「大学院留学のためにIELTS OA 6.5が必要だが、何度受けても6.0止まり」
「独学でListeningとReadingは伸びたが、WritingとSpeakingが足を引っ張っている」
この記事は、こうした悩みを持つIELTS学習者(現在OA 5.5〜6.0)のために書かれています。
多くの日本人がぶつかる「6.0の壁」。実は、「英語力を上げるだけ」ではこの壁は越えられません。
ロンドン発のELTが、元試験官の知見をもとに、OA 6.5〜7.0を獲得するための「最短ルート」と「戦略」を徹底解説します。
1. IELTS OA 6.5・7.0のレベル感と難易度
まず、ゴール設定を明確にしましょう。OA 6.5と7.0は、求められる英語運用能力に明確な差があります。
OA 6.5のレベル(大学院・移住の最低ライン)
- 定義: 「有能なユーザー(Competent User)」と「優秀なユーザー(Good User)」の中間。
- 実感値: 多少の間違いや誤解はあるものの、複雑な英語を概ね理解し、自分の意見を論理的に伝えられるレベル。
- 用途: 多くの海外大学院(修士)、専門職ビザ、医療職登録などの「足切りライン」として設定されます。
OA 7.0のレベル(難関大・MBAライン)
- 定義: 「優秀なユーザー(Good User)」。
- 実感値: 複雑な状況でも流暢かつ正確に英語を操れる。論理構成が明確で、誤解を招く表現が少ない。
- 用途: オックスフォード・ケンブリッジ等のトップスクール、法学・医学・教職コースなどで求められます。
日本人が目指すべき「スコア配分」の黄金比
日本人が「全科目バランスよく6.5をとる」のは至難の業です。得意な受信スキル(R/L)で稼ぎ、発信スキル(W/S)の失点をカバーする戦略が最も現実的です。
目標 OA | Listening (L) | Reading (R) | Writing (W) | Speaking (S) | 戦略のポイント |
OA 6.5 | 7.0 - 7.5 | 7.0 - 7.5 | 6.0 | 6.0 | L/Rで貯金を作る。 |
OA 7.0 | 7.5 - 8.0 | 7.5 - 8.5 | 6.5 | 6.0 - 6.5 | Rは満点近く狙う。 |
2. なぜ日本人は「OA 6.0」で止まるのか? 3つの原因
多くの日本人受験者を見てきた元試験官の分析によると、6.0で停滞する理由は以下の3つに集約されます。
① 「英語力」と「スコアメイク」を混同している
文法書や単語帳だけをやっていてもスコアは伸びません。IELTSは「採点基準(Band Descriptors)」に基づいたテストです。採点官がどこを見て加点・減点するかを知らずに勉強するのは、ルールを知らずにスポーツをするようなものです。
② WritingとSpeakingが「自己流」で固定化している
ここが最大の落とし穴です。
- Writing: 誰にも添削されず、同じ論理展開のミス、不自然なコロケーションを使い続けている。
- Speaking: 「沈黙しないこと」ばかりに気を取られ、文法や語彙の精度(Accuracy)が5.5レベルのまま話し続けている。
③ インプット(L/R)の分析不足
「過去問を解いて答え合わせをして終わり」になっていませんか?
聞き取れなかった原因が「音の連結(リエゾン)」なのか「単語力」なのかを分析しない限り、何度模試を解いても点数は上がりません。
3. 必要な勉強時間は?(3ヶ月〜半年で達成する計画)
現在のスコアから目標スコアに到達するために必要な平均的な学習時間は以下の通りです。
- OA 5.5 → 6.5: 300〜400時間(1日3時間 × 4〜5ヶ月)
- OA 6.0 → 6.5: 150〜200時間(1日2時間 × 3ヶ月)
- OA 6.5 → 7.0: 200時間〜(内容による)
3ヶ月集中学習スケジュールの例
平日2時間、週末4時間を確保する場合のモデルプランです。
- 平日(インプット中心):
L/Rの精読・精聴(1時間)
単語・フレーズ暗記(30分)
W/Sのネタ出し・構成案作成(30分)
- 週末(アウトプット&模試):
公式問題集を通しで解く(3時間)
Speakingの実践練習・録音(1時間)
重要: 毎週日曜日に「今週の弱点」を洗い出し、翌週の課題に設定する「振り返り」を行うことで、学習効率が劇的に上がります。
4. スキル別:OA 6.5〜7.0を取るための具体的対策
Listening:7.0〜7.5(正答数 30〜32問)
ただ聞くだけではなく、「パラフレーズ(言い換え)」への反応速度を上げることが7.0への鍵です。
- 精聴(Dictation/Shadowing): 聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認し、自分が認識している音と実際の音のズレ(連結・脱落など)を修正する。
- 言い換えリスト作成: 問題文のキーワードが音声でどう言い換えられたかノートにまとめる。(例: “tuition fees” ↔ “cost of education”)
Reading:7.0〜8.0(正答数 30〜35問)
日本人の最大の得点源です。ここで稼がないとOA 6.5は厳しくなります。
- 精読と多読の使い分け: Cambridge公式問題集は徹底的に精読し、不明な単語や構文をゼロにする。並行して、英字新聞や雑誌(The Economist等)で多読を行い、処理速度を上げる。
- 設問タイプの攻略: 特に苦手とする人が多い「True / False / Not Given」や「Heading」問題の解法ロジックを確立する。
Writing:6.0の壁を超えて「6.5」を狙う
日本人にとって最難関のスキルです。6.0と6.5の間には「Task Response(タスクへの回答)」と「Coherence(一貫性)」に大きな壁があります。
- Task 1: テンプレートに頼りすぎず、データの「主な特徴」を正確に要約する練習をする。
- Task 2:
- 明確なポジション: 賛成か反対か、自分の立場をIntroductionからConclusionまで一貫させる。
- パラグラフ構成: 1つの段落に1つのアイデア。主張 → 理由 → 具体例のセットを崩さない。
- 語彙: 難しい単語(Big words)を無理に使うより、文脈に合った自然なコロケーション(Collocation)を使う方が高評価です。
Speaking:6.5〜7.0を取る話し方
「流暢に話す」だけでは7.0は届きません。
- Idiomatic Language: 7.0の要件である「イディオムや熟語表現」を自然に盛り込む(使いすぎはNG)。
- 具体化: Yes/Noだけで終わらせず、"Because...", "For example...", "Assuming that..." と話を展開(Extend)させる力を見せる。
- 録音と自己修正: 自分の声を録音し、「同じ単語ばかり使っていないか」「文法ミス(三単現のS、時制)はないか」を客観的にチェックする。
5. 元IELTS試験官が指摘する「日本人の残念な間違い」
ELTに在籍する元試験官やネイティブ講師が、日本人受講生の添削・指導を通して頻繁に目にする「もったいない減点ポイント」を紹介します。
① 内容が「安全」すぎて評価されない (Writing)
「教育は重要だ」「環境を守るべきだ」といった無難すぎる主張は、具体性に欠けると判断されがちです。「なぜ重要なのか?」「具体的にどう守るのか?」まで踏み込んで記述しないと、Task Responseのスコアが伸びません。
② 「正解」を言おうとして沈黙する (Speaking)
Speakingテストは知識テストではありません。「嘘でもいいから、英語で論理的に説明できるか」を見ています。事実かどうかよりも、「話を広げる力」を優先してください。
③ フィードバックなしでWritingを書き続ける
これが最も非効率です。冠詞(a/the)の使い分けや、論理の飛躍は、自分では絶対に気づけません。プロの添削を数回受けるだけで、数ヶ月分の独学に相当する改善が見込めます。
6. まとめ:OA 6.5〜7.0は「戦略」と「正しいフィードバック」で達成できる
IELTS OA 6.5〜7.0は、帰国子女や留学経験者でなくても、正しい戦略があれば十分に到達可能なスコアです。
- 現状把握: 自分の弱点が文法なのか、論理構成なのかを知る。
- 戦略立案: L/Rで稼ぎ、W/Sを最低限の失点に抑える計画を立てる。
- プロの活用: 特に伸び悩むWritingとSpeakingは、客観的なフィードバックを取り入れる。
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ELTは、ロンドンで創業以来、多くの日本人を志望校合格・移住成功へ導いてきました。
- 元IELTS試験官・ネイティブ講師による質の高い指導
- 日本人の弱点(冠詞、論理構成、発音)に特化したカリキュラム
- あなたの目標スコアと現状に合わせたオーダーメイドの学習計画
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