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英語オンライン会議で主導権を握るファシリテーション|割り込み・論点整理の高度なテクニック

公開:
2026年最新
英語オンライン会議で主導権を握るファシリテーション|割り込み・論点整理の高度なテクニック - ELT英会話 英語学習コラム
田中 達也

執筆者: 田中 達也|ELT日本法人 代表

「英語は聞き取れている。言いたいこともある。しかし、ネイティブ同士のマシンガントークに割って入る隙がない」 「議論が脱線しても、失礼にならずに本題に戻すフレーズが出てこない」

これは、TOEIC 900点を超えるハイクラスなビジネスパーソンから最も多く寄せられる悩みの一つです。

会議で発言権(Floor)を取れないのは、英語力の問題ではありません。「割り込み(Interruption)」と「ファシリテーション(Facilitation)」の戦術を知らないだけです。

市販のフレーズ集にある "May I say something?" のような表現は、グローバルなビジネス現場では「弱気」とみなされ、かえって発言力を下げてしまいます。

本記事では、多国籍チームの会議で「場の主導権(Authority)」を握り、議論を前進させるための高度な英語戦術を、元IELTS試験官レベルの講師陣の知見に基づき解説します。

なぜ、あなたの「丁寧な英語」は無視されるのか?

「沈黙=合意」ではない(ハイコンテクストの罠)

日本人は「察する文化(ハイコンテクスト)」ですが、欧米を中心とするグローバルビジネスは「ローコンテクスト」です。 エリン・メイヤー著『カルチャー・マップ』でも指摘されている通り、ローコンテクスト文化において「沈黙」「意見がない(No Value)」「理解していない」とみなされます 。

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日本人がやりがちな「礼儀正しく発言の機会を待つ」態度は、グローバル会議では「貢献意欲がない」と誤解される最大のリスクです。「礼儀正しく、かつ強引に」割って入る必要があります。

1. ネイティブの議論を止める「割り込み(Interruption)」の戦術

ネイティブスピーカーが息継ぎをする「0.5秒の間」が勝負です。この一瞬を逃さず、かつ失礼にならないように介入するための「ブリッジワード(橋渡し言葉)」を使いましょう。

文脈に乗っかる "Bridge Words"

いきなり話題を変えるのではなく、相手の話を肯定しながら自分のターンに持ち込みます。

  • "Piggybacking on that point, ..." (今の点に乗っからせていただくと…) 相手の発言を土台にして展開する、非常にネイティブらしい洗練された表現です。

  • "To build on what [Name] said, ..." (〇〇さんの発言に関連して…) 前の発言者を立てつつ、主導権を自分に引き寄せます。

緊急停止の "Power Phrases"

議論が白熱しすぎて収拾がつかない場合や、致命的な誤解を正す場合は、強めの表現でカットインします。

  • "Sorry to cut you off, but..." (遮って申し訳ないのですが…) "Interrupt" よりも強い表現です。緊急度が高い場合にのみ使用し、使用後は "Thank you for letting me interject."(割り込ませてくれてありがとう)とフォローを入れるのがプロの作法です 。

2. 議論を支配する「ファシリテーション」のキラーフレーズ

会議の生産性を上げるためには、ダラダラ続く議論を「切る」勇気が必要です。

脱線を修正する "Parking Lot Method"

誰かが本題と関係ない話を延々と始めた時、角を立てずに話を終わらせるテクニックです。

  • "That’s an interesting point. Let’s put it in the 'parking lot' for now and come back to it later." (興味深い点ですので、一旦「パーキングロット(駐車場)」に置いて、後ほど戻りましょう) 相手の意見を否定せず、「今は扱わない」ことだけを合意させる強力なメソッドです。社風によっては "Let's note that down..." と言い換えても良いでしょう。

議論を強制終了させる "Time Constraint"

  • "In the interest of time, I suggest we move on." (時間の都合上、次に進みましょう) 「私の都合」ではなく「時間の都合」にすることで、客観的かつ強制的に議論を打ち切ることができます。

アクションを確定させる "Alignment"

  • "Let's align on the next steps." (次のステップについて認識を合わせましょう) Align(足並みを揃える)は、外資系マネジメント層が好んで使うパワーワードです。会議の最後は必ずこの言葉で締め、誰が何をするかを明確にします。

3. オンライン会議特有のトラブル対処法

音声ラグで発言が被った時

ZoomやTeamsでは避けられない「発言被り」。譲るだけでは、自分のターンは永遠に来ません。

  • "Please, go ahead. I'll follow up right after." (お先にどうぞ。そのすぐ後に続けます) 単に譲るだけでなく、「次は自分が話す」と予約を入れるのがポイントです。

聞き取れなかった時の「知的な」切り返し

"Pardon?" だけでは頼りない印象を与えます。自分の理解を示しつつ確認しましょう。

  • "Just to clarify, are you suggesting that...?" (確認ですが、…というご提案でしょうか?) 相手の発言を要約して返すことで、「理解しようとしている姿勢」と「知性」を同時にアピールできます。

NGリスト:「権威」を下げる言葉

ビジネスエリートほど、丁寧さを意識しすぎて「弱気な英語」になりがちです。以下の表現は、会議の場では極力避けましょう。

  • "May I say something?" (発言してもいいですか?) 許可を求める姿勢は、リーダーシップに欠けるとみなされます。 "Let me just add..." と宣言して入りましょう 。

  • "I think maybe we should possibly..." (たぶん、おそらく…したほうがいいと思うのですが) 自信のなさが露呈します。確信がなくても "In my view...""I believe..." を使いましょう 。

  • "I'm not an expert, but..." (専門家ではありませんが…) 不要な謙遜(セルフ・ディスカウント)は、発言の価値を自ら下げる行為です 。

結論:英語力よりも「型」と「マインド」

グローバルな会議で評価されるのは、流暢な発音よりも「議論を前進させる発言(Contribution)」です。

今回ご紹介した "Piggybacking""In the interest of time" といったフレーズは、マッキンゼーやゴールドマン・サックスなどのグローバルファームで日常的に使われているコミュニケーションの「型」です 。

これらを武器として使いこなし、遠慮という殻を破ることで、ビジネスプレゼンスは劇的に向上します。

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執筆者について

田中 達也

田中 達也

ELT日本法人 代表

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、数値流体解析の研究に取り組む。大学院在学中、アメリカ・ヒューストンにあるライス大学で招聘研究員として宇宙船の流体シミュレーションに従事する。日本に帰国後は研究を継続する傍ら、ハーバード大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンでキャリアフェアの開催を手掛ける。2019年には在学中にセキジン合同会社 (現 株式会社 ELT Education) を設立。2020年、英国法人 ELT School of English Ltd. と提携し、日本市場向けのオンライン英会話事業を開始。創業以来、1,000名以上の英語学習者のカウンセリングを行う。

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