IELTS Academic Writing Task 1(グラフ・図表描写)において、多くの受験者が直面する壁があります。それは、「気づけば "increase" と "decrease" ばかり使ってしまい、文章が単調になる」という悩みです。
Task 1の採点基準の一つである「Lexical Resource(語彙力)」では、単に正しい単語を使うだけでなく、多様な表現(パラフレーズ)を使い分ける力が評価されます。また、数値の変化を正確に伝えるための「前置詞」や「程度を表す副詞」の使い方は、Band 7.0以上の高得点を狙う上で避けて通れません。
本記事では、スコアアップに直結する「言い換え表現」と「正確な文法ルール」を、グラフ・地図・プロセスなどのタイプ別に解説します。
1. 【トレンド描写】「上昇・下降・横ばい」の言い換えリスト
「増えた」「減った」を表す動詞は、変化の度合いによって使い分けることで、表現の幅が一気に広がります。Band 6(基本)とBand 7+(上級)の違いを見てみましょう。
上昇(Upward Trend)
- 基本 (Basic): increase, rise, grow, climb
- 上級 (Advanced):
- Soar / Rocket / Surge: 「急激に上昇する」ときに使います。
Example: "House prices have soared this year."
- Skyrocket: さらに劇的な急増を表します(例:1年で倍増など)。
- Soar / Rocket / Surge: 「急激に上昇する」ときに使います。
下降(Downward Trend)
- 基本 (Basic): decrease, fall, drop, decline
- 上級 (Advanced):
- Plummet / Plunge: 「急落する」「暴落する」ときに使います。
Example: "The number plummeted to its lowest point."
- Dip: 一時的に少し下がって、また戻るような「軽い落ち込み」に使います。
- Plummet / Plunge: 「急落する」「暴落する」ときに使います。
変動・安定(Fluctuation & Stability)
- 変動する: fluctuate
Example: "The figures fluctuated over the next nine years."
- 安定する・横ばい: remain stable, remain steady, stay the same
- 頭打ちになる(上昇後に安定): level off, reach a plateau
Example: "After rising for two years, the figures leveled off in 2015."
2. 【程度表現】スコアを分ける「形容詞・副詞」の魔法
単に「増えた」と書くのではなく、「どのように(速く/ゆっくり/大幅に)」増えたのかを加えることで、描写の精度(Precision)が格段に上がります。
「大幅な・急速な」変化 (Big/Fast Change)
- 副詞: dramatically, significantly, sharply, rapidly, steeply
- 形容詞: dramatic, significant, sharp, rapid, steep
- コロケーション(自然な組み合わせ):
○ rise sharply / increase significantly
○ a sharp rise / a significant increase
注意: increase steeply よりも increase rapidly の方が自然です。
「わずかな・緩やかな」変化 (Small/Slow Change)
- 副詞: gradually, slightly, steadily, marginally, moderately
- コロケーション:
○ fall slightly / rise gradually
○ a slight decline / a gradual increase
Tips: 副詞(Verb + Adverb)と形容詞(Adjective + Noun)の2パターンを使いこなしましょう。
- パターンA: "The price rose sharply."
- パターンB: "There was a sharp rise in the price."
3. 【文法注意】前置詞 "By" と "To" の決定的な違い
Task 1で日本人受験者が最も減点されやすいのが、数値を伴う前置詞の使い分けです。ここを間違えると事実関係が誤って伝わってしまいます。
「To」vs「By」
- increase TO (〜まで): 到達点(新しい合計値)を表します。
- increase BY (〜分だけ): 変化の「差分(幅)」を表します。
【実例での比較】 元の数値が「50」だった場合:
- "The number increased to 60." → 結果は 60 になった。(+10の変化)
- "The number increased by 60." → 結果は 110 になった。(+60の変化)
その他の重要前置詞
- At: 特定のポイントを示します。
- peaked at 10% (10%でピークに達した)
- stood at 6.5% (6.5%だった)
- Of: 名詞の後ろで数値を説明します。
- reached a peak of 20 (20というピークに達した)
- an increase of 5% (5%の増加)
- 期間 (Range):
- from X to Y (XからYへ)
- between X and Y (XとYの間で) ※"between... to..." は間違いです!
4. 【比較表現】データの特徴を際立たせるフレーズ
Task 1の目的はデータを「比較(Compare)」することです。以下のフレーズを使って、データの大小関係を強調しましょう。
倍数・分数表現
- 〜倍: double (動詞), doubled, triple, three times as much as...
Example: "The number doubled between 2010 and 2020."
Example: "A is three times as high as B."
- 分数: half of..., a third of...
Example: "Buses emit less than half as much CO2 as cars."
最上級と強調
- By far the most... (断トツで〜だ):
Example: "Beef was by far the most popular food." (牛肉は他を引き離して最も人気だった)
対比の接続詞
- While / Whereas (〜である一方):
Example: "Canada’s population rose, whereas Australia’s remained flat."
- In contrast / On the other hand:
Example: "Youth enrollment increased. In contrast, older student enrollment declined."
5. 【地図・プロセス】グラフ以外で必須の表現
棒グラフや折れ線グラフだけでなく、地図(Map)や製造工程(Process)が出題されることもあります。これらは使う単語が全く異なるため、専用の対策が必要です。
Map(地図)の必須語彙
「右・左」ではなく「東西南北」で位置を示し、変化を表す動詞(受動態)を使います。
- 位置:
- to the north of... (〜の北に)
- in the southeast corner (南東の隅に)
- adjacent to / next to (〜に隣接して)
- 変化の動詞(受動態):
- 建設された: was built, was constructed
- 取り壊された: was demolished, was knocked down
- 改装・転用された: was converted into... (例:工場が美術館になった)
- 取って代わられた: was replaced by...
Process(製造工程)の必須語彙
順序(Sequence)を示す言葉と、受動態(Passive Voice)が鍵となります。
- 順序:
- Initially / First (最初に)
- Subsequently / Then / Next (次に・その後)
- Finally / Eventually (最後に)
- 動作(受動態):
- is heated (加熱される)
- is filtered (ろ過される)
- is transported (輸送される)
- is separated (分離される)
Example: "The mixture is heated and then is filtered to remove impurities."
まとめ:表現の「引き出し」を増やして時短しよう
IELTS Writing Task 1は、型(パターン)が決まっています。今回紹介したフレーズを「知っている」だけでなく「使いこなせる」ようにしておけば、150語を素早く書き上げ、配点の高いTask 2に時間を残すことができます。
まずは、自分の書いたエッセイを見直し、"increase" を "soar" に、"to" を "by" に修正するところから始めてみましょう。
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