力が重要です。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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