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元試験官が教えるIELTSリーディング初心者ガイド|時間配分・問題形式・6.0への勉強法

公開:
2026年最新
元試験官が教えるIELTSリーディング初心者ガイド|時間配分・問題形式・6.0への勉強法 - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

「3つの長文を読んで、40問に答える。制限時間は60分。」

IELTS(アイエルツ)のリーディングについてこう聞くと、「センター試験(共通テスト)と同じくらいかな?」と思うかもしれません。しかし、実際に解いてみると、多くの初心者が「2つ目の長文の途中で試験が終わってしまった」という洗礼を受けます。

IELTSリーディングは、単語力だけでなく「情報処理スピード」を極限まで試される試験です。

本記事では、元IELTS試験官が在籍するELTの知見に基づき、試験の仕組み、アカデミックとジェネラルの違い、そして初心者が時間内に解き終わるための「読み方のコツ」を解説します。

この記事で分かること

  • 試験概要: 時間、問題数、Listeningとは違う「転記時間」の罠
  • モジュール別: アカデミックとジェネラルの文章レベルと採点基準の違い
  • 難所: 日本人が最も苦戦する「True / False / Not Given」問題の正体
  • 学習法: 全文を読まない「スキャニング」の技術

1. IELTSリーディングの概要

まずは概要を知りましょう。リーディングは60分一本勝負です。

【表1】IELTSリーディング試験概要

項目

内容

試験時間

60分

問題数

40問(1問1点)

構成

3つのセクション(Passage 1, 2, 3)

文字数

合計 約2,150〜2,750語

解答形式

選択肢、穴埋め、見出し一致、正誤判定など

元試験官の警告(重要):

リスニング試験には最後に「答えを解答用紙に書き写す時間(10分)」がありますが、リーディングには転記時間がありません。 60分以内に解答用紙への記入まで終える必要があります。「問題用紙に答えを書いたのに、書き写す時間がなかった」は初心者あるあるの失敗です。

2. アカデミックとジェネラルはどう違う?

リーディングは、モジュール(受験タイプ)によって問題の中身がガラリと変わります。

Academic(留学用):学術的な長文×3

  • 内容: 科学雑誌、歴史、社会学、自然科学などの専門的な記事。
  • 構成: 長文が3つ(各700〜900語程度)。
  • 難易度: 語彙レベルが高く、抽象的な内容を含みます。

    例:「オーストラリアの地下水管理の歴史」「ミツバチの脳神経の働き」

General Training(移住・就職用):生活密着型

  • 内容: 広告、パンフレット、社内規定、一般的な雑誌記事。
  • 構成:
    • Section 1: 短い広告や案内が複数
    • Section 2: 仕事に関する文書(求人、マニュアルなど)が2つ程度
    • Section 3: 一般的な長文が1つ
  • 難易度: 語彙は日常レベルで易しいですが、採点基準(スコア換算)が厳しいのが特徴です。

スコア換算の罠:

「Band 6.0」を取るために必要な正解数は以下の通りです。

  • Academic: 40問中 23問 正解でOK
  • General: 40問中 30問 正解が必要

    ジェネラルは読みやすい分、ミスが許されない「高得点勝負」になります。

3. 日本人を悩ませる「魔の質問タイプ」

IELTSには多肢選択(A, B, C, D)以外にもユニークな問題があります。中でも初心者が混乱するのがこれです。

True / False / Not Given(正誤判定)

文章の内容と、設問文の関係性を答えます。

  • TRUE (YES): 本文の内容と一致する
  • FALSE (NO): 本文の内容と矛盾する(反対のことが書いてある)
  • NOT GIVEN: 本文に書かれていない(情報がない)

攻略のコツ:

「書いていないこと」を「書いていない」と判断するのは勇気がいります。「常識的に考えればNOだけど、本文には触れられていない」場合は、正解は Not Given です。自分の知識や推測を入れてはいけません。

4. 初心者がまずやるべき3ステップ勉強法

「時間が足りない」を解決するための、元試験官推奨のトレーニング手順です。

Step 1: 単語力を「IELTS仕様」にする

IELTSには頻出単語があります。特にAcademicを受ける場合、一般的な単語帳に加え、アカデミックな動詞や名詞(verify, implication, distinctなど)を覚えないと、問題文すら読めません。

Step 2: 「スキミング」と「スキャニング」を覚える

60分で2,500語を精読するのは不可能です。ネイティブも全部は読んでいません。

  • スキミング(Skimming): 全体をざっと見て、どんな話題が書いてあるか「大意」を掴む読み方。
  • スキャニング(Scanning): 設問のキーワード(数字、固有名詞など)を探すためだけに、視線を走らせる読み方。

Step 3: 「設問を先に読む」癖をつける

本文を読んでから設問を見ると、絶対に忘れて読み直すことになります。

「設問を読む」→「キーワードを記憶する」→「本文から探す」

この順番(サーチライト戦略)を徹底してください。

「読めているのに正解できない」とお悩みの方へ

リーディングは独学しやすい科目と言われますが、Band 6.0付近でスコアが停滞する人には共通点があります。

それは「単語の意味は分かっているのに、論理のひっかけ(Not Givenなど)で落としている」ことです。

ELTのアプローチ

ELTでは、ネイティブ講師が「なぜその答えになるのか」というロジック(思考回路)を徹底解説します。

  • パラフレーズ(言い換え)の発見: 本文の "changed significantly" が設問で "major alteration" になっているような「言い換えのペア」を見抜く力を養います。
  • Not Givenの判定: ネイティブが文章を読む時の「書かれていること/いないこと」の線引きを指導します。

「単語帳は覚えたのにスコアが上がらない」 「Not GivenとFalseの違いが腑に落ちない」

そんな方は、一度プロの解説を受けてみてください。

よくある質問

安心してください。満点を取る必要はありません。Band 6.0(23問正解)を目指すなら、17問は間違えてもいいのです。難しい専門用語が含まれる設問は後回しにして、確実に分かる問題から解くのが鉄則です。

どちらでも構いませんが、読みやすさの観点からすべて大文字(ALL CAPITAL LETTERS)で書くことをお勧めします。ブロック体でハッキリ書きましょう。

はい、自由です。重要な単語にアンダーラインを引いたり、パラグラフ番号を書いたりすることは推奨されます。ただし、解答用紙以外に書いたものは採点されません。

執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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